ハイレゾを楽しむなら専用のハイレゾ対応音楽プレーヤーが一番!
最近、ハイレゾ音源が話題になっている。普段、ほとんどipodで音楽を聴いている私は、実はipodの音質が単調だなと感じ始めていた。ipodを買って音楽を聴き始めた頃の新鮮な感動がい つしか薄れてしまっていた。
それで、数年前に東急ハンズのスーパーオーディオCD(SACD)の展示販売で聴いた臨場感のある音を思い出した。その当時は、ハイレゾに対する知識もなく、高級なオーディオは、音がいいのものだと思ったことを覚えている。しかし、ipodよりいい音で音楽を聴きたいと思う気持ちが日増しに強くなり、ネットでハイレゾの知識を少し仕入れて価格 コムで満足レビュー「5」だったアイリバー社製の「Astell&Kern AK100MKIIー32GB-BLE-J (32GB サファイアブルー)」(以下「AK100MKII」と呼ぶ。)を衝動買いしてしまった。
3週間程使用してみて音質の良さにとても 満足している。ネットで価格コムの現在の値段を見たら驚いたことに1万円も高くなっていた。それで直営ショップも覗いてみたが、こちらは在庫切れになっていた。この製品は、現在のハイレゾ機器の中では、私の調べた限り、一番のおすすめのように思う。小型(サイズ約59.2 × 約79 × 約14.4 mm、重量約122g)で手のひらの中に収まるサイズであ りながら、現状のハイレゾ対応機器としては、実用性、性能とも申し分ないように思う。ハイレゾの現状については、後に詳しく取り上げるのでここでは詳しく書かないが、この商品は ハイレゾ音源をこの機器だけで聴ける高性能ハイレゾ対応音楽プレーヤーということが最も大きな魅力のように思う。
ハイレゾに対応していないipodtouchやiphone(以下に記載の「ipod」とはipodtouchもしくはiphoneのことを指している。)でハイレゾ音源を再生するために は、専用のアプリ(例えば「Onkyo HF Player」)をインストールして、PCで取り込んだ音源をiTunes経由でipodに取り込む必要がある。しかもハイレゾ音源のファイルの容量は 、CDデータの3~6.5倍の大きさになり、ipodの貴重なメモリを大量に消費することになる。
ipodにヘッドホンやイヤホンをつなげば、Onkyo HF Player(以下HF Playerと呼ぶ。)でハイレゾ音楽を聴くこ とは可能だ。しかし、ハイレゾ音源を高音質で聴くためにはUSBDACをipodの端子に接続する必要がある。USBDACは、小さいものでも多くはipod並の大きさ(AK100MKIIは半分程度!)があり、外に 持ち出す場合は、2つの機器をUSB端子で接続した状態で使用することになり、クールでない。
最近では、USBDACを内蔵したヘッドホンも発売されているが、高額でモバイル用としてはやはり大き過ぎるように思う。Bluetoothに対応しているUSBDACもあるが、伝送による音質の劣化があるようだ。正確には、Bluetoothで聴く場合、「音声は基本的にSBC(Sub-Band Coding)と呼ばれる方式で圧縮されるため、ハイレゾ音源を再生してもそのクオリティーは失われてしまう。」ということのようだ。
あまりお金を掛けないでハイレゾ音楽を聴きたければ、ipodにUSBDACを接続せずにHF Playerだけ購入(ダウンロード自体は無料だが、ハイレゾ音源を 聴くためには内部課金1,000円の支払いが必要)してハイレゾ音源を聴くところから始めるのがいいと思う。オンキヨーのサイトで無料のハイレゾ音源サンプルが入手できるので、試しにダウ ンロードして試聴してみるといい。そして、さらにいい音で聴きたくなったら、その時にハイレゾ対応の音楽プレーヤーやUSBDACの購入を検討すればいいだろう。そして購入する前には、その製品のレビューを参考にすることをお勧めする。
※HF Playerについての注意書き(「e-onkyo music 再生環境について」より)
「iPhone,iPad等のiOS機器本体での再生は48kHzまでとなります。48kHz以上の高音質でお楽しみいただく場合はiOS対応の外付けサウンドデバイスをご利用ください。」
HF Playerは、ipodにこれまでに録音 した楽曲をアプリを切り替えずに聴くことができる。ただし、appleストアからダウンロードした曲は、著作権保護管理(DRM)がかかっているため、HF Playerで聴くことはできない。ちなみ にオンキヨーのサイトで販売されているハイレゾ音源は、現在、すべてDRMフリーになっている。
外でハイレゾを楽しむための現在のベストチョイスは、専用のハイレゾ対応プレーヤーの ように思う。ソニーからハイレゾ対応のウォークマンが出ている。また、私が購入したアイリバー社製のAK100MKIIもハイレゾ対応プレーヤーだ。 AK100MKIIは、ハイレ ゾ対応プレーヤーとしてだけでなく、高性能のUSBDACとしても利用できる。
→いい音と操作性――ハイレゾ対応ポータブルオーディオプレイヤーの魅力に迫る
