昨日、確定申告の書類を作成していた。国税庁の確定申告書作成コーナーに医療費控除の集計ためのツールとしてExcelで作成された「医療費集計フォーム」が提供されている。昨年もダウンロードして使ったのだが、その時はシートの内容について特に何も感じなかった。
しかし、今回は、シートを開いた途端にシートの構成や作りに目が行った。というのも自分でExcelの会計システム作りを行った直後だったので、自然にExcelのシートがどういう風に作られているかということに関心が向かってしまった。パッと見た途端にその作りが分かり、みんな同じようなことを考えているのだなと思った。
考えるのは同じこと
シートは、シートの保護とデータの入力規則、そしてウインド枠の固定が使われている。入力規則の内容がユーザに分かるように項目の下段に注記がある。例えば治療内容、所在地、病院名の項目の下段には「全角20文字以内」と書かれている。そして、入力行の1行目が入力サンプル(記入例に当たるもの)になっている。
入力規則では、日本語入力がコントロールできるが、日本語の入力より数字の入力項目で日本語入力を無効にすることにより半角数字を確定のためにEnterキーを押さずに入力できるメリットの方が大きい。システムの作り手からするとデータの値を半角に統一できるというメリットがある。
データが空白の場合の対策としてIF関数による処理(もしデータが空だったら空白として表示しないさいという処理)が使われている。この処理なくしてExcelの関数を使ってシステムを作ることは不可能だと思う。またデータの項番にはROW関数が使われているがこれも定番のように思う。
Excelのシートを使ってシステムを作る場合、誰がやっても同じようなものが作られることになるのだなと私は感じた。私は、Excelのテクニックについては解説書やネットの情報を利用したが、シートの構成や作りは自分で考えたつもりだったが、上記「医療費集計フォーム」を見てとてもよく似ていると感じた。
ということは、Excelのシートで使うべき関数やシートの構成は限られており、基本だけ押さえれば、どうやって集計するかという方法を考えるときに使える関数を調べればいいのではないかと思った。
後は、Excel独自の効率的な入力方法だけを知ればいいと思う。例えば、一定のレベルの開発者が作成した汎用のシステムを使う場合は、上記のようなシートの保護やデータの入力規則が使われているはずなので、ユーザの入力負担を抑えるように作成されているはずだ。
上記「医療費集計フォーム」について言えば、入力項目の移動は、Tabキーを使うのが便利だ。保護されたシートの入力エリアは、保護されていないセルであり、ExcelではTabキーを使うことで保護されていないセルを左上→右→左下→右という順でシートの下方に向かって移動していく。
シートの保護とは関係ないが、上の行のセルのコピーにはCtrlキー+Dが便利だ。同じ内容のデータが上のセルにある場合、一瞬でコピーできる。(但し、書式までコピーされてしまうので注意が必要。例えば、上のセルと下のセルで罫線の種類が異なる場合、上のセルの罫線の書式がコピーされてしまう。)
保護されたシートでは、通常、行の挿入や削除ができないように設定されている。だから入力が終わった後で医療費の入力漏れがあった場合、途中行にデータを追加することはできない。しかし、コピーと貼り付けを使えばわずかな作業で途中行にデータを追加したり、重複入力行を削除することができる。
ただし、貼り付けは、必ず「値のみ貼り付け」(通常、マウスの右メニューで123というアイコン)を使うことだ。これは、データ以外の書式などを貼り付けないためだ。書式まで貼り付けると値は同じでも罫線等の情報までコピーされ、書式が変わってしまう可能性があるからだ。
挿入したい行の後ろのすべての行を範囲選択でコピーして下方の適当なところに値のみ貼り付け、元のデータは、マウスの右メニューで「数式と値のクリア」で消去する。そして空いた行に入力漏れのデータを入力し、移動したデータをその後ろに上記と同じ要領で値のみ貼り付ければいい。
しかし、「医療費集計フォーム」は手書きのメモの代用なので実際にはそんな作業をする必要はない。医療費も病院ごとに合算入力すればOKだそうだ。私は、そのことを知らずに律儀に日付順に1件1件入力したが、税務署側からすれば、日付順より病院単位で入力されていた方がチェックしやすいそうだ。
であればオンラインで合算入力した方が楽だったかもしれない。強いて利点を挙げれば、電卓を叩いて集計する必要がないことだ。と言いたいが、それなら自分で作ったExcelのシートに日付と金額と病院名(もしくは薬局名)だけランダムに入力して病院ごとに並べ替えて小計を求める方法もあったように思う。
何事もどちらが効率的か事前に確認しておくことが大切なようだ。あなたも思い込みがありませんか。間違いは素直に訂正することが世の中大切だと思う。間違いを認めない確信犯も世の中にはいる。安倍首相はどちらなのでしょうか? おしまい
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