iTunes Storeからダウンロードした曲はApple製品でしか聴くことができない
「PCでいい音で音楽を楽しむことができるかという実験」という過去のブログでマイカーでハイレゾを聴く方法に触れた。マイカーがiPodに対応していたのでハイレゾ再生アプリ(「Onkyo HF Player」)をインストールしてPCで取り込んだハイレゾ音源をiTunes経由でiPodに取り込んで聴いていた。しかし、ハイレゾ音源のファイルの容量はiPodの貴重なメモリを大量に消費するという欠点がある。
一方、iTunes Storeからダウンロードした曲(ハイレゾ音源は提供していない)は著作権保護管理(DRM)がかかっているのでApple以外の製品で聴くことができない(CDからリッピングした曲は再生可能)。そのためダウンロードした曲をハイレゾ再生プレーヤーで再生したり、パソコンでfoobar2000を使って再生することはできない。ダウンロードした曲は、PCなら「iTunes」アプリを使って聴く以外方法がない。
ハイレゾに対応した高性能のUSBDACを搭載したカーナビなら音質が向上する
iPodに対応していないカーナビではiTunes Storeからダウンロードした曲を再生することはできないし、iPod対応のカーナビで再生しても音質がよくなることはないと思い込んでいた。
しかしだ。ハイレゾに対応した高性能のUSBDACを搭載したiPod対応カーナビはiPodで再生してもいい音で音楽を楽しめることができることを確認した。
純正ナビからケンウッドのハイレゾ対応ナビに交換
私はつい最近まで知らなかったが、ハイレゾ対応のカーナビが増えていてカーナビもどんどん進化しているようだ。それで最近、純正ナビから音質と画質で評価が高いケンウッドのナビに交換してみた。
👉KENWOODの業界初192kHz/24bit対応カーナビ「MDV-Z702」を詳細レポート
私が購入したカーナビは「彩速ナビ MDV-Z702」という製品だ。発売から2年以上経っているので価格も手頃ということもあり、カーナビを交換してみる気になった。ナビとしての基本性能に対する評価はあまり高くないようだが、私は慣れの問題のように感じた。スマホのようなタッチで画面を操作するため普段、スマホを使わない人には初めは使いづらく感じるかもしれない。
Z702のナビ性能だが、それまで使っていた純正のナビも誤誘導がときどきあったし、走行している環境によっては周囲のビルに電波が遮られてGPSの受信状態が悪くなり、間違った走行ルートが表示されることもあったことを考えれば特に問題のないレベルだと私は思う。
期待が大きければ大きい程失望も大きくなる。もともと民間で利用できるGPSの誤差はそれなりにあり、その誤差をセンサーで修正しているのが現実だ。Z702は記憶装置としてSSDを採用しており、ハードディスクより高速だし、メモリ容量もメモリタイプより大きいものを採用しているだろうから表示された走行ルートを無視して走れば即座に新しい走行ルートに修正されるので私はZ702のナビとしての性能を問題にしていない。
表示される走行ルートが不適切なら無視して目的地方向に進路を取ればいいだけだ。無論、目的地の地図データが間違っているならこの限りではない。
ちなみに言えば、私は現在、過大な期待が抱かれているAIを搭載した自動運転車にはかなり懐疑的だ。自動運転を実現するためにはGPSを含めた常に正しい情報が提供されていることが前提になる。目印の走行車線が消えていたり、地図情報が間違っていれば最悪、事故につながる可能性もあるのではないだろうか。
センサーを利用した衝突回避機能等の人間のミスを補う機能は、結局、人間の運転をサポートする面では評価できるが、機械が間違わない、誤動作しないことが保証される日は永遠に訪れないように思う。そもそも機械を動かしているアルゴリズムやプログラムを完全なものにすることは不可能だと思う。それはPCやスマホのOSやアプリがいつまで経っても頻繁にバグの修正を繰り返していることに目を向ければすぐわかることだ。
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いつものように脱線したが、カーナビの性能に過大な期待を抱かなければZ702は問題ないレベルだと思う。一方、音質と画質は誰もが認めるレベルに達していると思う。口コミを見ても音質と画質についてマイナスの評価はほとんどない。
Z702を取り付ける場合に知っておくべきこと
Z702を取り付けると言っても車についての詳しい知識のない私がカーナビを自分で交換できる訳がないのでディーラーにお願いした。純正のカーナビでないので車種にあった取付キットが本体以外に別途必要になる。
