(2020/09/02 更新)
メインのノートPCと改造したPCに搭載されている2つのCPUを詳しく分析してみた。下の図が2つのCPUの基礎データだ。メインの薄型ノートPCには第7世代のCPUが搭載されている。一方、CPUを換装した改造PCには第4世代のCPUが搭載されている。
世代の古い第4世代のCPUの方がコア数が多いが、ベースクロックとターボブースト時の最大クロック数は第7世代のCPUを下回っている。従来のCPUはクロック数が高いものの方が性能が高かった。しかし、CPUの性能の指標の1つとして使われている「Pass Mark」というベンチマークのスコアは第4世代のCPUが第7世代のCPUより37%近く高い。
このことから現在のCPUはコア数が多いほど性能が高いと判断される。実際に体感でもコア数の多い改造PCの方がレスポンスが速く感じられる。
ちなみにメインのPCも改造PCもSSDと16GBのメモリを搭載している。SSDは共にSATA接続だ。だから、体感速度の違いはCPUによるものだと思う。ちなみに改造PCの調達コストは、メインPCの四分の1以下だ。
最近、メインのPCが起動時にCPUの温度が急上昇し、ファンが大きな音を立てることが気になっていた。PCを分解して、ファンに付いていた埃を掃除し、CPUのグリスを塗り替えたが、症状は改善されなかった。
共に64ビットのWindows10を搭載し、ソフトもアンチウィルスソフトが異なるくらいで使用しているアプリに大きな差はない。改造マシンの方は起動時に急激に温度が上昇してファンの音がうるさいということもない。
原因は、起動時のWindowsのシステムのダウンロードであることは間違いないようだ。メインのマシンはCPU使用率が100%になり、CPU温度が80度を超える。一方、起動時の改造PCはCPU温度が70度前後、CPU使用率も80%程度でファンが急激に回りだすこともない。
ただ、メインのPCは数分で温度が下がり始め、最低温度は40度を切る。アイドル時の温度は低温で安定し、クロック数(現在値)は0.5GHz~3.5GHzの間で常に変動している。
改造PCの最低温度は40度を切ることはなく、アイドル時の温度も40度台だ。クロック数(現在値)は0.8GHz~3.2GHzの間で常に変動している。
2つのCPUともターボブースト時のクロック数が上限値を超えることなくコントロールされているが、温度管理については改造PCの方が優れているようだ。
CPUの使用率から見るとコア数の多い第4世代のPCの方が性能に余裕があるようだ。第7世代のCPUはちょっと負荷がかかるとすぐCPU使用率が高くなり、CPU温度が上昇する。
起動時だけでなく、YouTubeとNetflixをバックグラウンドで動かして回線速度計測を行ったときのデータも取ってみた。
第7世代のCPUは、やはり最高温度が83度まで上昇したが、不思議なことにファンがうるさく感じることはなかった。CPU温度の現在値は50度台で第4世代のCPUとあまり変わらなかった。
しかし、第4世代のCPU使用率は50%でCPUの最高温度も69度だった。第7世代のCPU使用率は88%だから、やはり第4世代の方が第7世代より性能に余裕があるようだ。
クロック数はベースクロック、ターボブースト時の最高クロック数とも第7世代の方が高いのにコア数が多い第4世代のCPUの方がいい結果が出ている。コア数と性能がリンクしている。PCを新しく買うとき、もしくは買い換えるときはコア数を目安にしてPCを選択してみてはどうだろうか。
ただ、3密状態の薄型のノートPCの場合、CPUに負荷がかかるとCPUが高温になりやすいことが予想される。CPUの温度自体より、高温にさらされ続けるマザーボード上のコンデンサー等の部品の劣化による故障が危惧される。
👉パソコンはなぜ熱に弱い?パソコンの冷却をしっかりしなければいけない理由
マザーボードの不具合のメーカー修理の基本は交換なので保証が残っていないPCの修理代は高額になることが予想される。
PCを持ち歩くことがない人は、薄型ではなく、放熱効果が高い筐体のPCを選ぶのが無難だと思う。その方が値段も安く、故障のリスクも少ないのではないだろうか。
仕事で使うのでなければ、出先ではスマホで十分に用が足りるように思う。
今回の下記のCPUのデータの計測には「HWMonitor」を使用した。このアプリは、PCを利用している間にバックグラウンドで動かせば、「Value(現在値)」、「Min(最低値)」、「Max(最高値)」のデータを収集できる。
CPUだけでなく、メモリ、HDD(SSD)、ネットワーク等の現在のPCの健康状態を確認したいときは「Speccy」が便利だ。
二つのアプリは、信頼性の高い「窓の杜」のサイト経由でダウンロード可能だ。自分の使っているPCの健康状態をメーカー製のアプリを使わずに簡単に診断できる。
つづく