昨日、日比谷公園の金曜コンサートに行ってきた。前日、金曜日は穏やかな晴天だという天気予報を見てコンサートに行くことを決めた。前回もいい天気で野外で聴いた東京消防庁音楽隊の演奏の清々しさが脳裏に残っていた。
会場に15分遅れで到着したが、観客席はほぼ満席だった。穏やかな晴天でとても気持ちが良かった。会場では3曲目の楽曲が流れていた。平日の昼休みということもあり、聴衆の大半が高齢の人たちだった。そういう私も傍から見ればその中の一人に過ぎないのかもしれない。
やはり樹木に囲まれた清々しい晴天の野外音楽堂で吹奏楽器の音が空に吸い込まれていくのは気持ちがいい。前回もそうだったが、曲を聴きながらなぜか戦時中の学徒出陣も楽隊の演奏する華やかな行進曲に包まれて若者が出征して行ったのだろうかと空想してしまった。悲惨な戦場と対照的な風景のように思う。楽隊の行進曲は人生最後の美しいうそだったのかもしれない。出征時の高揚と戦場の残酷さのギャップに若者は何を思っていたのだろうか。
私はいつも金曜コンサートの司会の福田純子さんの声を聞くとNHKの元アナウンサー加賀美幸子さんの声としゃべり方に似ているなと感じる。かつてNHKの番組で加賀美さんのナレーションが流れてくると何か不思議な安らぎを感じていたことを思い出す。やはりプロだなと思う。今は容姿がいいか、愛嬌だけのアナウンサーばかりで声や語りに惹かれるような人はいなくなってしまったように思う。
アンコールの演奏を聴きながら会場から離れた。その後、日比谷公園の向かい側に新しくできた東京ミッドタウン日比谷に立ち寄ってみた。ビルに入ると最近の新しいビルによくある吹き抜けの周りに回廊が巡らされたような造りになっていた。
1階から6階までのショップとレストランゾーンを足早に巡ってみた。正直な感想を言うとコンサルタント会社が企画した金太郎あめのようなどこかで見たような演出ばかりだ。最近できたビルは奇をてらったような底が浅いものが多いように思う。お洒落かもしれないが、奥行きが感じられない。だから一度訪れるとまた行きたいというものがない。家内も同じような感想だった。一巡りした後、地下街を通って向かいの日比谷シャンテから地上に出た。
銀座で食事をした後、銀座三越の地下1階の「菓遊庵」で和菓子を買って家路についた。 おしまい