(2020/09/08 更新)
最近はすぐばれるようなうそをつく人たちが多い。その筆頭は安倍総理だろう。こんなお子様のようなレベルの人がいつまで総理の座に座っているのだろうか。早く、席を空けてほしい。今の日本なら空席のままでも問題ないかもしれない。
この間のサービスデザイン推進協議会の会見はお粗末だった。会見のテーブルについていた電通の副社長の話は要領を得ず、頭の中で話す内容がきちんと整理できていないようだった。とりあえず、謝罪をしてこの場を切り抜けたかっただけのように見えた。
「多額の公金を会社のバランスシートに反映させることは経理部門が不適切だと判断した」ということもあり、サービスデザイン推進協議会から電通への再委託という形をとったという説明をしていたが、こじつけとしか思えない。
PRESIDENT Online提供の『持続化給付金で急展開!文春砲に誤報の可能性と「電通が800億円立て替え」の疑惑』(2020/06/08 13:15)という記事 (PRESIDENT Onlineのホームページで検索しても記事は出てこない!)がMSNやYahooのサイトで配信されている。
この記事では「プレジデント編集部は、この件についてサービスデザイン推進協議会の関係者である男性A氏に、匿名を条件に話を聞くことができた。」として次のような内容が掲載されている。
「もし電通は直接請け負うと来年のバランスシートに大きな変化が起きます。現在の電通は売り上げが約1兆円。ここに持続化給付金事業によって入る約2兆円が入ると、今年度の利益率が落ち、電通のバランスシートがおかしくなり、株価も落ちます。これは電通にとってデメリットでしかありません。さらに翌年は持続化給付金事業の2兆円がまるまるなくなるので売り上げが3分の1に見えます。いいことがまったくないです」
また、電通広報部もこう付け加える。
「仮に弊社が持続化給付金事務事業の給付業務を行った場合、2兆円を超える金額の『預り金』処理をすることになりますが、バランスシートが相当崩れてしまうことになり、上場企業である電通グループのバランスシートにも大きな影響を与えることになります。電通グループが、株主にも説明できないような状態となるため、今回弊社としては、この業務を受けておりません」
疑問なのは、2兆円の給付事業を電通が売上として計上することがあるのだろうかとい点だ。売上計上されるのは、給付金ではなく、事務事業の委託金収入だけのはずだ。給付金が預り金というなら話が分かる。
電通広報部や副社長も“預り金”について言及している。多分、取材源の人間と記事を書いた記者は損益計算書とバランスシート(貸借対照表)の区別もつかない、会計に詳しくない人間なのだろう。私は昔、通産省(現経済産業省)の外郭団体の事務局に短期間出向していたことがあるが、その組織は新しいコンピューターの技術開発プロジェクトのために設立された組織で専門外の人には何が書いてあるか分からないようなプレス発表の資料を基に書かれた新聞記事を読んで思わず笑ってしまったことがある。ちんぷんかんぷんの資料を咀嚼できないまま記事にしているのがわかったからだ。新聞記者のレベルの低さをその時感じた。
しかし、記者だけを責められない。なぜなら、資料は新聞記者が内容を理解できるかどうかなどということを一切、考慮しないで研究者が作成した専門用語だらけの代物だったからだ。内容がよく理解できない方が好都合だったように思う。成果がまだ出ていない(その後、成果発表会が行われたが、実際は成果があったことにされただけだ。)研究途上の未知の領域の技術開発だったので資料を作成した本人すら全部を理解していたのか疑問だ。彼はそれぞれの分野の研究者のレポートをつなぎ合わせてまとめていただけかもしれない。プロジェクトが予定通り進んでいないことがわかる資料を提供することを通産省が許すはずがない。
通産省は中身がなくてもプロジェクトがうまく進行しているような資料の作成を事業を委託した組織に求めてくる。彼らにとってプロジェクトが実際にうまくいっているかどうかなんか関係ないのだ。新しいプロジェクトを絶え間なく考え出して予算を獲得し、予算が減らされないように成果報告をすることが仕事なのだ。税金を使っているという意識は彼らにはない。あるのは予算だけだ。予算の査定は実績主義だから予算は使い切るしかない。
だから今回の持続化給付金事業も単なる予算の執行にすぎないのだと思う。予算が付いたらしっかり消化するだけだ。国民から預かった公金を残さず使い切るのが彼らの仕事だ。予算獲得が実績主義であるかぎり、こうした不祥事はなくならない。
ここまで書くと安倍政権のモデルが経産省のやり方そのものだということが分かると思う。国民はもともとモラルが欠けている人たちに何を期待しているのだろうか。
👉彼らがいかに日本経済の足を引っ張ってきたか。安倍首相はなぜ彼らを重用するのか。これが救国の「経産省解体論」だ!