注意点としては、本体から伸びるUSBケーブルはグローブボックス等にむき出しが基本だということだ。USB端子の先にはホコリ避けのキャップが付いているが、美観からするちょっと許せないだろう。美観を重視する場合は、Z702対応した車載用USBケーブルとUSBスイッチホールカバーを購入してダッシュボードの余っているスイッチホールから出す方法がある。
余っているスイッチホールがない場合やスイッチホールの位置が取付に適さない場所の場合はディーラーに依頼して運転に支障のない場所に穴を開けてもらうことでUSBスイッチホールカバーを取り付けることも可能だ。
Z702にはiPod/iPhone用、それ以外のUSB機器用のUSBケーブルが付属しているが、iPod/iPhone用のUSBに一般のUSB機器を接続しても問題はない。両者の違いは消費電流によるものだ。具体的には、『iPodまたはUSB機器の消費電流が500mA以上1A以下のものを接続するときは、「iPod/iPhone」タグの付いたUSBケーブルに接続してください。』と取説には記載されている。
付属のUSBケーブルを使用しない場合は「iPod/iPhone」タグが付いていないので取り付けたUSBスイッチホールカバーがどちらのケーブルか識別できるように工夫しておくといいだろう。USBケーブルは2本とも同一のものだが、カーナビ本体側のケーブルの取付位置で「iPod/iPhone」用かそれ以外用かが決まる。
ちなみにUSBケーブル以外にHDMIケーブルをスイッチホールから出す場合にはHDMI端子用のスイッチホールカバーが別途必要だ。
Z702でハイレゾを聴く
Z702でハイレゾ楽曲を聴く場合は、曲を保存したUSBメモリもしくはUSB機器を消費電流にあったUSB端子に接続するだけだ。USBオーディオには音楽編集機能はないのでUSBメモリ等に保存する際にプレイリストのイメージでフォルダーを作成して曲を分類して保存しておくことをお勧めする。
再生が始まると画面にハイレゾのロゴが表示される。ハイレゾ音源の区別については「サンプリング周波数が48kHzを超えていて、かつ量子化ビット数が16bit以上のファイルもしくはサンプリング周波数が44.1kHz以上、かつ量子化ビット数が16bitを超えているファイル」と取説に記載されている。
👉ケンウッドが“当たり前”に作った、初のハイレゾカーナビ「MDV-Z702」を体験
私はハイレゾ音源をONKYOのサイトからPCにダウンロードしている。ONKYOの音源はDRMフリーでなので再生する機器の制約はない。一方、ハイレゾは音質がいいが、トレードオフとして大量のメモリ容量が必要だ。十数曲のアルバム1枚分の楽曲で1GBを超えてしまうので容量の大きなメモリが必要になるが、USBメモリなら値段等から32GBかせいぜい64GBがいいところだろう。SDカードも使えるが、残念ながらZ702は64GBの容量の製品には対応していない。
それで私はハイレゾ楽曲用としてUSBメモリ以外にSSDを利用している。中古のパソコンから取り外した128GBのmSATAのSSDをケースに入れて使っている。mSATA用のケースは小さく、車の振動に影響されにくいという理由でmSATAのSSDを選択した。
ただし、Z702で再生できるUSB機器はUSB1.1/USB2.0対応のマスストレージクラスでFAT16/FAT32に限られるため、SSDを規格にあったフォーマットに変更する必要がある。
注意しなければならないのはWindows10 は32GB以上のハードディスクをFAT32でフォーマットできないことだ。しかし、「I-O DATA ハードディスクフォーマッタ」を使えばFAT32でSSDをフォーマットすることができる。
👉外付けHD等をでFAT32形式でフォーマットする方法「Windows10 」
また、使用したmSATA用のケースは「USB3.0」となっていたが、USB2.0と下位互換性があるようなので問題なく認識した。
<使用したmSATA用ケース>
・KingSpec MSATA ケース SSD MSATA3 高速 USB3.0 6Gbps HDD外付けケース
車内にiPodやiPhoneのUSBケーブルを放置してはいけない理由
車内にiPodやiPhoneの本体は無論のことUSBケーブルを放置(グローブボックスに収納することを含む)いけない理由を知らない人は意外に多いように思う。そういう私も最近まで知らなかったためにiPod用のUSBケーブルを何度か買い替える経験をしている。
最初は純正でない安物のためだろうと思っていたが、純正でもしばらくするダメになってしまうので理由が分からなかった。しかし、いろいろと調べてみて夏場に高温になる車内にケーブルを放置していたことが原因だと気づいた。