実際にUSBDACとしてAK100MKIIをPCに接続して音質を確認してみたが、プレーヤーと同程度のクリヤーな高音質で再生でき た。また、AK100MKIIのイヤホン端子経由で手持ちのスピーカーやアンプに接続してハイレゾ音源を再生してみたが、やはり高音質で再生することができた。
AK100MKIIは、内蔵メモリ32GBの他 にmicroSDカードスロット(2スロット、各最大SDHC 32GB)が装備されているので合計で96GBのメモリがハイレゾ音源の保存用として使用できる。内蔵のハイレゾ再生ソフトもシンプルで使いやすい。これ1台で 家でも外でもハイレゾ音楽を楽しむことができる。
これ以外にも未発売だが、オンキヨーのハイレゾ対応プレイヤー「DAC-HA300」(2015年春に発売する予定)が注目される。機能的にはAK100MKIIを超える仕様で、AK100MKIIが対応していないDSDネイティブ再生にも対応予定だという。だとすれば音質と価格が一番のポイントになりそうだ。また、HF PlayerもDAC-HA300発売時にはwindowsPCやmacへの 対応が予定されている。現在、PCでDSDをネイティブ再生をするためには、DSDネイティブ再生に対応したソフト(有償もしくはUSBDACにバンドルされたもの)が必要になる。
HF PlayerがwindowsPCやmacに対応し、低価格もしくは無償で市場に提供されればDSD音源の普及が進むことが期待できるのだが、残念ながらWindows/Mac版については、DAC-HA300とDAC-HA200の2機種のみが対応となり、その他のUSB-DACでは使用できない。ipod用のHF Playerは既に1月からDSDネイティブ再生に対応している。ただし、PCやipodでDSDネイティブ音源を再生するためにはDSDネイティブ再生に対応したUSBDACが必要だ。 オンキヨーのDAC-HA300は、ハイレゾ対応プレイヤーであると同時にDSDネイティブ再生に対応したUSBDACでもある。
HF PlayerのDSDへの変換機能は、『単にフォーマットを変えることで高音質を謳うのではなく、オーディオで重要とされる「音の入り口」をより良くするための取り組みだという。DACチップなどのパーツに音質を任せてしまうのではなく、アプリでDSDへ変換する過程においてハイレゾ以外のファイルも同社が推奨する音質で送り出せる利点があり、「(回路構成を自由に変えられる)FPGAに近い思想]」としている。変換後のDSDも、他のDAC/ポータブルアンプなどへDoP出力可能。入力するDAC/アンプは通常の1bit信号として受けられる。 』ということが大きな利点と思われる。
車でHF Playerを使用してハイレゾ音源を再生!
ところで、私は、普段、車に乗っているときは、ipodに対応した純正カーナビにipodを接続してシャッフル設定で音楽を掛けっぱなしにしている。しかし、残念ながら音声入力端子が付 いていないため AK100MKIIは使えない。そこで、HF Playerを使ってカーナビでハイレゾ音源を再生できないかと思い、実験してみた。結果はOKだった。
車のUSBにipodをつ なぎ、カーナビの画面にipodの画面が立ち上がってから、ipodのHF Playerアプリを起動すると再生対象の頭の曲がカーナビの画面に表示されたのでHF Playerで再 生してみたら見事にハイレゾ音源が再生できた。CDからリッピングした曲もHF Playerの画面の中の「HD」のタグを「ipod」のタグに切り替えるだけで再生できた。
ただし、ipodtouchやiphoneに内蔵されているDACは本来48khz/24bitまでの楽曲しか再生できないようなのでこのスペックを超えるハイレゾ音源はダウンサンプリングされてから再生されていると思われる。後で気づいたが、「HD」から「ipod」のタグに切り替えなくても「HD」の画面下のプレイリストには、ipodで作成したプレイリストも表示されるようになっているのでipod用のプレイリストからも曲を再生できる。
私は凝り性なところがあり、AK100MKIIの購入で火が付いたハイレゾ音楽に対する興味からハイレゾについて詳しく調べてみた。そして、ハイレゾについては、賛否両論があることを知っ た。曰く、人間が聞こえる周波数は、CD音源の範囲以内だからそれ以上、周波数を上げても無駄だ。曰く、ハイレゾは音の密度が上がって実際にきめ細やかな音が聞こえる。曰く、所詮、音の善し 悪しは感性の問題だから音質についての論争自体無意味だ。
私の感想としては、AK100MKIIを通して聴く音は明らかに心地のいい音だと言える。これは気のせいではないと思う。家内 も私の意見に同意しているからだ。私の家内は、かなり懐疑的な感性の持ち主で、とりわけ私の意見は家内に採用されないことが多い。しかし、その家内がAK100MKIIで聴く音がいいことを認めたのだからAK100MKIIの音がいいということに多くの人が賛同してくれるように思う。
PCでいい音で音楽を楽しむことができるか?
