■巨額の広告費、メディアも陥落
原発に反対する人は国と電力会社を批判する。権力におもねって、正確な報道をしないメディアも批判する。では両者の間をつないでいるのは誰? 広告代理店である。特に上位2社の電通と博報堂は原発の「必要性」と「安全性」を人々に刷り込む上で、不可欠な役割を果たしてきた。
(中略)
ナチス・ドイツにも似た巧妙な宣伝戦略。実際、1970年代から2011年の福島第一原発事故までの40年間、原発推進広告のために使われた額はじつに2兆4千億円超。巨大なグローバル企業の広告費でも年間500億円であることを思えば破格の額だ。しかもそのすべては利用者の電気料金で支払われる。
ブック・アサヒ・コム「書評」~[評者]斎藤美奈子(文芸評論家)より抜粋
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