2021/08/03 更新
4月29日に放送されたテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」に出演していた“政治ジャーナリスト”の田崎史郎がオリンピックと衆議院の解散の関連を疑うような人間はゲスだと発言したが、大半の国民は文字通り“下衆”扱いされたことになる。オリンピックと選挙が関係ないと考える国民はほとんどいないのではないだろうか。国民の命より選挙で生き残ることが大切な議員がいる。三歩歩くとすぐ忘れる国民性からすればワクチン接種とオリンピック開催で支持率の一発逆転が狙えると与党が考えるのはむしろ自然だろう。選挙に勝ちさえすれば不祥事や政策ミスのみそぎを済ませたことになるという“慣習”が続いている。
(注)7月31日でこのブログを毎日更新から随時更新とします。このブログのまとめは最終行に掲載した追記9「ゲスはどっちだったか!~最終章」をお読みください。
🔗五輪開催の判断基準と”解散”の関係言及の玉川徹さんに「げすの勘繰り」田崎史郎さんの発言に批判の声
🔗尾身会長の提言を「自主研究」苦言スルーの田村厚労相に異論噴出
★菅政権、勝負の3カ月=秋解散へハードル多く~首相周辺は「7月中旬までに感染者が急増する。無観客にしないと国民の批判を浴びる」と語り、ある閣僚は「五輪が失敗したら自民党は政権から転落する」と衆院選への影響を懸念した。(2021/06/17 時事通信)
★オリパラの開催「反対」58% 「賛成」30% 東京都議選調査~現状のまま五輪を開催することについて、政権与党として大会準備を進める自民党を支持する層の56%、公明党を支持する層の45%が賛成だった。一方、開催中止を求める共産党を支持する層の85%、立憲民主党を支持する層の81%が反対で、支持政党によって賛否が分かれた。無観客開催を主張する都民ファーストの会を支持する層の51%が反対だった。開催都市のトップである小池百合子知事の都政運営を支持するかについては、47%が支持すると答え、支持しないとした33%を上回った。…今回の調査では、菅義偉内閣の支持率は25%で、不支持率は59%だった。菅内閣を支持する層のうち、五輪開催賛成は66%、反対は26%だった。(2021/06/27 毎日新聞)
★根強い小池都知事の人気、五輪批判層の支持で都民ファに勢い…読売世論調査~今回の調査では、東京五輪について観客数を制限して開催することを「評価しない」としたのは57%で、「評価する」は35%。評価しない理由は「新型コロナの感染拡大が不安」が95%で最も多く、「感染対策について国や都の説明が不十分」(84%)と続いた。評価しないとした人のうち、都議選の投票先で最多となったのは都民ファの16%で、自民党(15%)を上回った。…公務を離れている都民ファ特別顧問の小池知事の支持率は59%で、前回調査(5月28~30日)の57%から、ほぼ横ばいだった。前回は知事支持層の投票先で最も多かったのは自民の29%で、都民ファは19%にとどまっていたが、今回は都民ファ26%、自民26%と並んだ。ただ、都の新型コロナ対策については「評価する」(48%)と「評価しない」(45%)が拮抗(きっこう)した。(2021/06/28 読売新聞)
★気鋭の政治学者が説くこの国の病巣 コロナ下の五輪で見えたもの~直接的な理由は、五輪が菅義偉政権維持のための装置となっているからです。政権が描くストーリーは次のようなものです。五輪が始まれば「がんばれ!ニッポン!」と盛り上がる。自国開催の地の利を生かして金メダルラッシュとなれば、やって良かったとなる。その余勢を駆って解散・総選挙に臨む――。この姿勢こそ安倍晋三政権以降、「モリカケ(森友学園・加計学園)」や「桜を見る会」に代表される「政治の私物化」の行き着いた先にほかなりません。「フェアネス(公正さ)」に欠けるのは、安倍政権の「継承」を掲げた菅政権も同じです。…最近の菅首相の五輪を巡る矛盾した言動が象徴的です。国会では「開催の決定権は国際オリンピック委員会(IOC)にある」「私自身は主催者ではない」などと述べてきましたが、英国での主要7カ国首脳会議(G7サミット)では各国首脳から開催の「支持」を取り付けました。首相の「決定権」を巡る発言は手続き的にはそうなのかもしれませんが、疑問が残ります。パンデミック(世界的大流行)の下で五輪を開催する、しないというのは国家主権に関わる話。開催国の政府が中止すべきだと判断すれば、民間団体に過ぎないIOCが開催できるはずがありません。首相の発言はむしろ開催ありきのレトリック(巧みな言い回し)と言えるでしょう。(2021/06/29 毎日新聞)
🔗どこが復興五輪?「被災者は今も放置」残酷な現実 コロナだけでなく原子力緊急事態宣言も発令中~福島県では、福島市の「あづま球場」が野球とソフトボールの会場になる。福島市に住む40代の男性は市内での通勤中、この10年間ほど毎日、フレコンバッグを見てきた。除染で取り除いた放射性廃棄物や汚染土を入れる、あの黒いバッグだ。「今もあれを毎日見ているのに何が復興なのでしょうか。フレコンバッグの山は住宅地に近いところにあります。福島市でも五輪の競技が行われると決まると、徐々に鉄製の塀で覆われるようになり、見えなくなっています」
🔗五輪フィーバーに全てを賭ける菅首相とその代償…審判のときは間もなくやってくる
新型コロナの感染が急拡大し、大阪だけでなく全国に医療崩壊の危機が拡大し、病院や療養施設に入れずに自宅待機を余儀なくされているたくさんの人々がおり、自宅で亡くなる人が出ている。だから緊急事態宣言が適用される自治体が増えているのではないのか。
それまで否定していた日本選手団への新型コロナウイルスワクチンの“優先接種”が報じられている。国民がこれだけ反対していてもオリンピックを何が何でも開催するという政府の強い“意志”が示されたことになる。三歩歩けばどうせ忘れる鶏同然の国民の反対など大したことはないとたかをくくっているようだ。民意を反映したかったら、平気で国民の神経を逆なでするような議員は落選させる以外に方法はない。自分にとって不本意な選択だとしても自民党と維新に投票しないことだ。
IOCコーツ副会長の緊急事態宣言下でも東京五輪を開催という発言はほとんど内政干渉だ。米軍の基地だけでなく、オリンピックも治外法権のようだ。日本に主権は存在しないのか。日本は自分たちの国ことを自分たちで決めることすらできない。無論、憲法なんかのせいじゃない。政府も大企業もポチなのだろうか。傲慢なのに主体性のない属国根性のトップが蔓延する日本。スピード重視で技術やノウハウを海外に依存する日本の未来は視界不良だ。
🔗完全否定から一転 日本選手団のワクチン優先接種をJOC強行
★「緊急事態宣言下でも東京五輪を開催」IOCコーツ副会長が表明~コーツ氏は開催可能と考える根拠として、緊急事態宣言下の今月、東京都内で海外選手を招いて飛び込みや陸上競技などの大会が開催された事実を挙げた。「宣言下でもテスト大会が最悪の事態を想定した上で成功している。答えはイエスだ」と強調した。…橋本氏は海外から来日する大会関係者の数を延期前の18万人から約7万8000人まで削減したことを明らかにした。五輪が5万9000人、パラリンピックが1万9000人。内訳は、五輪がIOCや国際競技団体(IF)などの関係者2万3000人▽五輪映像を制作して各国の放送局に配信する五輪放送サービス(OBS)関係者1万7000人▽メディア6000人――などの計5万9000人。パラリンピックは国際パラリンピック委員会(IPC)関係者やIFなど9000人▽OBS関係者4000人▽メディア2000人――などの計1万9000人。(2021/5/21 毎日新聞)
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★内閣支持率31%、菅政権では最低 毎日新聞世論調査~毎日新聞と社会調査研究センターは22日、全国世論調査を実施した。菅内閣の支持率は31%で、4月18日の前回調査の40%から9ポイント下落し、昨年9月の政権発足以降で最低となった。不支持率は59%で、前回の51%から8ポイント上昇した。…東京五輪の開催と新型コロナ対策は両立できると思うかとの問いでは、「両立できると思う」は21%だった。「両立できないので新型コロナ対策を優先すべきだ」は71%にのぼり、「両立できないので東京五輪を優先すべきだ」は2%、「わからない」は6%だった。国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ副会長は21日、緊急事態宣言下でも東京五輪を開催すると明言したが、国内世論とは大きな開きがあるようだ。(2021/05/22 毎日新聞)
🔗田崎史郎氏 菅内閣の支持率低下も「これをやりたいんだっていうものを持ってる政権は強い」
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★東京五輪開催すべき、批判の一部は「政治的なポーズ」=IOC委員~国際オリンピック委員会(IOC)のディック・パウンド委員は26日、ロイターに対し、東京五輪・パラリンピック開催への批判について、一部は「政治的なポーズ」との見方を示し、予定通り開催すべきだと強調した。…パウンド委員は電話取材に対し、「批判の一部は政治的なポーズであることが明らかになるだろう」と述べ、「総選挙が今年10月か11月ということは、選挙での事後的な立場表明に向けバックスイングしているのかもしれない」との見解を示した。(2021/05/27 ロイター)