そこで私は、別のアプローチでハイレゾの音がいい音だということを確認する挑戦をしてみることにした。しかし、一方でハイレゾということにこだわらず、なるべくコストを抑えた装備(周辺機器とソフト)のPCでどこまでいい音で音楽を楽しむことができるかという、より広いテーマを設定してみた。次のハードとソフトを使って実験をしてみた。
<ハード>
ノートPC(Corei5、2.60GHz、メモリ8㎇、SSD128GB、64ビットwindoes8.1)
USBDAC内蔵スピーカー「JBL Pebbles」(音声フォーマット:リニアPC~48khz/16bit)
<ソフト>
ハイレゾ対応再生フリーソフト「foobar2000」
(注)foobar2000はmacには対応していない。macに対応した「VLC media player」というフリーソフトもあるが、音質の向上に制約がある(後述のワサピのような機能がmacのOSにはない。)ため、macでの検証は諦めた。
ノートPCで音楽を再生した時にいい音を期待できない理由は、音声処理に使われている部品がコスト上の理由から低性能のものが使われているためだという。そして音源をデジタルからアナログに変換するDAC(デジタル・アナログ変換)がPCのドライブの振動やCPUが発する高周波ノイズ、そして電源から混入するノイズの影響を受け、音質が劣化するということもある。
PC内部のノイズを避けるために内蔵DACを使わずに、外部接続の周辺機器として開発されたのがUSBDACだ。また、音声を再生するソフトの出来の良し悪しも音質に大きく影響する。さらにPCの音楽再生には、OSの「オーディオエンジ」というソフトの影響を回避する必要がある。PCで音楽を再生する時には、音楽の音源だけでなく、他の音源も混ぜて音を処理することになるため、音を出力する段階で音質が変質してしまう問題がある。そのために、オーディオエンジンを回避(バイパス)して特定の音声データ(デジタル・データ)だけを出力するための機能がwindowsには備わっている。それが「WASAPI 排他モード」(通常「ワサピ」と呼ばれている。)という機能だ。
foobar2000は、この機能の設定を簡単に切り替えられるようになっている。foobar2000は、ユーザーが既存のアドオンソフトをインストールすることで機能アップが図れるソフトウェアだ。ワサピ機能もアドオンソフトを追加するだけで使えるようになる。パソコンの知識があまりない人は、パソコンの設定ができるレベルの知識のある人の協力(極めて簡単な作業だ。ネットから設定に必要な解説情報が簡単に検索できる。)を得ればいいだろう。ワサピの機能を使うことで音楽データだけをUSBDACに受け渡すことができるため音質の向上が望める。
PCでいい音で音楽を再生するために必要な条件
以上を整理するとPCでいい音で音楽を再生するために必要な条件は、次の3点だ。
①ワサピに対応しているwindous7以降のOSを搭載したPCを使う。
②再生ソフトはfoobar2000を使う。
③USBDACは必須。性能が高い製品程よい。
USBDACがなくてもハイレゾ音源の再生は可能だが、いい音で聴きたいならUSBDACが必要だ。そして、さらにDSD音源も聴きたいならDSDネイティブ再生に対応したUSBDACが必要だ。DSD音源をPCMに変換して再生する製品もある。しかし、DSD方式で聴くというメリットが失われてしまう。それならFALC等の通常のハイレゾ音源で曲を購入する方がいいだろう。
以上の条件の下、PCでiTunesの標準規格であるAAC形式音源とハイレゾ音源として広く普及しているFALC形式音源をfoobar2000で再生して音質を聴き比べてみた。結果は、ワサピ機能をONにしてUSBDAC経由で音源を再生した時が一番音質が良かった。ワサピ機能をOFFにすると音にザラツキを感じたが、ワサピ機能を使うと音が明らかにクリアーになった。
また、USBDACを使わずにPCのイヤホン端子から直接、スピーカーのイヤホン端子につないだ場合は、明らかに音が劣化し、ザラついた音になった。正直、ノートPCで音楽を聴きたいというレベルではないように思う。デスクトップPCなら高性能のサウンドボードを追加(結局、これはUSBDACを使うのと同じことだ。)する方法がある。