車載用のUSBケーブルと市販のUSBケーブルの基本的な差は、車内の高熱(夏場には80度以上になることもあるそうだ)でも耐えられるか耐えられないかにあるようだ。要は車という環境で使用されることを考慮して製造されたのが車載用ケーブルのようだ。これはUSBケーブルに限らない。
iPod用USBケーブルがケンウッドからオプションで販売されているが、これは車載用として用意されているということだろう。車内からいちいちケーブル持ち出すのが億劫な人は車載用のケーブルを買うべきだろう。しかし車載用はどうしてもケーブルが太くなり、取り回しが悪くなる。
ところで私は、最近、iPodのUSBケーブルを使用していない。Z702には「BT Audio」機能が搭載されていて一度Bluetoothでペアリングすれば、パネルの「BT Audio」をタッチするだけで自動的に再生が始まる。ただ最初にBluetoothで接続したときに表示は再生中になっていたが、なぜか音が出なかった。原因はiPhone側のミュージックアプリの音量を十分に上げていなかったためだった。
これまではiPod touchをUSB端子に接続して音楽を聴いていたが、最近iPod touch の後継として購入したiPhone SE(64GB)をBluetoothで接続して聴き始めたらコードレスの便利さから車に乗るたびにiPod touchをUSBで接続する作業をする気になれなくなってしまった。
私は、携帯電話はガラケーを未だに使い続けている。携帯メールは使っていない。iPod touchは出先で音楽を聴いたり、PCメールやニュースをチェックするために使っていた。しかし、最近はOSの更新がされなくなり、使えるアプリも少なくなり、さらにバッテリーの寿命が近づいているのかwifi接続すると15分位でバッテリーの容量が急速に減ってしまう。かといって処理速度も遅いiPod touchのバッテリーを高額の費用を掛けて交換する気にもなれずにいた。
iPad miniも使っているが、こちらは問題なく動いている。しかし、嵩張るので外出する度に持ち出すのがだんだんと億劫になっていた。
予てよりiPod touchの代替としてiPhoneを使ってみたいと思っていたのでsimフリーのiPhone SEが発売されたことと格安simの普及に後押しされた形だ。それでも携帯電話や携帯メールの機能は相変わらず利用していない。LINEもFacebookもツイッターも一生使わないだろう。
👉SIMフリー版iPhone SEに最適な格安SIMは「IIJ」と「mineo」!この2社を選べ!
傍から見たらスマホを使う意味がないと思うかもしれない。しかし、SMS付きのsimにしたのでショートメールなら使える。私にはそれで十分だ。アプリは電車の乗換案内や地図等のナビアプリ、そしてニュースアプリを使う程度だ。家でiPhoneを使うことはほとんどない。家ではもっぱらPCを使っている。
iTunes Storeで購入した楽曲を聴くために仕方なくハイレゾに対応していないiPod機能を利用しているが、ハイレゾは容量等の問題を考えるとメモリ機器(USBメモリ、SDカード、SSD)の利用をベースにしたものが中心となる。
メモリ機器の利用をベースにしたものが中心となると書いたが、最近は新しいBluetoothコーデックも登場しており、その分野ではソニー製品の対応が進んでいるそうだ。ただし、再生する側と再生元の機器の両方が新しいBluetoothコーデックに対応している必要がある。
👉ハイレゾウォークマン/スマホの高音質Bluetooth/LDAC接続の注意点
👉こんな方法があったのか!音質を犠牲にしないBluetooth活用方法
Z702にiPhoneをBluetooth接続したときの音質は出力音量が低下しているように感じたが、iPodをUSB接続したときと音質はそんなに変わらないように私は感じた。最近は車に乗るときにハイレゾ楽曲を保存したUSBメモリ(32GB)をUSB端子に差し、車を降りるときに抜いている。だから、現在はUSBケーブルを持ち歩いていない。
気分でハイレゾの曲を聴きたくなったらパネルのUSBのアイコンにタッチするだけだ。iPodの曲(実際にはiPhoneに保存された曲)を聴くときは「BT Audio」をタッチするだけで済む。ポケットに入れたiPhoneと自動的に接続されて再生が始まる。プレイリストもそのまま使える。
Z702で唯一気になることがある。それはルート案内を使って目的地に近づいたときに流れる音声案内だ。「目的付近です。」という案内が流れるが、私も家内もその音声が「目的地布巾」と聞こえる。おそらく海外でナビの音声データを作成しているのではないだろうか。発音からして中国辺りだろうか。「付近」と「布巾」という音声の違いは日本人なら誰でも分かる。ちょっといただけない? おしまい
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