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🔗コロナで死亡も自己責任! 五輪参加同意書が世界で大波紋「これは生死同意書」
★インドで医師1200人死亡 コロナ感染、ワクチン急務~今月16日だけで医師50人が死亡しており、早期のワクチン接種などモディ政権に対応を求める声が強まっている。(2021/05/30 共同通信)
🔗【東京五輪】有観客へ脆弱プラン 医療関係者キッパリ「1週間前の陰性証明書なんて意味がない」
★コロナでも五輪開催、APが分析 背景に巨大利権や政府判断~巨大利権が絡む国際オリンピック委員会(IOC)優位の契約や、強行して政権維持に役立てたいともくろむ日本政府の判断が背景にあり、それらがコロナ禍で逼迫する医療関係者らからの批判をのみ込んでいると評した。五輪経済に詳しい米スミス大のアンドルー・ジンバリスト教授は五輪が中止となれば、IOCは放送権収入でおよそ35億ドルから40億ドル(約3850億~4400億円)を失う可能性があると算出した。(2021/06/02 共同通信社 )
★WHO、危機管理なければ再考を 大規模行事の開催で~新型コロナウイルス感染症の世界的大流行が続く中で、大規模なスポーツ大会などについて「危機管理が保証できない場合には、開催を再考すべきだ」と提言した。(2021/06/08 共同通信社)
★【東京五輪】菅首相の〝逃げ発言〟に続き組織委・武藤氏「開催可否を議論する場ではない」
🔗東京五輪「観客どんどん入れよう!」 強気の菅首相に経済界も総スカン(1)
🔗東京五輪「観客どんどん入れよう!」 強気の菅首相に経済界も総スカン(2)
★【独自】入国者の位置情報、1日4000人「応答なし」…インド型(デルタ型など)といった変異ウイルスの感染が拡大する中、政府は、入国者に対して14日間は自宅やホテルなどで待機するよう要請。その上で、民間業者に委託し、予告をせずにスマホの位置確認アプリで連絡をとり、きちんと待機しているかどうかを毎日確認している。6月14日までの1週間の実態を調べたところ、1日平均で2万3063人(13歳以上)の待機者に対し、4054人から応答がなかった。また、健康状態を尋ねるメールに返信がない人も、4000人余りに上った。(2021/06/18 読売新聞)
🔗「呪われた東京五輪」が海外でも話題 豪の公共放送がスタジアム建設問題や買収疑惑、巨額経費など特集
🔗東国原英夫さん「だったら、飲食店・旅行・夏祭り全て解禁だな」五輪観客数1万人の決定に憤り「ふざけてる」
★隔離免除の特例入国 感染者さらに4人判明、計6人に 東京五輪~内閣官房によると、入国後に感染が確認された選手や関係者は、2月にフランス1人、4月にエジプト1人、5月にスリランカ1人、6月にガーナ1人、ウガンダ2人。多くは来日直後の空港検疫で確認されたが、スリランカ1人は入国5日目、ウガンダ2人のうち1人も入国5日目に判明した。政府は現在、全ての国・地域からの外国人の新規入国を原則拒否しており、人道上の理由など「特段の事情」で入国を許可する場合は指定施設などでの14日間隔離を求めているが、五輪・パラリンピックの選手や関係者に対しては隔離を免除する特例がある。1月1日~6月13日に入国した選手や関係者は2925人で、うち7割超の2213人が隔離免除を希望し、入国直後から事前合宿や予選大会、開催準備に参加した。五輪・パラリンピック終了までに入国者は7万人前後に達する見通しだ。加藤勝信官房長官は24日の記者会見で、入国する選手や関係者からの感染拡大防止について「ホストタウンや組織委員会が受け入れ責任者だ」としたうえで「飛行機を使って国内で移動する場合にどう対応するかを含め、(対応が)検討されている」と述べた。(2021/06/24 毎日新聞 2021/06/24)
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★米国で東京五輪の視聴者数が低迷、NBCは広告主と補償交渉-関係者~こうした補償交渉は、テレビ業界では珍しいことではない。だが、東京五輪を巡るNBCの野心的なもくろみは外れ、同社や広告主の期待を下回る視聴者しか集められていない現状を浮き彫りにしている。大会日程の折り返し地点に近い27日までで、NBCの全系列局を合わせた夜の時間帯の視聴者数は前回の2016年リオデジャネイロ五輪と比べ42%少なかった。(2021/07/31 ブルームバーグ)
アスリートファーストという言葉は同調圧の切札になっている。しかし、柔道の元金メダリスト石井慧のツイッターへの投稿記事を読んでオリンピック選手への過度な配慮は不要だと私は現在思っている。為政者が発するアスリートファーストはオリンピックに対する反対を封殺するために作り出されたフレーズに過ぎず、アスリートエゴを増長することになる。
水泳の池江璃花子選手に対してオリンピック参加辞退を求める愚かなネットの声も彼女の活躍を利用したい人々の政治利用に起因している。自分の任期内にオリンピックの開催日を延期した安倍前総理が「いよいよ夢の舞台。感動と勇気をありがとう。五輪でのご活躍を祈念しています」とツイッターに投稿した目的は自明だ。その投稿を産経新聞が何の解説もせずにニュースとして流している。産経新聞は同調圧の手先なのだろう。
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一方で身の危険を顧みず、コロナ患者の治療にあたっている医療従事者、とりわけ看護士は名誉も金も関係なく使命感だけで他人のために頑張っている。それどころか、睡眠時間と食事やトイレの時間まで削って患者の治療にあたっているというのに収入は減り、挙句に感染リスク源として誹謗中傷まで受けている。私は、アスリートと看護士のどちらを擁護するかと問われたら迷わずに看護士を擁護したい。
この時期にオリンピック選手から自分の名誉と金のために戦っているのだと言われたらとても応援できない。元メダリストの石井慧はきれいごとを言うなと言うが、その裏には人間の本質はエゴだという刷り込みがあるのだろう。綺麗事は薄っぺらで本音を言うのがカッコいいと思っているのだろう。
本音主義者の人々に対していつも感じるのは、彼らがいつまで経っても幼稚なままだということだ。トランプ、安倍、橋下、ホリエモンに共通する特徴だ。彼らにはいつも勝ち負けしかないから対話は通用しない。本音と信念は違う。信念とは自己の体験を通して形成された理知的思念だと思う。深く考えない人に信念などない。ツイッターで反射的に発信するような人間の言葉を信じてはいけない。
世の中、「命を削り名誉と金のために命をかけてる」人間はスポーツ選手に限らず、たくさんいる。しかし、そういう人は周囲から本当に尊敬されているだろうか。金と権力に人が集まっているだけなのではないだろうか。
自己中の前アメリカ大統領トランプを支持する人々は、彼が自分の気持ちを代弁してくれていると感じているのだろう。だから、石井の言葉に共感するアスリートや国民もいることだろう。しかし、石井の発言に共感できないアスリートもたくさんいると思う。今、一番、大切なのはコロナを速やかに収束させて国民の日常を回復することだろう。
オリンピックはコロナ終息後に開催することは可能だ。しかし、コロナで失われた命は帰らない。オリンピックの開催のために自分の身内がコロナで助からなかった人は、アスリートに対して負の感情を抱くかもしれない。
★「五輪開催が怒りに変わった」 大阪の看護師、第5波に残る不安~柔道やバドミントンの経験がある女性は、これまではテレビにかじりついて五輪を楽しんできたが、今回ばかりは興味を持てないという。「これだけ多くの人が亡くなっている中で五輪を開催することがずっと疑問で、今は怒りに変わってきている。医療現場のことを思うと、五輪を見てリフレッシュできる精神状態じゃない。今からでも中止すべきだ」と話す。(2021/07/31 毎日新聞)
東京オリンピックが最後のチャンスのアスリートもいるだろうが、人生はこれからも続く。オリンピックメダリストがその後の人生で犯罪に手を染めることもある。金メダルを獲れば未来が約束されているわけでもない。人生塞翁が馬だ。
人間はおそらく他者のために役立っていると感じられるときが一番しあわせなのではないだろうか。無心に自分に頼ってくる犬や猫にしあわせを感じるのも同じ理由だろう。アスリートのほとんどの人は自分で満足のいく戦いを通して勝利することで観客を喜ばせたいと思っているのではないだろうか。
観客も勝利した選手を祝福することで選手を喜ばせたいと思っているはずだ。オリンピックは選手と観客が相互に他人のためになっていると感じて初めて成立する祭典であってほしい。
★五輪開催「意義ない」と山口香氏 JOC理事、可否判断に憂慮~開催に否定的な世論が強い東京五輪について「国民の多くが疑義を感じているのに、国際オリンピック委員会も日本政府も大会組織委も声を聞く気がない。平和構築の基本は対話であり、それを拒否する五輪に意義はない」と厳しい意見を展開した。(2021/05/19 共同通信社)