foobar2000でワサピ機能をONにしてUSBDAC経由で音楽を聴く場合は、音源がハイレゾでない場合でも音楽を楽しむレベルの向上を私は感じた。これは個人差があるかもしれないので断言はしない。ただ、私の主張を家内も受け入れてくれたことをひとつの肯定材料としたい。今もfoobar2000で音楽を再生しながらこの文章を書いている。
USBDACの性能が一番大切
私は、今回の実験でUSBDACの性能が一番大切ではないかと感じた。なぜなら、ワサピ機能を使わない場合でもAK100MKIIをUSBDACとしてPCに接続したときの音が明らかに良いと感じたからだ。だからいい音のための優先順位は次のようになると思う。
USBDAC>ハイレゾ対応再生ソフト>音源の質
ハイレゾ音源には、偽ハイレゾ音源があることに注意する必要がある。というのは、CD音源を単純にハイレゾ音源(例えばFALCファイル形式)にアップグレード変換しただけの音源が販売されているケースがあるからだ。録音時にハイレゾのスペック以上で作成されたものがハイレゾ音源だ。アップグレード変換した場合、音質の変質はあるかもしれないが、音質が上がることはないように思う。
ちなみにフリーソフトを使えば誰でも音源を簡単にFALC形式に変換することが可能だ。これは、余談だが、必要があれば購入したDRMフリーのハイレゾ音源をAACファイルにダウングレード変換すれば、iTunesで再生することができる。FALCファイルをドラッグ&ドロップ するだけでiTunesの音源として自動で取り込めるフリーソフトもある。タグ情報(曲名やアーティスト名の情報等)も自動的に取り込まれるから便利だ。いずれにせよ信頼できるサイトからDRMフリーの音源を購入するべきだと思う。通常のハイレゾ音源とは、再生方法が異なるDSD音源については、今後の動向を見ながら購入するのが賢い選択のように思う。
ハイレゾ音源に脳が快感を感じる
最近、「ハイレゾ音源をヘッドホンで聴いた場合、(圧縮音源に比べて)脳が快感を感じるという研究結果が国立大学法人長岡技術科学大学と株式会社電通サイエンスジャムから発表」された。この実験結果によればハイレゾ音楽を聴くことはいいことだと言えると思う。しかし、要は、自分にとってハイレゾ音楽を聴くことが楽しいかどうかが一番大切だと思う。
科学的データの裏付けより自分の感性を大切にするべきだろう。多くの人が良いと感じる音は、明らかに存在すると思うが、人の好みは、現実には千差万別だ。世の中は多様だから面白いのだと思う。音楽でも思想でも多くの人は他人から強要されることを嫌うものだ。それが健全な社会だと思う。よくよく考えたら録音された音は所詮、何らかの加工が施された音であり、純粋にナチュラルな音など世の中に存在しないのではないだろうか。フーテンの寅さんが「それを言っちゃあお仕舞いよ!」と言う声が聞こえる。 おしまい
(追記)今回の「PCでどこまでいい音で音楽を楽しむことができるか」というテーマについてのまとめ
結論から言うと、PCでもいい音で音楽を楽しむことができるというが私の結論だ。ただし、それは、USBDACの性能と再生ソフトの良し悪しに大きく左右される。また、一方で、PCよりハイレゾ対応の高性能の音楽プレーヤーを買うのが、最良の方法ではないかとも、私は思った。
何故なら、私の購入したアイリバー社製の「Astell&Kern AK100MKII」のメモリ(内蔵メモリかmicroSDカード)に音源を保存してイヤホン端子でスピーカー(もしくはアンプ)かヘッドホンについないで再生したときが、最も音がいいように感じたからだ。AK100MKIIは小さいが、とても高性能な商品だと思う。小さくて持ち運びも楽だ。家でスピーカーにつなげて聴いてもいいし、外では、ヘッドホンで楽しんでもいい。そして何よりAK100MKIIだけでハイレゾ以外の曲まで楽しむことができる。ただし、アップルストアからダウンロードした曲は、著作権保護管理(DRM)がかかているので再生できない。今春に発売予定のオンキヨーのハイレゾ対応プレイヤー「DAC-HA300」も音質と価格次第だが、期待大だと思う。
