Windows10に移行して一番悩まされたのはブラウザだ。Internet Explorerが不安定で最近はタブを複数開くと必ずと言っていいほどフリーズし、Flash Playerが原因と思われるスクリプトエラーもときどき発生し、少々うんざりしていた。
だからサイトによってInternet ExplorerとChromeを使い分けていた。お気に入りバーをなるべく重複しないように設定して使っていた。Chromeはシンプル過ぎて物足りない感じがあったが、使い慣れてくれば困ることもなくフリーズしたり、スクリプトエラーが発生することもない。
それでもInternet Explorerを併用して使っていたのは、プロバイダーメールの管理のためにWindows Liveメールを使っていたことも理由のひとつだ。EdgeはWindows Liveメールをサポートしていない。しかし、Windows Liveメールも1月10日でサポートが終了してしまった。
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Windows Liveメールがすぐに使えなくなるわけではないが、セキュリティの面で不安があるので使うのを止めることにした。Office付属のOutlook2016に移行することにした。Windows Liveメールのエクスポート機能を使うことで簡単に移行作業は終わった。
フリーズ、スクリプトエラー、Windows Liveメールのサポート終了というデメリットを考えるとInternet Explorerを使い続ける理由もあまりなくなった。Internet Explorerのメリットは使い慣れていて表示がきれいだったからだ。
しかし、表示がきれいという利点はブラウザとしては重くならざるを負えず、パソコンに負荷がかかることでもある。ということで仕方なくEdgeに移行することにした。Internet Explorerの不具合で使い始めたChromeも併用して使う理由がなくなったので二つのブラウザのお気に入りをEdgeにインポートした。
EdgeもChrome同様Flash Playerが自動で起動しないようになっており、Flash PlayerのON、OFFを設定できるようになっている。ブラウザのデザインがタブレット向けの仕様になっており、設定等が必ずしも使いやすいとは言えないが、他に選択肢がないので仕方がない。
また、EdgeはWindows10からデフォルトのPDFビュアーアプリにもなっており、Acrobat Readerを既定のプログラムに設定しても使っているとエラーが出て自動的にEdgeが既定のプログラムに変更されてしまう。まあ特に不便もないので諦めるしかない。
こういうところは互換性や継続性をまったく考慮しないアップルの姿勢と似てきている。私はMacも持っているが、ユーザーの自由度が配慮されておらず、使いにくいのでほとんど使っていない。継続性を無視してある日突然、仕様が変更になるため安心して使えない。
iPodやiPhoneのような受動的に使う機器なら問題はないが、PCを能動的に使う場合はアップルのやり方は問題があるように思う。見かけのデザインは購買意欲を掻き立てるが、実務では継続性がとても大切だと思う。
世の中、革新流行りだが、私はそろそろ飽き飽きし始めている。経営者がよく「革新し続けねば生き残れない」とか「スピード感を持って」とかいうフレーズを使うのを聞くと最近は陳腐にすら聞こえる。
いずれにせよ、選択肢のないユーザーに残された道は嫌だったら使わなければいいという選択しかないのかもしれない。だから、企業とユーザーの距離感はこれからも拡大していくことになるのだろう。
ユーザーは新しい「革新的な」製品が市場に出てくれば、愛着を覚えない製品をすぐ忘れて「革新的な」製品に飛びつくしかない。遅れた企業が消えて行こうがユーザーには関係ない。こうした関係を創り出しているのも結局、企業自身だ。
一方、世の中にはシンプルで永く使われている製品も存在する。私はシンプルが一番美しいように思う。アップルの製品はデザインはシンプルで美しいが…。家には見捨てられたアップル製の製品がたくさんある。しかし、製品の互換性がなく、サポートも切れているので使い続けることは難しい。革新とは新しい製品を絶えず売りつけることではないのだろうかと私は最近思っている。
あるいは企業は回遊し続けるマグロなのかもしれない。泳ぎ続けなければ(革新し続けなければ)死んでしまうという強迫観念に経営者は支配されているのだろう。目先を追うだけのアメリカ型の経営に労働者は疲弊しており、それが現在の反グローバル化につながっているのかもしれない。
私はInternet Explorerを使い続けるつもりだったが、かくして不本意ながらEdgeに切替えることにした。あくまでも企業サイドの都合だ。だから、私も他にいいブラウザが出てきたら躊躇なく、新しい製品に切り替えるつもりだ。企業にも製品にも愛着を覚えない人々がこれからも増殖していくことだろう。 おしまい
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