★都内の繁華街を歩いて考えた…人心を読めない政治家たちが招いた無観客五輪、アスリートたちが政治主導にノーを突きつける時が来ている~7日には、8月に茨城県で開催する予定だった音楽イベント、ロック・イン・ジャパン・フェスティバルの中止も決まった。感染対策を徹底して準備を続けてきた主催者はもちろん、このフェスをきっかけに大きく飛躍しようとしていたアーティストたちにとってもショックは計り知れない。それなのに、なぜ五輪だけは強引に開催しようとするのか。…飲食店などを困窮させ、子どもたちの運動会や修学旅行も中止となり、アーティストをはじめ多くの人の夢と希望を奪い、それでも開催しようとする五輪は誰のための「安心安全」なのか。矛盾に矛盾を塗り重ねた結果がこのような事態を招いたにもかかわらず、なお表面的な言葉だけで乗り切ろうとしている限り、負のスパイラル=悪循環から抜け出せる時は来ないだろう。そもそもの始まりは昨年3月、選手代表であるはずの日本オリンピック委員会(JOC)山下泰裕会長を国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長と協議する場から外し、当時の安倍晋三首相や小池都知事らだけで東京五輪の1年延期を決めたことだった。アスリート・ファーストが消え去り政治ファーストとなったことは、政治の排除を理念とする五輪で大きな矛盾を生み出した。(2021/07/09 中日スポーツ)
私は横綱の白鵬に共感できない。決して日本人でないということではない。ハワイ出身の高見山は大好きだった。白鵬には手段に関係なく勝てばいい、これだけの成績を残したのだから賞賛されるべきだという価値観の強要を感じる。世の中、結果がすべてだと主張する人は多い。
安倍前総理も白鵬と同じだ。総裁選や選挙で勝つためには手段を選ばず、誹謗中傷や国会でのうそやヤジさえ厭わない。結果がすべてだと言いながら敵前逃亡したかと思ったら復権を狙っているというから常軌を逸している。桜を見る会問題でたった1枚の領収書も子供じみた言い訳で示さず、うその上にうその上塗りをしている。本心は別として橋下徹が安倍元総理に対して政界から引退すべきだと発言したが、とうとう反論することなく、次の選挙でみそぎを済ますつもりだ。
そして、またしても産経新聞が安倍前総理の「朝日・毎日は悪質な妨害愉快犯」というツイートを何の検証もなく、第一報で報じている。その後の報道で朝日系列のニュースサイト「AERAdot.」と毎日新聞への取材内容を報じている。どういうわけか、同じように報じた日経新聞には言及していない。
🔗安倍前首相「朝日・毎日は悪質な妨害愉快犯」大規模接種の架空予約~「朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える。防衛省の抗議に両社がどう答えるか注目」と自身のツイッターに投稿した。
🔗政府が「架空予約」メディアに厳重抗議 大規模ワクチン接種システム改修へ
この問題については、ジャーナリストの江川紹子さんの以下の記事が経緯と報道の内容を判断するための材料を提供してくれている。
★「ワクチン予約システムに欠陥」-この報道は犯罪?不適切?-メディアへの抗議や批判を検証する~スケジュール優先で不備のまま予約開始:5月18日付時事通信の記事によれば、防衛省はシステム上の不備を事前に把握していたものの、24日に接種をスタートさせるスケジュールを優先し、改修を見送っていた。…朝日・毎日系メディアのみに批判・抗議:この不備については、ネットメディアでは日経BP社の日経クロステック、朝日新聞出版が運営するAERA.dotが、新聞では毎日新聞、日経新聞の2紙が電子版と紙面で、17日から18日にかけて相次いで報じた。すると、防衛省が18日、朝日新聞出版と毎日新聞の2社に抗議文を送付。岸防衛相は、記者会見で両社について「悪質な行為であり、極めて遺憾だ」と述べ、同氏のTwitterでも両社を名指しして、同様の批判を行った。ワクチンの調整を担当する河野太郎行政改革相も、「65歳以上でない方が面白半分に予約を取って、65歳以上の方の予約を邪魔し、それを誇っているかのような報道があった」とし、報道が「面白半分」の妨害行為であるかのような発言をした。さらに岸防衛相の実兄である安倍晋三前首相も、Twitterに「朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える。防衛省の抗議に両社がどう答えるか注目」と投稿した。…朝日新聞出版社は、「政府の施策を検証することは報道機関の使命であり、記事は極めて公益性の高いものと考えております」とするコメントを発表。それによると、システムの脆弱性や重大な不正行為が行われる恐れなどについて、事前に同省やシステムの委託先の会社に見解を求めたが、「明確な回答は得られなかった」としている。(2021/05/20 Yahoo!ニュース)
また、ワクチン大規模接種センターでもあの人の名前が挙がっている。不祥事の委託先問題が報じられるたびにいつも名前が挙がるのは偶然とは思えない。
それにしてもワクチン予約システムはあまりに酷すぎる。急ごしらえという点を考慮してもExcelや市販のソフトで不特定多数の人が入力する簡易なシステムを情報技術にさほど精通していない人間が作った場合でも対象範囲が限定されている市区町村コードのチェックくらいは簡単に設定できる。それなのにでたらめの市区町村コードを入力してもエラーにならずに通ってしまうシステムなど本来あり得ないはずだ。
システムを外部に丸投げしたとしても防衛省には監督責任がある。システムを稼働させる前に普通、検収のためにテストランを行っているはずなのでシステムの稼働前から防衛省はこの深刻なシステムの状況を把握していたはずだ。だから、システムの不備の責任転嫁をされる前にリスク回避するために情報をリークする人間が現れたとしても当然だ。ご乱心の裸の王様菅総理にまともに事実を告げられる人間が周囲にいなくなっているという情報は本当なのだろう。つべこべ言わずに人事権を持っている俺の言う通りにしろということだろう。それに従う、忖度にまみれた政権幹部と官僚は北朝鮮と変わらない。国難は北朝鮮ではなく、日本政府自身だ。
自分たちのメンツと支持率だけを最優先する自民党政権に日本の舵取りを任せるのはもうやめるべきだ。この人たちに国難への対処を任せたら日本は沈没してしまうだろう。
大阪の吉村知事が頓珍漢なことを言っている。この人はデジタル音痴なのかもしれない。菅総理を擁護するしか今の維新には生き残る道がないのだろう。なぜか言い回しが橋下徹とそっくりに感じる。予約システムを担当するマーソの社外取締役の熊谷信太郎氏は吉村知事の元上司だそうだ。
ちょっとした不備や不具合ですらなく、ましてシステムとも呼べないような空疎な内容にどこから「やり過ぎ完ぺき」よりもましだという発言が出てくるのだろうか。「どうしても走りながらやると不具合は多少、出てくる。」と言っているが、走り出す前からわかっていたお粗末な内容でシステムエンジニアでなくともシステム設計に少しでも携わったことがある人間なら絶対にやらない、恥ずかしい行為だ。
やはり、イソジンがコロナ対策に有効かもしれないと考えた人だけある。弁護士出身の政治家は橋下を始めとして数多いるが、勝つためなら詭弁も厭わない人たちばかりだ。企業なら今回のようなミスを犯したシステムエンジニアには二度と次の仕事は回って来ないことだろう。そもそもテストランで不備が確認されたシステムをそのまま動かすという判断自体、異常な事態だ。銀行なら金融庁から営業停止を申し渡されてもおかしくない。まして、拙速か、完璧かという次元の問題ではない。拙速でもあり得ない不備だ。受託者側のミスなら即刻、事業者を変え、違約金を払わせるべきだと思う。今回の不備を黙認した防衛庁の責任者を更迭して担当者も配置換えにするべきだろう。多額の税金を注ぎ込んで結果について不作為を決め込んだ人たちに同情の余地はない。
記事を更新しながら予約システムを運営しているマーソが既に鳥取市でワクチン予約システムを稼働していることがわかった。「予約サイトと接種券番号と生年月日の情報は紐づけられており、予約サイトで認証を行って」おり、不具合は生じていないという。だとすると今回の東京と大阪のワクチン大規模接種センターのシステムは既存のシステムを利用して作成したはずだ。利用したシステムの基本部分は既にテストランとデバッグでバグが取り除かれているはずだから今回のような不備はあり得ない。そうすると故意に接種券番号と生年月日の情報の紐づけを外してわざわざ予約サイトでの認証を行わないシステムに変更したことになる。
そう考えると予約が集中してシステムがダウンするのを避けるために採った措置だと考えるのが自然だ。セキュリティの脆弱性の問題よりシステムがダウンして政権支持率に影響が出ることを恐れたのだろう。岸防衛相は「虚偽予約防止に必要な接種券番号を含む個人情報について『防衛省が把握することは適切でない』」と説明したと報じられているが、いかにも官僚が用意した言い訳だ。これほど人権に配慮している政権の改憲草案が人権制限の濃いものになっているのはなぜなのだろうか。裏を返せば、憲法改正が実現したら公共の利益より公の利益を優先した人権制限を遠慮なく行うつもりなのだろう。人権制限だけ先行してそのために不利益を受ける国民を経済的に救済してくれる保証はない。公正公平より党利党略を優先する菅政権の創るデジタル庁を信用することができるだろうか。
