3つの条件に該当したらハイレゾは無用
この記事は、ハイレゾ音源は、本当にいい音かというテーマで始めた。そして、Windows PCとMacについて前回、前々回とそれぞれ検証してみた。その結論は、ハイレゾ音源は、CDやDVD、そしてそれらの音源を圧縮したMP3やAAC、もしくは無圧縮のFALC、ALAC等の低レゾ音源に比べて耳に優しい、いい音だと思う。
ただし、以下の3つの条件にすべて当てはまる人には、ハイレゾのハードやソフトは無用だ。
①アップルストアからダウンロードした曲(AAC、ALAC等の音源)しか持っていない人(著作権保護管理DRMがかかっているため、iTunesが動くPCか、アップル製品以外は、再生不可)
②CDからのリッピング作業(CDやDVDの音源をパソコン等で再生できる形式に変換する作業)が面倒な人
③ハイレゾ音源を購入する気がない人(曲単位で購入すると値段が高いが、アルバムで購入すると単価が大きく下がる。)
foobar2000は低レゾも破綻のない、飽きない音質を実現
ハイレゾ再生ソフトを使っても低レゾ音源(アップサンプリングしたものを含む)の曲の音質は、一般的によくなる訳ではない。だから、ハイレゾ音源を買う予定のない方には、あまりメリットがない。しかし、フリーソフトのfoobar2000は、低レゾの曲も破綻のない聴き飽きないレベルで再生してくれるように私は感じた。Windows PCを持っている人でアップルストアからダウンロードした以外の音源を持っているならfoobar2000をインストールしてiPhone等と聴き比べてみるといいかもしれない。
ただし、「WASAPI 排他モード」(「ワサピ」)の設定は、必須条件だ。そして、USBDACを使わないなら、できるだけ性能のいい手持ちの外部スピーカーにつながなければ音質の良さを感じることはできない。
モバイルなら専用ハイレゾ再生プレイヤーの一択
ハイレゾ音楽をモバイルで楽しむ場合は、専用ハイレゾ再生プレイヤーしかないように思う。iPhoneやiPodにUSBDACを接続して聴く方法もあるが、ハイレゾ音源は大量の記憶容量を消費することや別途、USBDACを持ち歩くのは現実的でないと思う。自宅でハイレゾを聴く時は、専用ハイレゾ再生プレイヤーを手持ちのアンプやスピーカーにイヤホン端子経由でつなげるだけでハイレゾ音楽を楽しむことができる。その場合、アップルストアからダウンロードした曲は従来通り、iPhoneやiPodもしくはiTunesをインストールしたPCで聴く以外に方法はない。
PCでハイレゾ音源を楽しむ3つの条件(修正版)
PCでハイレゾ音源を楽しむ場合、私が考えるベストチョイスは、前にも挙げた3つの条件を満たす必要があると思う。ただし、PCのスペックを追加した。
①ワサピに対応しているwindous7以降のOSを搭載したPCを使う。(推奨スペック:Corei5以上、メモリ8㎇、SSD128GB、64ビットwindoes8.1)
②再生ソフトはfoobar2000。
③USBDACは必須。
最近、軽いと言われているfoobar2000を低スペックのCPUを積んだノートパソコンにインストールして性能の検証をしたみた。使ったPCは、次の2機種。
①東芝Dynabook(Core Duo、1.20GHz、メモリ1.5㎇、SSD128GB、32ビットwindoes8.1)
②Lenovo G465(AMD AthlonⅡP340 Dual-Core、2.20GHz、メモリ8㎇、SSD128GB、64ビットwindoes8.1)
結果は2機種ともワサピをONしたときに48,000Hz超のハイレゾの音源が「Unrecoverable playback error:Unsupported stream format」とエラー表示され、再生することができなかった。しかし、ワサピ機能をOFFにしたら、2機種とも再生できた。ただし、東芝Dynabookでは、176,400Hzの再生時にノイズが発生した。
検証したハイレゾ音源は、いずれも24bitで9,600Hz、176,400Hz、192,000Hzの3種。使ったUSBDACは、Macのときに使ったPC100USB(48khz/16bit)だ。以上のことから、CPUの性能とメモリ容量で再生できるサンプリング周波数に制約があるように思われる。何故なら、前に実験に使ったWindows PCでは、全くこうしたエラーが発生しなかったからだ。
ただし、前回のWindows PCで使用したUSBDACは、スピーカ内蔵の別製品だったので、今回使ったPC100USBで再度、検証してみたが、エラーは発生しなかった。だから、検証済みの上記スペックを推奨とした。おそらく、SSDは、HDDでも問題ないように思うが、私の持っているPCは、すべてSSDに換装済みなのでHDDでの検証はできなかった。ただ、HDD駆動音やノイズの問題を考えるとSSDの方が望ましいかもしれない。
ハイレゾ対応再生ソフトの性能が最も大切(前回の優先順位の変更)
初回の検証で、USBDACの性能が一番大切と書いたが、その後のMacでの検証とスペックの低いPCでの検証で、ハイレゾ再生ソフトが最も大切なように思った。なので、前々回の優先順位の記述を下記のように改める。
ハイレゾ対応再生ソフト>USBDAC>音源の質
foobar2000は、ハイレゾだけでなく、低レゾの音源も破綻のない品質で再生してくれるように感じた。調べてみたら、このソフトの開発者は、ソフトのグラフィカルなインターフェースより音質にこだわっているようだ。慣れれば、見た目や配置も自由にカスタマイズでき、作成したレイアウトやプレイリストのバックアップも簡単に作成できる優れたフリーソフトのように思う。もし、foobar2000をエンジンにしたハイレゾ再生プレイヤーを売り出してくれたら私は、是非、購入したいと思う。 おしまい
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