最近、サブマシンとして使用している東芝のdynabook RX1でInternet Explorerのスクリプトエラーが止まらないことがあって困っていた。過去にも同じ現象が他のPCでも発生し、いろいろ試行錯誤した結果、インターネット一時ファイルを削除する方法が一番効果的だったのでスクリプトエラーが発生したら、こまめに一時ファイルを削除することで対処していた。
しかし、今回のRX1のスクリプトエラーは、連続して発生し、画面が開くまでに10回くらいクリックする必要があり、とても笑えないレベルだった。一時ファイルの削除はまったく効果がなかった。最近は他のPCではほとんどスクリプトエラーが発生しないのに、何故RX1で頻発するのか考えてみた。
原因はメモリ容量?
RX1と私が使っている他のPCとの一番大きな違いは、メモリの容量だ。RX1は、最大2GBまで拡張できる機種と1.5GBまで拡張できる機種があり、私の所有しているものは1.5GBまでのものだ。Windows10の32ビットバージョンのメモリのシステム要件は、1GBになっている。実際にタスクマネージャーで使用量を確認したら、容量の70%を超える1GB以上が使用中になっていた。
メモリを大量に消費しているのは、Internet Explorer、ウイルスチェックソフト、クラウド系のDropbox(私は、OneDriveは使用していない)、そして一番メモリを消費しているのは「システムと圧縮メモリ」だ。他のメモリの大口消費アプリに比べてもその消費量は、倍以上だ。メモリの消費量は、こうしたバックグラウンドで動いているソフトの動きに大きく影響されており、タスクマネージャーで動きを見ていると全体のメモリの使用量が90%近くになることがある。
👉Windows 10の「System」プロセスが大量のRAMを消費している理由
おそらく、裏でWindows Updateやウイルスチェックソフトの更新プログラムのダウンロードが行われているときは、かなり厳しい状況になっていることが推測される。それで不要不急のソフトやWindows10に代替アプリが組み込まれているものを削除することにした。Adobe Acrobat Readerなども削除してダイエットしてみた。さらに起動したときに自動的に立ち上がるアプリをタスクマネージャーのスタートアップで減らし、結局ウイルスチェックソフトだけにした。そのウイルスチェックソフトも軽いものに変更した。
これでInternet Explorerを使っていないときは、メモリの使用量が60%くらいまで下がった。Internet Explorerを起動するとやはり使用量は70%を超えてしまうが、スクリプトエラーはたまに出るレベルまでに改善した。もう一つ気になるのは、相変わらず「システムと圧縮メモリ」のメモリ消費量が大きいことだ。
ユーザーの選択を尊重することが生き残る道
正直、Internet Explorerを使わなければ済む話かもしれない。何故なら同じマイクロソフトのEdgeやグーグルのChromeではスクリプトエラーが発生しないからだ。しかし、使い慣れているという点でInternet Explorerに軍配が上がる。表示が他の2つのブラウザに比べて見栄えがいいということもある。逆にいうとこうした点がInternet Explorerのシステムが重くなっている原因なのかもしれない。まさか、Internet ExplorerのユーザーをEdgeに移行させるための戦略だったりすることもないだろう。
無償なのだから、マイクロソフトのアプリを使えという姿勢が少し鼻につくのも事実だ。例えば、Edgeを使うときに検索エンジンをGoogleに切り替える方法がとても分かりにくくなっている。Bingは、はっきり言って検索精度も高くなく、システム自体重くて使いづらいと思う。
👉 Windows 10の既定ブラウザや検索エンジン変更方法
マイクロソフトには囲い込みだけを優先してユーザーの利便性を二の次にしているところがある。これは、携帯電話会社と同じ販売姿勢だ。共存共栄でユーザーを取り込む努力をするべきだろう。勝てない部分をセット販売で競争するのではなく、逆に積極的に取り込むことでユーザーに利便性を訴求するのが生き残る道のように思う。無駄な投資は、止めるべきだ。それは、結局、自社の優位性を低下させることになるだろう。
PDFのソフトの既定のプログラムをAdobe Acrobat Readerに設定していたら、Windows Updateの更新で強制的に紐づけが解除されてしまった。ちょっと酷いと思ったものだ。愛されない企業は、やがて衰退していくことになる。マクドナルドの業績不振も結局、消費者をおざなりにし、短期の業績最優先主義と傲慢さが消費者離れを招いた結果だろう。
👉やきそば ペヤング妹の名は「ペヨング」 再開販売が好調~現在の生産量は販売中止前の1.6倍と絶好調だ。(2016年3月4日 毎日新聞)
ハンバーガーは、とうにコモディティ商品の一つに過ぎなくなっているのに大量販売によるコスト削減をひたすら追求した結果の行くつく先だったのではないだろうか。パソコンも今やコモディティ商品に過ぎない。マイクロソフトの差別化は、ユーザーの方向を向いていないように思う。
WindowsはもともとアップルのOSを実用的なシステムにすることで成功したのだと思う。そして今回のWindows10はそうした成功体験の延長上にあるように私には見える。つまり、アップルのiPadのタブレット機能とPCを融合することを目的にしたのがWindows8以降の戦略なのだろう。しかし、そうした路線しか生き残りの道はないのだろうか。タブレットも様々な企業が次々と新製品を投入し、もはやコモディティ化しているのが現実だ。
私は、iPadも使っているが、実務の面では相変わらずパソコンの方に分があると思う。Macも使っているが、趣味で使うのではなく、実務で使うことを考えるとやはりWindowsの方がブラックボックスでなく、使いやすい。MacはiPodの音楽取り込みように使い始めたが、インターフェースが直感的な方向に偏っているためシステムの全体像が見えず、実務では使いづらい。だからアップルもマイクロソフトのWordやExcelを取り込まざるを得なかったのだろう。
こうした面からマイクロソフトは、自社の生き残りの方向を模索するべきだろう。アップルのいいところを取り入れながら、実務面のアプリの優位性を追求するべきだろうと私は考える。 おしまい
まだコメントはありません。