もし、これを不具合や軽微なミスだと防衛省が説明するなら、防衛省を解体して自衛隊を管理する新しい体制が構築されるまで憲法改正論議は凍結されるべきだ。総理大臣の誤った判断でどこに飛んで行くかわからないミサイルの発射ボタンが押されては困る。国難、国難と煽っていた張本人が国難だったとしたら笑えない。
それにも関わらず産経新聞は安倍前総理の意向を受けたかのように天敵の朝日と毎日に対して加藤官房長官の発言を使って攻撃を続けている。不正手段を攻撃の材料にしているが、そもそもでたらめの存在しない市区町村コードを入力しているので悪意を持って不正に予約したとは言えないのではないだろうか。
🔗加藤官房長官「不正手段の予約をベースに取材」朝日出版の架空予約
不正に予約をするのが目的ならば当然、存在する市区町村コードを使っただろう。通るはずがない市区町村コードをわざわざ入力するバカはいない。私はExcelで作成した入力システムの検証に乱数を使って生成した大量のダミーの個人データを貼り付け入力したことがある。大量の検証データを準備して手動で入力するのが大変だったためだ。
だから、テストランで架空のデータを入力することは通常のシステム検証でもあり得ることだ。こうしたシステム検証で想定外のバグや見落としていたバグが見つかるケースもある。まともなシステムならあり得ないデータをはじき出すしくみが用意されているのが普通だ。問題の本質はでたらめの市町村コードや接種券番号でも予約ができてしまうことにある。
記者も半信半疑だったと思う。常識的にいくら何でもでたらめの市区町村コードを国のシステムが受け付けるはずがないと考えたはずだ。市区町村コードや接種券番号の入力間違いに気づいた市民が善意で窓口に通報した場合とどのような違いがあるのだろうか。朝日側は記事にする前に期限を切って見解を求めているのに明確な回答をしなかった防衛省と政府に非があるのは明らかだ。おそらく、合理的な説明がすぐにできなかったのだろう。報道後の防衛相の説明は苦し紛れのこじつけとしか思えない。そもそも法律問題として弁護士に見解を求めるようなレベルの問題ですらないはずだ。
そればかりか「新型コロナウイルスの蔓延は大きな課題を政府や国会に突き付けた。」として産経新聞は憲法に緊急事態条項が必要だと訴えている。「外出自粛、病床の確保、ワクチン確保と接種など、収束に向けて必要な措置は、ほとんどが政府の『お願いベース』に基づいている。強制的な措置は私権制限につながるという理由からだ」として早急な憲法改正の着手を主張している。しかし、私権制限に伴う国民への補償を避けたかったというのが実態だったと思う。
★二つの要請撤回が示す政権の「雑さ」 感染拡大を国民と酒のせいにしてきた運営を問う~「法的根拠のない『脅し』」との批判が噴出しているが、正直「いまさら」感がぬぐえない。菅政権といい安倍政権といい、コロナ対策に絡んで「法的根拠のない私権制限」をどれだけやってきたことか。両政権にとって、実はこれが「通常運転」だとしか思えない。…法的根拠を伴わない私権制限」で最初に想起されるのは、安倍政権下の昨年2月に突然発せられた、全国の小中高校の一斉休校と、大規模イベント自粛の要請だった。政府の対策本部でさえ「現時点では必要ない」と判断していた方針が、首相の「鶴の一声」でいきなり覆された。…当時の一連の自粛要請の時点では、現在のコロナ対策の根拠法となっている改正新型インフルエンザ等対策特別措置法は、まだ存在していなかった(野党は現行の特措法で対応可能と主張していたが、政府は「法改正が必要」として認めなかった)。…改正新型インフルエンザ等対策特措法はこの約半月後の3月に成立。政府はコロナの感染拡大防止に向けて緊急事態宣言を発令できるようになった。しかし、安倍政権はその後も緊急事態宣言の発令をためらった。安倍政権が初の緊急事態宣言を発令したのは、改正法成立から3週間後の4月7日。…だが、彼らがやったのは、休業要請の対象となる業種を絞り込もうとすることだった。宣言を「小さく」使おうとしたのだ。法律に縛られない私権制限は悩みなく行うのに、法律に基づいた私権制限は渋る。補償を含む政府の責任が生じるのを嫌がったとしか思えない。実際、安倍首相は同7日、国会で「民間事業者や個人の個別の損失を直接補償することは現実的ではない」と答弁している。「政府の責任で補償を行いたくない」という本音を、堂々と口にしたのだ。…安倍政権も菅政権も、感染拡大を防げなくなると「法律が要請ベースで強い措置が出せない」などと言い、自らの対応のまずさを「法律のせい」に転嫁してきた。特措法の再改正もこうした認識に基づくものだったろう。…菅政権がそこまで「酒類提供を何としてもやめさせたい」と言うのなら、再改正した特措法を使って飲食店に営業時間の短縮や休業を「命令」し、応じなければ政治の責任で、法律に基づき粛々と「過料」を課せばいいはずだ。そのための法改正ではなかったのか。…安倍政権も菅政権も、「法律の不備で対策が取れない」と嘆いておきながら、実際に特措法を改正しても積極的に使おうとはしない。なぜか。一つはたびたび指摘してきたように、政府として補償などの法的責任を負わされること、特に財政負担を避けたいのだろう。これまでの過程から、明白に政権の意思が見て取れる。そしてもう一つ。筆者はこちらこそ深刻だと思うのだが、安倍政権も菅政権も「法律を使わずにカジュアルに私権制限できる社会」を作りたいのではないか。…政治権力は行使したいが、政治の責任は取りたくない。それが両政権の本音だろう。…総選挙が近づいている。菅政権としては、政府自らが特措法を使って営業自粛を命令したり罰金を課したりして、有権者に恨まれたくはない。だから、金融機関や取引業者という「民間同士の利害関係」を使い、裏から飲食店に圧力をかけようとした。政治として責任を取らずにすむよう、他者を使って間接的に政治権力を行使しようとした。…ところで、冒頭に「酒類提供停止に関して、二つの方針が撤回された」と書いたが、実はあと一つ、いまだ撤回されていない方針がある。要請を守らない飲食店についてメディアで広告を扱う際に「要請の遵守(じゅんしゅ)状況に留意してもらうよう依頼を検討している」(西村担当相)というものだ。メディアへの圧力につながりかねない方針だが、西村担当相は14日の衆院内閣委員会でも、この方針については撤回を明言していない。こんな常識外れの対応を公言することに、菅政権はもはや何のためらいも感じなくなっている。(2021/07/17 全国新聞ネット)
コロナという国難で政権や官僚には対応力も国民に方向性示す能力もないことが既に証明されているのに何を言っているのだろうか。「今のままでは、自民を含め現在の国会議員は将来、『あのとき憲法改正をしなかった無責任な人たち』として歴史に汚名を残すリスクを負う。そのような屈辱に耐えられるだろうか。」という薄っぺらな結びは安倍前総理の口調そのものだ。本当に無責任なのは政権とその片棒を担ぐ御用メディアだろう。彼らの主張は幼稚園児並みだ。
🔗高橋洋一氏 緊急事態宣言は「屁みたいなもの」とツイート~内閣官房参与の高橋洋一嘉悦大教授は21日付の自身のツイッターで、新型コロナウイルス対策に関し「日本の緊急事態宣言といっても、欧米から見れば、戒厳令でもなく『屁みたいな』ものでないのかな」と投稿した。高橋氏は投稿で屁(へ)みたいなという表現について「日本の行動制限の弱さとの意味」と説明した。高橋氏は9日も日本の感染状況について「この程度の『さざ波』」と投稿。菅義偉首相は高橋氏が謝罪したと明かし「非常に残念だ」と述べていた。(2021/05/22 毎日新聞)
★コロナ禍は改憲の好機=加藤官房長官~加藤勝信官房長官は11日の記者会見で、自民党が憲法改正案に盛り込んだ緊急事態条項の創設について、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ「未曽有の事態を全国民が経験し、緊急事態の備えに関心が高まっている。議論を提起し、進めるには絶好の契機だ」と発言した。国難と言える状況を「絶好」と形容した真意を問われると、加藤氏は「この状況が良い状況だとは全く思っていない。申し上げたいのは、緊急事態というものに大変高い関心を持っているということだ」と釈明した。(2021/06/11 時事通信)
★酒提供停止 内閣官房が金融庁、財務、経産と事前調整 政府ぐるみで推進に批判も~8日付の文書は「コロナ感染症対策の徹底促進について」との事務連絡。「所管金融機関等へご依頼いただきたい事項」として、金融機関が融資先の事業者に対し、新型コロナ特別措置法に基づく要請や命令の順守などを働き掛けるよう「よろしくお取り計らいをお願いします」としている。(2021/07/12 東京新聞)
★金融機関働きかけ」「酒取引停止要請」、西村氏の相次ぐ「撤回」に党内からも反発~政府が撤回したのは、酒類提供停止の要請に応じない飲食店との取引停止を酒の販売業者に求めた8日の要請だ。内閣官房と国税庁が連名で出したが、業界は「お客様との信頼関係を毀損(きそん)する引き金となり得る」(全国小売酒販組合中央会)と強く反発。西村氏は13日の記者会見で、「強制ではなく、可能な範囲でご協力をお願いする趣旨だった」と釈明していた。(2021/07/13 読売新聞)
★国税庁職員7人が感染「まん延」期間中に都内で飲み会~感染は10~12日に判明。飲み会は6~9日に計5回開かれ、送別会などだった。1回当たりの人数は3、4人、最長2時間半で、営業時間短縮要請に応じない店だった。(2021/07/13 毎日新聞)