今回、PCでいい音で音楽を楽しむことができることが分かったのは大きな収穫だ。私は、パソコンで作業する時は、AK100MKIIではなくて、今回の実験で使ったUSBDAC内蔵スピーカー「JBL Pebbles」とfoobar2000(ワサピ機能ON)の組み合わせで音楽を楽しむつもりだ。それは、AK100MKIIをUSBDACとしてつないだり、はずしたりするのが煩わしいということもある。そして、音楽プレーヤーとして使った方がPCよりもいい音で音楽を楽しめる訳だから、わざわざUSBDACとしてAK100MKIIを使う理由がないように思う。
今もfoobar2000で音楽を再生しながらこの文章を書いている。長い時間聴いていても不思議と邪魔にならない。ハイレゾ以外の音源でもいい音で聴ける。同じ条件でiTunesとMedia Goで音楽を再生してみたが、正直、長時間聴いていたいとは思わない。何か音に奥行きが感じられず、単調に感じる。ソフトの設定や使用環境でも違ってくるのだろうが、失礼なことを言えば2つのソフトはPCで音楽を楽しむレベルではないように私は感じた。
最初、自分でカスタマイズしなければならないfoobar2000は、めんどくさいなと思っていたが、やってみると意外と簡単で安定して動作している。画面を好みの表示にすることができ、初期画面に簡単に戻すこともできるので安心して弄り回すことができる。
また、iTunesは、ハイレゾ音源が再生できないだけでなく、利用できるファイル形式が限られている。Media Goは、foobar2000のようにアドオンソフトを追加したりという作業もなく、多くのファイル形式に対応しており、ハイレゾ音源も簡単に再生できる。ただ、私には、操作性があまり良いとは感じられなかった。しかし、結局のところ、PCで音楽を楽しむという目的に最も適していると感じたのが、現状ではfoobar2000だったということだ。
これは余談だが、foobar2000でMP3やAAC形式の曲をPCで聴いた時の方がipodで聴くより音に深みが感じられるのはどうしてだろうか。PCにつないだスピーカー「JBL Pebbles」の内蔵DACは48khz/16bitだからipodtouchの内蔵DAC(48khz/24bit)より性能が低いはずだ。試しにJBL Pebblesにイヤホン端子で接続したipodtouchで、内蔵DACの本来の性能を使っているはずのHF Playerを起動させて同じ曲を再生してみたが、やはりPCで聴く音の方が心地よいと感じた。これはfoobar2000が優れたソウトウェアだということを意味しているのだろうか。もし、そうだとすれば、foobar2000を搭載した携帯音楽プレーヤーが出てくれば、売れるかもしれない。
(追記2)windows10の音楽プレーヤソフトがハイレゾに対応したが…
Windows 10のオーディオ機能をチェック。DAWの「MMCSS」対応に注意 ~音楽プレーヤーのほうはWASAPIに対応しただろうか? Windows 10には従来のものとまったく同じWindows Media Playerが搭載されているほか、Grooveミュージックというプレーヤーが搭載されている。もしかして! と期待したが、これはWindows 8/8.1にあったModern UIのミュージックアプリがWindows 10に最適化したものであって、システム的には何ら変わっていない。結局、従来と同様、オーディオエンジン(旧カーネルミキサー)を経由して音が出るため、音質は劣化してしまうわけだ。
(追記3)ソニー、ハイレゾウォークマンの高音質モデル「ZX100」を国内投入~連続再生時間はハイレゾ音源(FLAC 192kHz/24bit)で約45時間、MP3で約70時間だ。
(追記4)Astell&Kernの次世代中核機種 ハイレゾ機を買うなら、この線を攻めたい「AK300」を聴く~AK300の発売と前後する形で、第2世代機の「AK100II」「AK120II」の出荷も終了しており、今後は流通在庫のみとなるようだ。AK 70がAK Jrなら、AK300はこれらの機種の領域を引き継ぐことになる。
(注) foobar2000で再生した上記画面の曲は、AK100 MKIIに入っていたハイレゾのサンプル音源。他の曲はオンキヨーの「e-onkyo music」サイトで購入してダウンロードしたものと音楽CDからリッピングした曲。
<基礎知識>
〇【今さら聞けない用語シリーズ】デジタルとアナログの違い、サンプリングとは?
