〇高齢者だらけのゴーストタウンに......オリンピック後に東京が直面する恐ろしい未来図
著者は大蔵省主計局、大臣官房審議官等を歴任した財政学、人口減少研究における第一人者である。具体的に試算されたデータとマクロ経済学、社会基礎学の法則を駆使し、「東京オリンピック」前後に起こりうる「東京の現実」を暴き出している。…
2010年に対し2040年には東京の高齢者は143.8万人増加し、1119.5万人に達する。人口は6.5%減に対して高齢者は53.7%も増加する。…
出生率は2012年時点で東京は1.09と全国で最低(全国平均は1.4)。生涯未婚率(2010年)は男女ともに最多で男性25.25%(全国平均20.14%)。女性17.37%(全国平均10.61%)。東京は今ですら全国でダントツの少子高齢化の進んだ人口劣化都市なのである。…
本来ならインフラを計画的に整理縮小すべきなのだが、それどころかオリンピック開催とその派生効果によって、インフラは一段と膨張を続けている。…関連施設の総投資額は4500億円にのぼる。そのあおりで適切な維持更新のできないインフラが年々増加し、東京の街がスラムと化す恐れが出てくる。…
さらに東京では今後大量の高齢者が住まいを失う可能性が高い。東京の高齢者の4割は借家住まいだが、年金収支は急速に悪化して、給付水準は大幅に引き下げられる。近い将来、家賃の払えなくなった高齢者が街に溢れだすことになる。…
《今更ではあるが、オリンピックの招致は愚かな選択であったと言わざるを得ない》と著者は書く。…
今世紀半ばには東京の人口減少は本格的になり、下水道、廃棄物処理システム、鉄道などは人口悪化が採算性の悪化をもたらし、適切な維持管理は困難になり生活水準は悪化する。例えば鉄道の沿線人口が減少すれば路線を廃止、短縮せざるを得ない。鉄道のなくなった地域は価値を失い、ゴーストタウン化する。…
オリンピック前後に起こる東京の劣化とは、《最も確かな予測といわれる人口推計と、そうした人口変化がもたらす必然的な事象から論理的に導かれた『確実な危機』なのです》と筆者は念を押す。(LITERAの上記タイトル記事抜粋)
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