話がとんだが、電通が挙げている巨額の預り金問題の説明にも疑問が残る。事業は4月以降に受託し、預かった給付金の原資は短期間で中小事業者に配られることになるだろうから期末に巨額の預り金が残っている可能性は低い。決算時のバランスシートに預り金が残らないとすれば、株主が問題にすることなどないのではないだろうか。
四半期報告で仮に多額の預り金がバランスシートに残ったとしてもありのままに説明すれば済むことだ。また補助事業は電通にとってうまみのない商売だと言っているが、それなら幽霊団体を創ってまで国の事業を受託する必要はないはずだ。団体は赤字だと言っているが、もともと利益は団体の出資企業に流れるスキームで設立された受け皿組織にすぎないから何を言っているのだろうかと思う。外部から利益が出ないように見えるようにするために受け皿団体を創ったという説明なら筋が通る。あるいは談合組織なのではないだろうか。
★電通、157億円の黒字 6月中間決算、2年ぶり~売上高に当たる収益は前年同期比7.6%減の4590億円。…記者会見した曽我有信取締役執行役員は、国の持続化給付金事業について「必ずしも受注の仕方が問題だったとは考えていない」と話した。 (2020/08/13 共同通信)
利益率が低いとも言っていたが、国の事業で受託事業者(今回の場合、本当の受託事業者である電通等)が赤字になることはない。国が保証する精算事業なので追加費用は補填され、損失が出ることのない、リスクのないおいしい事業だ。どうせ費用は総括原価主義のような積み上げ方式だろうからかかった経費はすべて認められるのだろう。官庁のコスト計算はザルそのものだ。精算方式だから不正の余地がないということにはならない。
もし、総括原価方式と同じ計算方式をとっているなら受託者の適正な利益(法人税等を含んだ10%配当所要額)は20%程度になる可能性がある。
団体に常勤者がいれば、決算公告を忘れるようなことはなかったはずだ。正直、忘れたのではなく、決算を公表したくなかったのかもしれない。抜け殻組織だからお飾りの代表を置いていたのだろう。非常勤や出向の従業員に報酬や給料を払っていたのだろうか。直前まで代表を務めていた人がテレビの取材に無報酬だったと答えているくらいだから出勤簿や給与台帳もないのかもしれない。
(注)代表が無報酬と答えたのは団体からは直接もらっていないという意味だったようだ。少なくとも過去に2回、団体の国からの受託事業案件に関連して報酬を電通からもらっていたことを文春が7月1日に報じている。今回の持続化給付金事業で報酬を得ているのか解明されていないようだが、団体からは報酬をもらっていないという事実を述べただけだと弁明するつもりだろうか。まるでご飯論法のようだ。
つい最近、BSの報道番組に出席した日銀出身の国民民主党の大塚耕平氏が縦割り行政をやめて金融機関経由で持続化給付金を配布すればもっと早くて安くできた可能性があったという指摘は一考に値すると思った。金融機関であれば、申請書の審査や振り込み業務に長けているはずだ。ゼロ金利政策で疲弊している金融機関の活用にもつながるのではないだろうか。
前述のもっともらしい言い訳記事を読んだ人の中には事情がわからずに真に受ける可能性もあり、追求逃れに加担するような内容の記事だ。腑に落ちないのは記事がネットに公表されてから3日しか経っていないのにPRESIDENT Onlineのホームページで検索しても記事がヒットしないことだ。提供を受けたサイトの記事は短期間で消えていくから記事の内容について後で追及されることはないだろう。おそらく、政権への追及を反らすための目くらまし記事なのだろう。ひょっとして広告等でマスメディアに圧力が効く張本人の電通が関与している可能性もあるのではないだろうか。
👉<出禁> <強制的にお願い> 持続化給付金 "電通下請け恫喝"メッセージを全文公開
👉持続化給付金詐欺の深すぎる闇。悪徳税理士・行政書士がセミナーで不正受給指南も
★電通、経産省の新事業参加見合わせ 持続化給付金巡り批判浴び~2次補正では1兆9400億円を計上しており、850億円分の事務委託先について経産省は21日から一般競争入札を始めたが、電通は参加しない方針だ。(毎日新聞 2020/07/22)
PRESIDENT Onlineの記事は、興味深い記事もあるが、ときどき真偽が疑わしい記事がある。橋下徹の記事を広告塔のように掲載しているところも怪しさを感じる点だ。
PRESIDENT Onlineのサイトで検索しているときに指導者を称える北朝鮮の国営放送レベル並みの記事に遭遇した。安倍政権の広報は産経新聞の専売ではなかったようだ。