🔗飲食店狙い撃ちに「反旗」 「酒に罪ない」政府を批判~時短営業や酒類提供禁止に応じなければ罰則対象になる上、政府は順守しない店との取引停止を酒類販売事業者に要請(後に撤回)。店の感染対策を客が予約サイトで評価する仕組みも発表した。狙い撃ちとも言える状況に、要請に協力してきた飲食店も行政批判の張り紙をする「反旗」を掲げ始めた。(2021/07/15 共同通信)
「極論すると、悪意を持った人物が、乱数的に任意の番号を次々と入力し、全ての枠を占拠することすら出来てしまう、危機管理も何もあったものじゃない。杜撰な仕組みです。予約枠だけ占拠して、当日誰も行かなければ、大量のワクチンがムダになりかねない、まさにワクチンテロが出来てしまいます。」という状況を外部から指摘されるまで放置した責任は深刻だ。現在の政府には他国からのサイバーテロを論じる資格はない。「こんな政府にあなたは危機管理を任せられますか。」とメディアは国民にアンケート調査を実施したらどうだろうか。
最低でもワクチン接種前に予約された接種券番号を事前に自治体がチェックするしくみに早急に改めるべきだ。会場に到着してから接種券番号の間違いが判明した場合、どうするつもりなのだろうか。悪意のない予約者の接種を拒否するのだろうか。老化で発火点が低くなっている高齢者との間で大トラブルに発展するだろう。おそらく会場に来た高齢者にワクチンを接種した後に事後確認することになるのだろう。そうでなければ渋滞の列ができて大混乱に陥ることになり、用意したワクチンが無駄になる可能性もある。事後確認の場合は接種券番号を訂正入力する手間が生じ、現場に無駄な負荷をかけることになる。事前に入力誤りが分かっていれば、予め対応を整理しておくことができるはずだ。
しかし、現場で対応するのは防衛庁ではなく、民間の受託事業者だ。「高齢者から直接、問い合わせが防衛省にあっても『代理でやってくれる人がいない場合、一切対応しない、地元の自治体で受けてくれ』と回答しているという。」から予約トラブルを事業者や自治体に転嫁するための防衛庁の保身対策の可能性もある。そうだとすれば、ワクチン大規模接種センターの窓口を最初から厚労省か総務省にして自衛隊から医師と看護師を派遣する方式にすればよかったはずだ。トラブルと責任を回避したい省庁間の責任のなすり合いの産物なのかもしれない。そもそも「虚偽予約防止に必要な接種券番号を含む個人情報について防衛省が把握することは適切でない」なら防衛省の関与を最初から自衛隊から医師と看護師を派遣だけにすればよかったはずだ。
今のままだと接種券番号の入力間違いは容易に起こる。私もネットでの入力で不注意から入力ミスを犯すことがあるが、指定された数字を間違って入力しても通常、入力が完了することはない。デジタル機器に疎い高齢者が入力ミスを犯す確率は高く、入力チェックのしくみがなければ既に誤った入力が一定数ある可能性が高い。一発で予約完了したと喜んで会場に着いたら入力した接種券番号が間違っていると告げられた高齢者はどういう反応をするのだろうか。安倍前総理でも怒るのではないだろうか。政権支持率が拙速によって反って下がる可能性もある。
おそらく、今後様々なトラブルの発生が予想される。接種券を忘れる人、曜日や時間を間違えて来場する人、交通渋滞で遅れる人、もしくは会場に来ない人等々。まともなシステムより拙速を優先してこのコロナの難局を乗り切れるのだろうか。
とここまで書いて思い至った。そうか、おそらく発表した期日から逆算して稼働できるシステムを作ったのだろう。テストランでとりあえず動けばOKということだ。菅総理のメンツを最優先させたということだろう。システムエンジニアの矜持など関係ないのだろう。だから、入力データをチェックするという基本的な部分がないとんでもないシステムが稼働することになったのだろう。
通常、システムを設計するときはフローチャートを作成してシステムの仕様を決め、プログラムを書いていく。このフローチャートの段階で期日に間に合わせるために工程の省略が検討されたのだろう。だから拙速による不備や不具合ではなく、防衛省了解済みの故意の手抜きだったのだ。彼らは確信犯だ。しかし、矜持を持って仕事しているシステムエンジニアには耐えがたい侮辱だ。森友学園問題の文書改ざんと同じような構図だ。官僚には使命感も矜持も期待できない国になってしまったようだ。
高齢者向け接種の7月末完了の目標達成が一部自治体で困難な見通しとなっていることを問われた菅首相が「報告を受けた時、私も実はショックだった」とにっこり笑って答えているのをNHKのニュースで見たときに強烈な違和感を覚えた。きっと、運と努力で総理になれた自分だから今度もいずれ運命の神様が微笑んでくれるはずだと思っているのだろう。安倍前総理を始めとした愛国者を名乗る人たちは”国難”に鈍感な国民をお花畑と揶揄するが、実際には彼らの頭の中こそお花畑なのではないだろうか。
5月に27日に突然、産経新聞が「<独自>大規模接種センター 首都圏3県の予約前倒し あす受け付け」という情報をネットに配信した。”独自”という見出しがついているのでスクープ記事なのだろう。官邸から真っ先に情報をもらったのだろう。朝日と毎日への攻撃に参加したご褒美なのだろうか。政権のポチにはご馳走が配分されるようだ。
しかし、東京の緊急事態宣言の延長が正式に決定される予定の28日から前倒しで近県からの人の移動が増える措置を行う必要があるのだろうか。たとえば千葉県は独自の大規模接種会場設置の方針を打ち出しているので自治体への支援を強化するのが先のように思う。東京の23区対象の大規模接種センターの予約はすぐにいっぱいになると思っていたので以外な気がする。メディアは市民に取材して理由を分析してほしい。
🔗コロナワクチン遅れ報告に、菅首相驚き見せて「私もショック」
🔗菅首相 調査結果に“ショック”…「間抜けなコメント」と非難
★政府の接種「完了」に定義なし…高齢者向け7割終了見込みでも「完了」の自治体も~さいたま市は「医療系学会のアンケートで接種希望者が69・7%だった」(市幹部)として、接種を希望する高齢者を7割程度と見込み、そうした人たちへの接種が7月末までに「完了」と回答してきた。市内の高齢者は約32万人に上り、全員が2回接種するには64万回の接種が必要となるが、7月末までに接種見込みとしている回数も45万2000回にとどまっている。…担当者は「自治体によって『完了』の考え方が違うのはおかしい。国などが一定の基準を示してほしい」と指摘した。(2021/06/05 読売新聞)
🔗接種遅れの原因「国の準備不足」77%「自治体」25% 本社世論調査 「医師会などの協力不足」24%
★ファイザー、ワクチンのブースター接種許可申請へ 米で8月に~2回目の接種から半年経過すると再感染リスクが高まる証拠が出てきたことや、感染力の強いインド由来の変異株(デルタ株)の広がりが理由だ。…イスラエルで最近、主に1月ないし2月にワクチン接種を終えた人が再び感染しているため、ワクチンの効果が弱まったとの報告があったと説明した。イスラエル保健省は、6月のファイザー製ワクチンの感染および発症予防効果はともに64%に低下したと発表した。…イスラエルと英国のデータに基づくと、抗体レベルが下がってもなお、重症化を防ぐワクチンの効果は引き続き95%前後あると強調。さらにファイザーの独自調査で、3回の接種を受ければ抗体レベルが2回接種時の5─10倍に跳ね上がり、期待される効果を発揮することがうかがえると付け加えた。…特に高齢者にとって追加接種は重要な意味を持つとの見方を示した。(2021/07/09 ロイター)
昨年の12月にインターネット番組で「こんにちは、ガースーです」とあいさつしたのにも驚いたが、コロナで医療体制が崩壊の危機に直面しているのに他人事のようににっこり笑って答える異常さと危機管理能力の欠如に怒りを覚えた。
それでも政権を擁護する人たちがいる。彼らの動機も金と名誉なのだろうか。ひょっとして機密費がメディアの情報コントロールのために使われていることはないのだろうか。政権を擁護する人たちの発言を拾ってみた。私たちがゲスなのか、彼らがゲスなのかを一度、真剣に考えてみてほしい。
とりわけ最初の記事はタイトルの冒頭のフレーズが「東京五輪を開催すべき論理的な理由」となっているが、内容はちっとも論理的でなく、希薄だ。とても大学の教授が書いた記事とは思えない。「『世論』で五輪不開催を決めることだけは避けなくてはならない。五輪は世界最大のイベントであり、その開催は『国家事業』である。」とし、「あくまで科学的、論理的に決定されるべきである。」と結んでいるが、その言葉をそのまま政権側の人間にお返ししたい。
🔗テリー伊藤 五輪中止「やったーと思うか?」やっとけば良かったの虚しさ出ると
🔗首相「ワクチン早くやって五輪を目指す」森田前千葉知事に意欲
🔗橋下徹氏、三木谷氏の「五輪開催は自殺行為」発言に「リスクだけ言うなら楽天の野球やサッカーどうなの?」
🔗堀江貴文氏、五輪開催反対の楽天三木谷会長に私見「悪くいえばビビり」
🔗堀江貴文氏、ワクチン戸惑う五輪選手に「文句ばっかやな」「五輪開催できないと思う」
🔗堀江貴文氏が千葉でコロナ7人感染の報道に「マスコミがクソ」
🔗堀江氏 竹中平蔵氏の五輪「やる」「世論間違ってる」発言に「まあその通りやね」
🔗堀江貴文氏がHPVワクチンをめぐる朝日新聞の姿勢を断罪「反省文を掲載しなさい」
🔗三浦瑠麗氏が緊急事態宣言解除を主張 延長示唆の「尾身さんは“宗教指導者”」