〇音楽CDの音量は65,536段階!?ビットレートとは何か??
〇リニアPCMとは~非圧縮の音声データを指す、非圧縮であるため音声の劣化はない、CDに格納されている音声はリニアPCMである。
<ハイレゾの定義>
〇社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は44.1kHz/24bit以上の音源をハイレゾとし、オーディオ協会は96kHz/24bit以上をハイレゾと定義している。( 「ASCII.jp×デジタル」掲載記事の引用)
〇社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が2014年3月、専門委員会を設けてハイレゾの定義について検討し、結果を公開した。そこでハイレゾとは「CDスペックを超えるデジタルオーディオ」であり、44.1kHz/16bitおよびDVD/DATで採用されている48kHz/16bitを上回る情報量のオーディオデータ、と結論付けられている。ポイントは、サンプリング周波数と量子化ビット数のどちらかがCDスペックを超えていても、もう一方がCDスペックに満たない場合は非該当となることだ。たとえば、96kHz/24bitはハイレゾだが96kHz/12bitは非ハイレゾ、44.1kHz/16bitは非ハイレゾだが44.1kHz/24bitはハイレゾということになる。( 「ASCII.jp×デジタル」掲載記事の引用)
〇ハイレゾに関する私のブログ
PCでいい音で音楽を楽しむことができるかという実験(完結編)
<音源のファイル形式ごとの再生環境(ファイルの特性と再生に必要なソフトウェア)>
〇e-onkyo music 再生環境について
(注)e-onkyo music サイトのリンクが貼れないため上記「e-onnkyo music 再生環境について」をコピーしてgoogleで検索して欲しい!
<PCで音楽を楽しむ~ハード編>
〇USB DAC内蔵バスパワードスピーカー、JBL Pebbles(ペブルス)
〇JBL PEBBLE:USB DACを内蔵したバスパワードスピーカー~スピーカーの実力を最大限に発揮させるためにWASAPIを設定
<PCで音楽を楽しむ~ソフト編>
〇「Windowsオーディオエンジンで音質劣化」を検証 ~ASIO/WASAPI利用時と比較。劣化回避の方法は? ~
〇USB/DACを買う前に揃えておきたい必須アプリ『Audirvana Plus』と『SpectraSuite』
〇タダで音を良くするPCオーディオソフト選び【前編】 音を悪くしているのはiTunes?
〇タダで音を良くするPCオーディオソフト選び【後編】 WASAPI/afplayで劇的変化!
(foobar200関連)
〇WASAPI 排他モード - foobar2000でさらなる音質向上を目指してみよう(必須)
〇気まぐれ適当。時々真面目。 Foobar2000でお手軽ハイレゾ。~「サンプリングを修正する機能」を有効化する(必須)
○foobar2000 に、最新のversion 1.3.9 から dBpoweramp/SSRC code という新しい re-sampler が実装されています。
<ハイレゾを携帯プレーヤーで聴く>
〇ハイレゾ・ポータブルプレーヤーの頂点に立つ! Astell&Kern「AK380」を聴く
〇12万円の新ウォークマン発売 最新ハイレゾポータブルプレーヤー動向
〇iPhoneで高音質再生! iOSデバイスでハイレゾ音源を聴く方法|Mac
〇iPadやiPhoneで24bit/96kHzはそのまま再生可能? ~Dockからデジタル出力で検証。FLACアプリもテスト ~
〇今話題「ポータブルオーディオ」の楽しみ方 2万~4万円のヘッドホンでiPhoneを高音質で楽しむ
<DSDの話題>
〇iPhone/Androidハイレゾ再生アプリ「HF Player」、'15年1月にDSDへの変換再生対応
〇オンキヨーがハイレゾプレイヤー「DAC-HA300」を来春発売――「HF Player」Android版も
〇<ポタフェス>オンキヨー、新DSDポタアン/プレーヤー&“超進化版HF Player”を早速デモ
〇Onkyo HF Player進化、DSDリアルタイム変換できる世界初のアプリに
〇ソニー「SRS-X9」やコルグ「DS-DAC-100」でDSDを再生する方法
〇DSD対応したウォークマンとMedia Goの機能強化まとめ X-アプリもハイレゾ対応、WASAPI排他/ASIOも
〇DSDにも近い? フルデジタルスピーカー「Dnote」とは 開発元のTrigenceに聞く。スマホ/PCオーディオにも展開
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