小保方さんの処分についての報道に対する疑問
「STAP論文」の関係者の処分を理化学研究所が発表した。しかし、STAP細胞の研究は、理研の事業として行われ、その成果として発表されたはずだ。なのに理研の組織の問題について追及するマスコミはほとんどない。どうしてこうした稚拙な論文がほとんどノーチェックで(外部からはそう見える。)公表されたのだろうか。
組織の中に当然存在するべき事前にチェックするしくみが存在しなかったのは明らかだ。だから、疑惑発覚後調査組織を立ち上げて事後の実証実験をするしかなかったのではないか。なのにその検証費用まで小保方氏に請求するべきだという論調の記事がある。しかも記事の最後を以下のように結んでいる。この記事は編集局記者の執筆になっているが、記事の方向性について指示されて書いたものと推測される。
「(理研の)システムが間違っていたという論も単純に過ぎるだろう。CDBが、センター長が、理研トップが、と誰かに責任を被せてしまうのはたやすいが、それでは真の解決は難しい。国費である研究費の出資者である国民に対する義務として、科学者ひとりひとりが襟を正し、自覚を持つことしか、解決の道はない。」
この記事は何を目的に書かれたのだろうか。とりわけ、最後の結びは、研究者の自覚の問題だと結論づけている。「国費である研究費の出資者である国民に対する義務」を言うのなら税金をもらっている理研の組織運営について解明し、国民に伝えるのがマスコミの役割のはずだ。記事を読んでいると逆の意図を感じてしまう。理研の組織や国が負担している研究予算についての追及を反らすことがこの記事の目的ではないだろうか。
👉山本太郎議員、国会でSTAP問題再検証求め物議…「理研は小保方氏を差し出し組織守った」~スーパー法人法案が施行されると、政府の希望に沿って研究をする科学者は優遇される反面、そうではない科学者が冷遇されるというアンバランスな「科学者の身分制度」ができてしまう恐れがある。
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さらに記事は「国費の浪費という観点からは、博士課程1年目の時点で3年間の学術振興費を与えた日本学術振興会の選定担当者にまで遡って責任追及すべきだろう。今回の信用の連鎖はその時点から始まったと見ることもできるからだ。」と指摘している。しかも、日本学術振興会の選定ではなく、「選定担当者」の個人責任の追及を主張している。
小保方氏の研究は、理研の組織の研究として行われたものであり、個人の利益追求のために行われたものではない。それなのに組織の責任を棚上げにして研究者個人の追及だけを主張する記事の内容に違和感を覚える。もし、STAP細胞の研究が正しいものだとしたらその成果の恩恵を最も受けるのは、理研だろう。理研に対する評価が高まり、研究予算の獲得に世間の理解が得られ易くなっていただろう。しかし、現実は、逆の方向に向かう可能性があり、そこを理研も国も回避したかったことは容易に想像できる。
この記者の論理に従えば、この記事に後日誤りがあったことが判明した場合は「編集記者」個人の責任を追及するのが正しいことになる。これは出版社にとってとても都合がいいことだ。そして、さらにこの記者を採用した採用担当者の責任も追及されるべきだという論理になる。こう書くとこの記事の主張がいかにおかしいかが分かる。記事を載せた出版社はウィキペディアによれば「一般的な経済誌のように財界・経営者寄りに偏ることはなく、社会全体の公益・公共善の立場から記事が書かれることが比較的多い」とされているのに。どうして国会は、理研トップの責任を追及しないのだろうか。
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~NHKスペシャル、そして石川氏による刑事告発によって、小保方氏の名誉は著しく毀損した。一人の研究者であり、ひとりの人間である小保方氏の人生を破壊しかねないこの事案に対して、今後どのような責任を取るのだろうか。そして野次馬のように小保方犯人説に便乗し、個人攻撃を徹底的に続けてきた無数の人物に問いたい。「あなたは、あなたの無神経な批判の刃の先に倒れたひとりの人間の人生を想像することができるのか」と。
→ES細胞窃盗容疑は不起訴 兵庫県警が小保方氏聴取も神戸地検「事件疑わしい」 弁護側は「告発自体おかしい」
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若手研究者が自由に研究できる環境