🔗竹田恒泰氏 五輪中止署名の宇都宮氏は「筋違い」「寄付金集まる」
🔗八代英輝氏が朝日新聞の“五輪中止社説”に「二枚舌に見える」「逆に開催が決まったんだなと」
🔗【風を読む】孫氏のツイッターに違和感あり。論説委員長・乾正人
🔗IOCの言うとおり、東京五輪は「開催可能」だ…その理由を説明しよう 改善するワクチンの接種状況
産経新聞論説委員長乾正人の記事には品性が感じられない。「コーツ発言に触発されたのか、ネットでは中止論が勢いを増している。ソフトバンクグループの孫正義会長もツイッターで吠えている。…おっしゃること、いちいちごもっともなのだが、『どうも偽善的だなぁ』と感じてしまった。」という攻撃のロジックは楽天の三木谷氏の発言を攻撃する本音コメンテーターのホリエモン、橋下徹とまったく同じだ。論説委員長の書いた記事としては下品すぎる。
★東京五輪「大きな物失う」孫氏、ツイッターで懸念~新型コロナウイルス感染症流行下では、ワクチンが普及遅れの日本で「変異株が蔓延し、失われる命や、GDP(国内総生産)の下落、国民の我慢を考えるともっと大きな物を失うと思う」と懸念を示した。孫氏は、この日の投稿で「(開催中止は)違約金が莫大だという話はあるけど」とした上で、世界各国から選手や関係者が多数来日することに懸念の言葉を続けた。(2021/05/24 共同通信)
「原因をつらつら考えるに、あの犬を使った携帯電話のコマーシャルが、個人的にきらいなこともさることながら孫氏率いるソフトバンクグループの納税姿勢にある、と思い当たった。」という産経新聞の論説委員長のレベルの低さには呆れてしまう。これはヤクザのいちゃもんと変わらないいいがかりにすぎない。トヨタと比べてソフトバンクの税負担率が低いと主張しているが、租税特別措置法等の優遇税制の適用を考慮した実際の法人税等の負担率はトヨタ等の大企業は10%台であることを国会で政府は認めており、ソフトバンクと大きく違わない。これがオリンピックの開催について批判的な意見を述べた孫氏に対するメディアの反論なのだろうか。
橋下の「オリンピックやりたいんだと。やるために今回、緊急事態宣言も延長するし、他のこともやると。そこを隠すから(疑問の声が)出てきちゃうんですよ。命をないがしろにするような、そんな政治家は、そんないい加減な人はいませんよ」という発言は完全に問題のすり替えだ。菅総理が堂々とオリンピックをやるために緊急事態宣言を延長すると表明すれば、逆効果になるだろう。
国民は、もう少し早く病院に入院できていれば助かった感染者が手遅れで亡くなるという医療崩壊が起こり、医療従事者が疲弊しているときに不要不急のオリンピックよりワクチン接種や医療現場の立て直しに資源を集中してほしいと願っている。
🔗使いにくいワクチン注射器「こんなの臨床で使わない」 国が配布、半端の廃棄増加
この1年以上、経済との両立を主張して中途半端でとんちんかんな政策に資源が無駄に投入され、コロナ禍で本当に困窮している人にはお金が回らず、アベノマスクのような税金の無駄遣いについても反省するどころか、一定の効果があったと繰り返すような政権を信頼できるわけがない。あれだけ税金泥棒を嫌う橋下もアベノマスクを糾弾したことはなかったように思う。橋下とも親しい”論客”の「感染防止より経済」の三浦瑠麗はアベノマスクが役立ったと発信していたことを思い出した。
政権は二兎を追う者は一兎をも得ずの見本のような過ちを繰り返している。感染対策と社会経済活動の両立を目指す菅首相の肝いり施策のGoToキャンペーンで人の移動が増えると感染が拡がることは経験済みのはずだ。しかし、菅総理はGoToキャンペーンとコロナの感染拡大の因果関係を最後まで認めなかった。オリンピック開催による大規模な人の移動が起これば取り返しのつかない状況に追い込まれる可能性がある。おそらく、オリンピック後に感染が拡大しても菅総理はオリンピックとの因果関係を認めないだろう。理念なき度し難い頑迷な老人たちがこの国を支配している現実を国民は認識するべきだ。
★論戦の期待裏切った菅首相のひと言 党首討論から見える単純な発想~「世界のさまざまな国でロックダウンを行ってきたが、外出禁止などの厳しい措置を行った国々でも、結果として(感染拡大を)収束できなかった」…菅首相自身の政治判断で緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が各地に出され、国民は長期にわたり、外出自粛や営業自粛などのさまざまな私権制限に苦しみ続けている。一つ一つ例を挙げればきりがないが、中には命を落とした人もいる。そこまで国民に無理を強いる政治判断をした以上、菅首相には緊急事態宣言を発令している間に、何としても感染拡大を抑え、国民の痛みを最小限にとどめる重い責任があるはずだ。それなのに、菅首相は結果を出すどころか「そんな政策には意味がない」に等しいことを、あっさりと言い放った。それも党首討論の第一声で。…「人流抑制策」を捨てた途端、菅首相の頭の中はもうワクチン一辺倒である。「今年の10月から11月にかけて、必要な国民については全てを終えることを実現したい」と、前のめりに希望を口にする。ワクチンさえ打てば問題はすべて解決する、とでも言いたげだ。まるで前任の安倍政権の「マスクを配れば国民の不安はパッと消えますよ」のように。(2021/06/12 全国新聞ネット)
★大阪の救急隊員、コロナに感染し死亡 2回目のワクチン接種受ける前~大阪市内の消防署で働いていた救急隊員が今月2日、新型コロナウイルスに感染して亡くなった。コロナ感染者の搬送などを担っていた50代の男性で、2回目のワクチン接種を受ける前だった。(2021/06/13 朝日新聞)
★滋賀が発表『ワクチン接種済みで感染した人が30人』“打てば感染しないは幻想認識”~滋賀県によりますと、県内で6月14日までに新型コロナワクチンを接種した人は1回目が約15万6000人、2回目が約6万4000人となっています。このうち30人が新型コロナウイルスに感染し、うち5人は2回目の接種後に感染したということです。県によりますと、30人は医療従事者や高齢者などで、全員がファイザー製を接種していて、中等症が10人、軽症・無症状は20人で、重症はいませんでした。(2021/06/17 毎日放送)
★コロナ軽症でも残る後遺症、半年も休職した20代女性「感染前の状態とは程遠い」~女性は感染時、2日間の高熱と嗅覚障害が出たが軽症だった。自宅療養となり、半月ほどで仕事に復帰。感染前と同様に高齢者宅への訪問リハビリをこなした。異変が出たのは1週間後。強い倦怠感で利用者の体を支えられなくなり、仕事を休みがちになった。一人暮らしで家事ができず、2月から休職して糸島市の実家へ。その後、着替えなどの日常動作すら困難になった。食は細り、体重は1か月で4キロ落ちた。…同院は2月に後遺症外来を設置。これまでに10~40歳代を中心に約50人が来院している。感染時は軽症・無症状者だった人が7割で、全体の8割に倦怠感、4割に嗅覚障害や鼻づまりがあった。集中力低下や脱毛、関節痛なども見られた。(2021/06/17 読売新聞)
🔗ビートたけしが東京五輪の開催へ突き進む政府に苦言「まるで晩年の日本兵…まだ勝つって言っている」
🔗【東京五輪】菅首相の「やめることは一番簡単」発言に怒りの声「即やめろよ~! 五輪もアンタも!」~菅義偉首相が米紙「ウォールストリートジャーナル」に語ったインタビューが大波紋を呼んでいる。
弁護士の八代英輝に至っては、オフィシャルパートナーであることを理由に朝日新聞のオリンピック中止の社説を批判しているが、組織内からの批判的な意見を封殺するような行為だ。「オフィシャルスポンサーの立場で開催が決まった場合、批判の声が出る可能性もある。」というのは脅しともとれる。それなら、ストレートにオフィシャルパートナーを辞退するべきだと主張するべきだろう。
しかし、冷静に考えれば、中止の議論前にちゃぶ台返しをする方が国民から無責任だという批判を浴びる可能性が高いのではないだろうか。こんな人が弁護士だから日本の時代遅れの同調圧がなくならないのだろう。彼ら本音主義者は日頃は何かというと是々非々で議論すべきだと主張しながら利害関係がありそうな問題になるととたんに同調圧に加担する信用してはいけない人たちなのだろう。
朝日の社説への批判は「遅すぎる」、「本気さをみせてほしい」というもので八代のような”斜に見た”攻撃は少ないのではないだろうか。
最近、ときどきテレビで見かけるカズレーザーの発言も立派な同調圧だろう。人の揚げ足を取って何が面白いのだろうか。橋下に通じるところがある。かつて、新聞の消費税の軽減税率の適用をめぐって橋下は朝日新聞だけを攻撃していた。
🔗デーブ・スペクター氏 タレントとコメンテーターの〝激変〟皮肉る「五輪始まるまでにコメント予習」
カズレーザーの発言も相手の弱みに付け込む卑劣な発言のように思う。彼も本音倶楽部のメンバーなのだろう。そもそも自分こそオリンピック開催を疑問視するような番組の出演を辞退したらどうなんだろうか。オリンピックが開催後に開催を疑問視するようなスタンスを自分は取っていなかったというアリバイ工作のようにも見える。ギャラは返上するのだろうか。
緊急事態宣言下でも聖火リレーを忠実に報道するNHKの姿が望ましいと言えるだろうか。まともなスポーツ選手ならオリンピックのインタビューで「あなたたちやらない方がいいって言ってませんでしたか?」なんて発言するはずもない。仮定としても成立しない根拠のない話だ。