筆者の名前が麹町文子というのだから文芸春秋の赤坂太郎と同じ発想のペンネームなのだろう。赤坂太郎は実在しないようだが、麹町文子のプロフィールには1987年岩手県生まれの早稲田大学出身の婚活中のジャーナリストとなっている。“誰よりも安倍総理を批判した人”?がなぜ変節ともとれる歯の浮くような礼讃記事を書いたのだろうか。コロナの影響?なのだろうか。
しかし、不思議なことに筆者の熱意がまったく伝わってこない。目新しい情報や視点もなく、記事を書きながらしらけていたのではないだろうか。だから見え透いた美辞麗句や使い古した民主党政権との比較くらいしか思いつかなかったのかもしれない。思ってもいないことを絞り出すのは大変なものだ。出版社から頼まれて書いたやっつけ仕事だったのではないだろうか。
👉甘えるな安倍晋三! 対コロナ戦争中に指揮官が健康不安…もう国民は限界です いつまで「雲隠れ」している!(by 麹町文子)
👉"世界の嫌われ者"文在寅にも完敗…史上最長、最悪、病弱、無能総理・安倍晋三の末路 「外交の安倍」はすべて虚像だった!(by麹町文子)
日本でコロナの死者数が欧米に較べれば少ないことは事実だが、ベトナムは死者が0だというから驚く。日本よりベトナムを称賛するべきなのではないだろうか。
PRESIDENT Onlineの記事とは正反対の以下のような辛口の記事もある。
見え透いたうそと言えば、安倍総理の桜を見る会の領収書問題と小池百合子都知事のカイロ大学の卒業証書問題はよく似ている。両方とも本人が証拠書類を提示するだけで問題が解決するのになぜか二人とも逃げ回っている。見え透いたうそをついている人間をなぜか擁護する国民がいるのも日本の現実だ。本当に憐れむべきなのは日本の国民性なのかもしれない。麻生氏はコロナの死亡者が少ないのは日本の民度が高いせいだと根拠のわからない持論を展開している。自分の思い込みを日本人の見解かのように得意げに海外に発信するような人が副総理だというのは悲惨だ。自分は上級国民のつもりなのだろう。庶民の感覚が分からない金銭感覚がマヒした世間知らずのお坊ちゃん政治家ばかりだ。
日本の底流には未だに事なかれ主義と同調圧が流れている。英語で見え透いたうそを「transparent lie」と言うそうだが、transparentは透明なという意味なので直訳すれば透明なうそになる。透明なうそという言葉に悪い響きは感じられない。それどころか、清々しささえ感じてしまう。透明性とうそは両立しないと思うのだが、政治家が何かというと透明性という言葉を使うが、あれは透明なうそだったのだろう。
ところで産経新聞は黒川元検事長の賭けマージャン問題で同席していた朝日新聞の社員の処分を5月29日に報じており、「産経新聞の社会部記者2人が特定の取材対象者と賭けマージャンを行っていた問題について、産経新聞社は当該記者2人を編集局付として記者活動を停止させるとともに、事実関係の調査を進めています。調査結果が固まり次第、厳正に対処する方針です。」と締めくくっている。もしこれで処分が終わりなら、黒川氏以上に軽い処分となる。黒川氏は多額の退職金をもらうことになっているが、実名報道されて社会的制裁を受けている。朝日新聞は本人と上司の二人を懲戒処分にしている。
朝日新聞の処分から既に10日以上経っている。ほとぼりが冷めるのを待つための見え透いたうそだったのだろうか。産経新聞の記者宅でマージャンが行われていたことが文春砲で詳細に報じられているのだから事実関係の調査にそんなに時間がかかるわけがない。二人の記者が見え透いたうそをつかない限り…
おしまい
(追記)PRESIDENT Onlineの記事をもう一度、検索してみた! 2020/6/12&6/15
googleでPRESIDENT Onlineの記事を再度、検索してみた。14件以上のニュースサイトが出てきたが、記事の本文がまだ残っていたのはニコニコニュースだけだった。
PRESIDENT Onlineのサイトも引っかかってきたが、記事はすでに削除されていた。
短期間に情報を拡散させてとんずらしたのだろうか。ネットのニュースは大手メディアが配信したものでも怪しい記事が多い。
ニコニコニュースの配信元であるニコニコ動画に国会がまだ閉会していないのに『安倍晋三首相は14日、ニコニコ動画の特別番組「安倍総理が新型コロナ対応についてみんなの質問に答える生放送」に出演し、コロナ対策などについてユーザーからの質問に答えた。』と報じられている。
今回のPRESIDENT Onlineの記事と連動しているのかもしれない。あるいは、本当の情報ソースはニコニコニュースだったりするのかもしれない。相変わらず、根拠は何も示されていない。