(2020/8/7 更新)
昨日、フジと産経が合同で行っている世論調査に架空の回答データが大量に含まれていることが報じられていた。安倍政権になってからGDPの算出方法を改定して名目値をかさ上げしたり、雇用統計の不正が発覚したりと政権のモラルの低さが露呈しているが、フジと産経も同じ穴のムジナなのだろう。
以前からフジ・産経の世論調査には不審を抱いていたが、架空データが含まれていたとなれば、彼らが発信する他のニュースもフェイクニュースが多く含まれている可能性を疑われても仕方がない。それでなくとも産経新聞は日頃から安倍政権の御用メディアのような報道が多い。
世論調査は「全体を代表するように人を選び、少数の結果から全体の結果を推測する」という統計理論を使って実施され、「全体の代表を選び出すために最も良いとされている方法が、ランダムサンプリング=無作為抽出」で誤差の精度が95%になるようにサンプル数を決めて調査が実施されていると言われている。
NHK、毎日、朝日、読売の世論調査では必ず、調査数(サンプル数)、回答数、回答率を示して調査結果を公表している。しかし、「産経の世論調査が信用できないと考える理由は、調査がRDD方式により『算出した回答数が得られるまで調査を行った。調査対象は全国の成年男女1,000人』としか説明されておらず、対象世帯数も回答率も書かれていない。」ことを以前、ブログで指摘した。算出した回答数が委託先の達成ノルマになっていたのかもしれない。まるで「帰れま10」のように「終われま1000」だったのだろうか。
今回、データ自体に架空の大量の入力データが含まれていたというから統計として意味がない。誤差の精度の目標を95%にするという意識など2社には最初からなかったのだろう。調査後に精度を点検するための管理体制もなかったのだろう。
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こんなずさんな管理の下で世論調査を行っているメディアの情報を信用できるだろうか。読売と産経は日頃から国民の知る権利を消費税の軽減税率適用の根拠としていた。橋下徹や維新は税金泥棒として今後、産経新聞からの取材を拒否するのだろうか。
産経は黒川氏と賭けマージャンをしていただけでなく、自宅を場所として提供していた記者の処分もまだ公表していない。もし、今回の不祥事が朝日だったら、おそらく橋下徹や維新といっしょになって嫌いな朝日を攻撃していただろう。得意のブーメラン記事が紙面を賑わせていたに違いない。
今回の件で元フジテレビのアナウンサーだった長谷川豊氏が世論調査について「アンケート調査なんてものは何とでも出来るという典型」と発言していたことを思い出した。ひょっとして長谷川氏はこうしたフジサンケイグループの体質を知っていたのではないだろうか。そして、維新は昨年の参院選でその長谷川氏を党の公認候補にしようとしていたことを忘れてはいけない。自民党が黒川氏を検事総長候補にしようとしていた姿が浮かぶ。候補者の不祥事でとん挫したところも似ている。維新も安倍政権も偏った思考で日本を変えたいという人ばかりが集まって来る。
元メディアの一員だった人間が世論調査をアンケート調査と言い切るモラルの低さは安倍政権の取り巻きの人たちに共通した特徴のように思える。彼らは偽善をたたく、本音論者だ。脱法行為や解釈変更であったこともなかったことにしたり、金と人事権さえ握れば何でもできるとでも思っているのだろうか。身内の不祥事に甘いのも共通している。
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おしまい