そんな発言をすれば、オリンピック関係者やファンからも批判され、集中砲火を浴びることになるだろう。模範生を演じることを強いられているオリンピック選手にそんな度胸があるとは思えない。それこそ”しくじり先生”として後年、テレビに出演するのが落ちだろう。
そもそも「開催になったら」というは表現自体がおかしい。現在、オリンピックを開催する前提でことが進んでいるのであって開催になったらどうなんだという問題提起はあり得ない。あるとすれば、中止になったら、もしくは再延期になったらという問題だけだ。
「番組で報道させてくれるんですかね?」とはどういう意味だろうか。オリンピックには多額の税金が注ぎ込まれており、その内容を国民に情報公開する義務が開催側には当然ある。そして、テレビ局はその内容を正しく国民に報道する義務が放送法で義務づけられているのではないのか。だから、受け狙いの無責任な同調圧を招くような発言は厳しく批判されるべきだ。
”報道させてもらっている”という発想自体、自ら御用メディアであることを宣言するようなものだ。その御用メディアから”ギャラをもらっている”のが誰なのか忘れているようだ。社畜のようなタレントはサラリーマンと変わらない。世の中、オールサラリーマン化しつつあり、体制側の同調圧の傘の中で生き残りを図ろうとする人間ばかりだ。そういう人の後日の言い訳は、あの時は仕方なかったという責任逃れだ。だから、いつまで経っても世の中からいじめがなくならない。
🔗「社説で五輪中止を求めるのにスポンサーは継続」朝日新聞が信頼を失った根本原因
彼らは、ブーメランとかダブルスタンダード、二枚舌という常套句で相手を攻撃することが多い。こうした常套句は問題の本質とは関係ない論点を持ち出して揚げ足を取るために使われている。大規模な人の移動を伴うオリンピックと人数制限された規模の小さい野球やサッカーの試合を同列で論じることはフェアとは言えない。比較を使って相手を攻撃するなら、それぞれのリスクを具体的に列挙して説明するべきだ。
田崎自身こそ本当にゲスな人間だ。菅総理の最終目的は選挙であることは間違いなく、ワクチンはオリンピック開催のための手段であり、オリンピックは政権支持率を上げて選挙で有利に戦うための手段にすぎない。だから、無策のツケで追い込まれて最後の一発逆転を狙っているように国民の目に映る。北朝鮮からの拉致被害者の救出が進まない中で残された逆転の切札はオリンピック以外にない。
ノンコントロールのピッチャーよろしく速球だけで勝負しようとしているのではないのか。9回裏ノーアウト満塁、ツーストライク・スリーボールのマウンドで最後の球を投げ込もうとしている図式だ。追い込まれているから周囲のことが何も見えなくなっているのだろう。先日、誰かが日光の三猿のようだとも揶揄していた。そう言えば、どことなく…。
政権擁護派の最後の2つの記事は、高橋洋一とそのお友達ジャーナリスト長谷川幸洋の記事だ。長谷川の記事は読むのも恥ずかしくなるレベルで、歯の浮くような菅総理礼賛で溢れ、よくここまで書けるものだとある意味、感心してしまう。高橋の記事は名誉挽回の菅総理を支援する記事のつもりなのだろう。二人とも名誉と金のために頑張っているのだろうか。しかし、皮肉なことに高橋の上記記事が配信された同じ日の夕刻に彼の内閣官房参与退職が発表された。菅総理もやっと彼の発信が支持率にマイナスになることを認識したのだろう。国民はお友達を切れない安倍前総理よりはマシだと思うだろうか。
オリンピックの可否について考える上で次の記事が判断材料を与えてくれている。
🔗「五輪の感染対策不十分」「中止が安全か」米誌に論文~論文を書いたのは、バイデン米大統領の新型コロナ対策の元アドバイザーのオスターホルム・ミネソタ大教授ら4人。
🔗IOCとの開催都市契約、平時ならウィンウィンも現実は「不平等契約」
おしまい
(追記1)遅刻もびっくりですけれど…
参院外交防衛委員会に遅刻した防衛副大臣がツイッターでとんでもない発信をしても政府はお咎めなし。安倍前総理のマネをしているのだろうか。類は友を呼ぶ。安倍政権がお友達政権と呼ばれる所以なのだろう。側近だけでなく、議員や支持者に偏向した思想の人間ばかりが集まっている。さざ波発言の高橋先生もその一人だ。菅総理にだけ謝罪したが、殿のためにしたことが反って足を引っ張る結果になったことを詫びたのだろう。殿は「承知しておるぞ。よい、よい。気にとめるな。」とでも答えたのだろうか。しかし、高橋先生も防衛副大臣同様に発信内容については訂正していない。彼らに日本の安全を託せない。とりあえず、政権交代して良貨が悪貨に駆逐される前に悪貨を選挙で駆逐しよう。
🔗谷原章介、遅刻の中山泰秀防衛副大臣に「遅刻もびっくりですけれど…」
★防衛副大臣、「イスラエルと共にある」ツイート削除…「一定の使命果たした」~中山氏は12日、自身のツイッターに「最初にロケット弾を一般市民に向け撃ったのは誰だったのか?私たちの心はイスラエルと共にある」などと書き込んだ。イスラエルとパレスチナ双方に自制を働きかける政府方針と異なるとして、野党が批判し、削除を要求していた。中山氏は「私がつぶやいたことをきっかけに、中東の議論をしてくれた。(書き込みは)一定の使命を果たした。それが削除した理由だ」と述べ、内容は適切だったとの考えを示した。(2021/05/21 読売新聞)
(追記2)もう一人の裸の王様
菅総理の盟友の松井大阪市長が小中学校のオンライン授業の実施を独断で決めたことが報じられている。構図は菅総理の大規模ワクチン接種センター構想と同じだ。盟友の橋下氏なら松井市長の決定を英断として支持することだろう。結果に責任を負う行政の長にしかできない困難な決断だったと擁護することだろう。無責任な評論家や政策に責任を負わない校長に任せていたら教育改革は進まないと。
そして吉村知事なら大規模ワクチン接種センターについての「不備への批判に『やり過ぎ』完ぺきで遅いよりもいい~「どうしても走りながらやると不具合は多少、出てくる。…そこばかり焦点を当てるのは違う。」という発言と同じレベルの松井市長を擁護する発言をすることになるだろう。
安倍政権誕生以来、身内や支持者に甘い政治家ばかりになってしまったように思う。幼稚な屁理屈と政治家にしか責任がとれないという根拠のない主張を繰り返し、失言や不祥事はあやふやなままでいつも終わってしまう。実際、結果責任など誰もとっていない。
「決めたことをやらないというなら処分の対象。考え方は違うけど、教育振興基本計画に沿って学校運営するのが当然の話。社会人として当然じゃないの?組織の決まったことを覆そうと言うなら、自分で公約を上げて市長にならないと変えられませんよ」と対話や説明を拒否して人事権で同調圧をかけるところは菅総理と同じだ。松井市長の発言は恫喝そのものだ。維新は対案を出せと言いながら、対案が出てくれば握り潰すだけのようだ。対話や理解よりトップダウン優先の同調圧集団だ。ものが自由に言えない組織は息苦しい。閉塞した環境から新しいものは生まれない。
★提言した校長を「現場が分かっていない」と決めつけたが、分かっていないのは松井市長かもしれない~松井市長が市立小中学校の授業をオンラインで実施する考えを示したのは、大阪府の吉村洋文知事が国に緊急事態宣言を要請する意向を表明した4月19日のことである。大阪市教育委員会(市教委)と協議のうえで決めたうえでの発言なのかといえば、「市長が考えを表明して、それから教委のなかでも議論しました」(市教委教育政策課)ということだったらしい。市教委との話し合いもないままに、松井市長はオンライン授業で緊急事態宣言に対処する方針を公表したわけだ。…そこには、「ネットワークの負荷を分散させるため」として、双方向通信を時間、地域ごとに割り当てた表が載せられている。市内の全部の小中学校がいっせいに双方向通信を利用するには、回線の容量不足のために不具合が発生することを市教委は承知していたにちがいない。しかも割り当ては、5日の期間のなかで、1地域1回でしかなく、時間も40分である。これでオンライン授業中心とは、とても言えるわけがない。さらに、新型コロナ禍で1人1台端末が前倒しされたとはいえ、全部の子どもたちの手元に端末が届いたのは最近のことであり、家庭に居て活用しきれる状態にはないことも承知していたはずである。…実際、学校現場は混乱した。とてもオンライン授業をやっている、と公言できる状況ではなかった。松井市長のオンライン授業発言と、市教委に丸投げされたことで、学校現場は対応に苦慮した。その事実を木川南小の久保校長の提言書で指摘されたにもかかわらず、それを認めず、前述したように松井市長は「オンラインを活用した」と言い張っている。ここにいたっての発言は、学校現場の現状をまるで認識していないとしかおもえない。当初から市教委さえ把握していた実現困難な状況を、いまになっても理解していないことを自ら認めたようなものだ。松井市長は学校現場がまったく分かっていない、としか言いようがない。(2021/05/24 ヤフーニュース)
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(追記3)大規模ワクチン接種センター初日~やっぱりね
初日は「菅首相が視察に来るので、混乱しないことを最優先に」してトラブル回避が行われたようだ。予約していない84歳の高齢者も無事、ワクチンが接種できたことはそれはそれでよしとしたい。ガラケーしか持っていない高齢者が3日間も電話をかけ続けた上で及んだやむにやまれぬ行為だから不公平と非難するのはお門違いのように思う。ただ、この期に及んでも上司の総理のメンツを優先するとは悲しくなる。サラリーマンならどこかで見たことのある光景だ。