「若手研究者よ、頑張れ!」という私のブログで「成果至上主義が、研究者の興味に基づいた独創的な研究を阻害しているのです。」という白川英樹博士の危惧を取り上げた。そして「だから成果の出やすいテーマを選択せざるを得ない」のが任期制で採用された研究者の現状ではないだろうか。こうした背景をきちんと調べ、若手研究者が自由に研究できる環境の必要性を国民に提示するようなマスコミはいないのだろうか。
短期的な業績追求が結局、組織を硬直的で官僚的なものとし、そうした土壌から短期間で結果を出すことを優先する行動が不正の背景になっているように思う。長期的な研究と短期的な実証研究をバランスよく予算設定できるようなしくみが必要なのではないだろうか。一見「無用の用」と思われるような課題から新しい知見や成果が生まれて来ることもあると思う。一般の研究者は、高額の報酬より自分の意思に基づく自由な研究の場を望んでいるように思う。
最近、年度末になり、車で走っているとしょっちゅう道路工事による一方通行制限のための渋滞に遭う。近年は公共工事が削減されてこうした光景は減っていたが、安倍政権の公共投資政策の結果なのだろう。ガス管や水道管の更新工事は、インフラの維持のために必要だと思うが、必要性が疑われる道路の舗装工事を多く目にする。こうした無駄な公共事業にカネを使うくらいなら若手研究者の研究環境の充実に使った方がよいのでなないだろうか。
消費税や相続税が上がって税収が増えてもこうした無駄金がばらまかれるならお金がいくらあっても足りないように思う。高齢者の社会保障費の適正な削減については、国民は納得するのではないだろうか。しかし、国家公務員の給与の削減、国会議員の定数削減、議員報酬の削減等の問題は、うやむやにされつつあるように思う。国民の義務ばかりを安倍政権は主張しているように思う。
幸福感のない経済発展など意味がない!
安部首相は「誰でもチャンスのある社会」を目差すと言っているが、要は、アメリカ型の競争社会をイメージしているように思う。だから格差解消ではなく、安倍政権が続けば格差拡大がさらに進むように思える。アメリカは自由を優先することで経済成長を果たしたが、とても国民がしあわせな社会とは言えないと思う。
→こんなに日本を誉めていて大丈夫か? 愛国心は批判と不可分~「誰でも努力すれば報われる社会」などと演説されても、「どこの星の話?」と思われてしまうだけだ。
制度疲労を起こしている日本の社会保障制度は、改革される必要があるが、その形は、日本の風土にあった視点で進めて行くべきだと思う。米国型社会を一般の日本人は、望んでいないと思う。国民が望んでいるのは、自分たちの生活に直結した経済問題や財政再建のための政策だ。幸福感のない経済発展など意味がないように思う。 おしまい
*野依氏は、STAP(スタップ)細胞の論文不正問題を受けた理研の組織改革が近く一段落すれば、国から「特定国立研究開発法人」の指定を受ける環境が整うことから、進退を決断したとみられる。
〇西川農水相の疑惑隠し謀略! 安倍自民党が産経を使い疑惑追及の民主党議員をデマ攻撃
*「いや、違法でないことは確認できましたが、記事にするかどうかは別で、上の判断になります」、「この取材そのものが、上からの指示で始めたものであり、記事を掲載するかどうかも上の判断です」 、そして、夕刊フジは掲載を見送ったものの、産経新聞は21日の朝刊で「西川農水相への寄付『脱法』追及 民主・玉木氏団体に280万円」という記事がでかでかと掲載されたのだ。
〇「景気拡大している」7割超 社長100人アンケート(日経)
*他紙が『内閣府が21日付で公表した「社会意識に関する世論調査」でわかった。景気悪化を感じる人の割合も1年前より大幅に増えた。アベノミクスによる景気回復の実感が広がらず、格差の拡大を感じる人が増えている実情が浮かび上がった。』と報じている中で大企業の社長のアンケート調査を大きく伝える報道姿勢に疑問!大企業が好決算なのは、内需でなく、海外からの利益が円安で膨らんだだけなのではないのか。法人復興税の1年前倒し廃止、15年度からの法人税減税と大企業優遇政策ばかりだ。一方、消費税増税+再増税決定、相続税の強化と国民負担は増すばかりなのにマスコミは新聞に軽減税率を適用することを求めている。
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