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もともと先着順という方法に問題がある。デジタル機器に弱い高齢者や情弱の人は最初から落ちこぼれてしまうことになる。これも自己責任で片付けられてしまうのだろうか。経済的な理由や信念でスマホや携帯を持っていない人たちのことも考えるべきだ。無論、コロナをただの風邪だという信念の人?は感染時に隔離する必要があってもワクチン接種を辞退する権利がある。
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ワクチン接種の実施方法については、事前に検討する時間が十分にあったはずだ。オリンピックの準備にばかり資源を投入した政府の無作為の責任は重い。河野ワクチン担当大臣に責任を丸投げしておいて土壇場で介入して自分の指導力をアピールするようなやり方は感心できない。信頼されるリーダーは部下の活躍をサポートできる人間だ。
「受付では予約で入力された接種券番号と生年月日のデータしかないから、本人が持参した接種券番号や生年月日が異なる時もあっても、基本的にはスルーしていたようです。」ということなので予想した通りだ。予約システムで接種券番号と生年月日の入力チェックが行われていなかったのだから他に方法がなかったはずだ。
政権は接種人口を積み上げられれば自分たちの支持率にプラスになると考えているのだろう。ワクチンが十分に確保できているというのだから目くじら立てる国民も少ないだろう。多くの国民により早くワクチンを接種することについては異論はない。ただし、オリンピックを優先した施策には賛成できない。今年の開催をすっぱり諦めてコロナ終息後にオリンピックを開催できればその方が経済復興の起爆剤になる可能性がある。
「欠陥のあった予約システムは改修が進み、対象外エリアの人は予約できない、高齢者以外の人は予約できない、というレベルに到達した」のは当たり前のレベルでプログラムに簡単な入力チェックを追加するだけで済む話だ。防衛相の「虚偽予約を防止するシステムを短期間で実現するのは困難」という説明はなんだったのだろうか。「架空情報による予約防止を目的としたシステム改修を行うことを決めた。」って言ってたが、市区町村コードや生年月日をチェックするプログラムがカットされていただけの話で、期日に間に合わせるための判断の誤りに対する国民の批判をかわすために目の上のたん瘤の朝日と毎日だけ選択的に攻撃したとしか思えない。
接種券番号については個々の自治体が管理しているので接種券番号を自治体のシステムと紐づけてチェックできるようにシステムを改修するのは手間と時間がかかるだろう。しかし、予約から接種までに時間があるので予約完了後に予約データを自治体に電子データとして転送してコンピューターで機械的に接種券番号を照合する事後チェックなら簡単にできるはずだ。法的措置で牽制するよりよほど効果がある。悪質なケースを接種前に排除することが可能だろう。
★悪質な予約に法的措置辞さず 大規模接種センターで岸氏~岸信夫防衛相は25日の参院外交防衛委員会で、自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターを巡り、架空の予約を繰り返すような悪質な行為があれば、法的措置も辞さないとの意向を表明した。「不正な手段によって真に接種を希望する人の機会を奪いかねず、絶対に許されない」と述べた。システムの不備発覚後、架空の市区町村コードや65歳未満の生年月日では予約できないよう改修したものの、入力情報が正しいかどうかはシステムで判断できないと説明。「虚偽番号で入力できるのは変わっていない」と認めた。日本維新の会の浅田均氏への答弁。(2021/05/25 共同通信)
報道する前にメディアが報道内容を検証するのは当たり前のことで間違った報道をすれば、信用を失うことになる。逆に検証報道をしなかった産経や読売こそ問題がある。国民の知る権利を守るために軽減税率の適用を受けたのではなかっただろうか。産経に至っては政権の情報隠ぺいに加担していると非難されても仕方がない。
そもそも防衛相が朝日や毎日に抗議文を送るようなドタバタを演じる必要はなかったはずだ。自分たちの失態を隠蔽し、問題のすり替えを行う行為であり、国民として絶対に許してはいけない。私たちが健忘症でないことを選挙で証明する必要がある。国民の命より自分たちに有利な時期に解散総選挙を行いたい政党などいらない。これはこれそれはそれということだ。
読売は防衛省が発表した接種人数を報道しているが、接種した人は、予定より152人少ない7,348人になっている。報道機関なら接種人数が予定よりも少ない理由について防衛省に確認しないのだろうか。予約は定員いっぱいだったはずだ。理由を知りたい国民は多いはずだ。予約した人は全員が会場にやって来たのだろうか。それとも架空予約があったのだろうか。あるいは、接種券を忘れたり、時間に間に合わずに接種できなかった人、体調不良の人がいたのだろうか。何らかの事情で初日に接種を受けられなかった人は後日、接種してもらえるのだろうか。こうした情報はこれから接種を受けようとする人には役立つ情報になる。
★自衛隊による大規模接種、初日は東京・大阪で計7348人~防衛省は25日、接種初日(24日)は東京と大阪の両会場で計7348人に接種したと発表した。両会場とも、大きな混乱はなかったという。同省によると、接種したのは東京会場で4876人、大阪会場では2472人だった。自衛隊では、1日あたり東京1万人、大阪5000人の接種を目指しているが、初日は半数に抑えた。(2021/05/25 読売新聞)
残念ながら、2日目の26日に想定外?の障害が発生した。会場で2回目の接種の予約ができなくなり、長蛇の列が発生。ダウン回避で軽くしたはずのシステムなのに…やっぱりポンコツシステムなのかもしれない。大阪の吉村知事の「どうしても走りながらやると不具合は多少、出てくる。」という知見?は正しかったようだ。
初日の予約人数と接種人数との乖離は、31日に防衛省が発表した直前のキャンセルが原因だったのだろうか。
★ワクチン予約、当日キャンセルは3872件 大規模接種センター~防衛省は31日、自衛隊が東京、大阪に開設した新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターで直前のキャンセルが1週間で7401件となり、このうち予約当日のキャンセルは3872件に上ったと発表した。直前にキャンセルした人数は実際に接種した人数の11%を占めた。(2021/5/31 毎日新聞)
6月7日受付開始分(6月14日から27日までの予約)は予約枠の8割が残る状況だそうだ。「予約減少の理由について、岸防衛相は、自治体での接種の本格化が影響している可能性」を挙げているが、自治体と国の大規模接種センターで接種するワクチンが異なることが影響しているのではないだろうか。
既に自治体で1回目のファイザー社製の接種を受けた人は2回目を国の大規模接種センターでモデルナ社製のワクチンを接種するわけにいかない。そして、14日までに自治体で接種を受ける予定の人も国の大規模接種センターの予約に変更することは考えられない。柔軟に対象者を拡大していかなければ、今後も予約が埋まらないことが予想される。ただし、東京の接種センターの接種対象を県をまたぐ移動を伴う千葉、埼玉、神奈川を除外するべきだと思う。
🔗平野啓一郎氏、ワクチン大規模接種会場に18万人の空き発生に「いつも政府の『思いつき』だから」
9日、報道陣に公開された大規模センターについての2社の報道内容に大きな差がある。「朝日・毎日は悪質な妨害愉快犯」という安倍前総理の発言を報道した産経新聞の記事はほとんど紹介記事のレベルで見学に参加した記者が配られた資料をそのまま記事にしたような中身のないものだ。現場に行かずともプレスリリースから抜粋すれば同じ内容が書けそうだ。
一方の安倍前総理と弟の岸信夫防衛相から「悪質な妨害愉快犯」と攻撃された朝日の「AERA dot.」の記事は反撃的ではあるものの、きちんとした調査報道記事になっている。そもそも報道機関が権力に対しては批判的な視点を向けないなら報道内容は単なる御用記事になってしまう。安倍前総理の好き嫌いに沿った報道を行う御用メディアは国民にとっては不要だ。政権にとって都合のいい選択的報道を行うメディアは知る権利を守る報道機関とは言えないので消費税の軽減税率の適用から除外するべきだろう。
大規模センターの予約の空き対策が全国の高齢者に対象を拡大する方向で調整されていると報じられている。大規模センターを縮小して余剰人員を各地の支援に振り向ける方がいいのではないだろうか。本当に場当たり的で訳のわからないことばかりだ。先見の明がない船長が一度決めたら誰も進路を変えることができない日本丸に乗船している国民は、この先、どこに連れていかれるのだろうか。
🔗<独自>大規模接種64歳以下も受付へ 電話予約は12日から
★17日から18歳~64歳にも接種へ 大規模接種センター 防衛省~14日夕方の時点で東京・大阪の両会場を合わせておよそ13万件の空きがあることから、防衛省は接種能力をむだにしないよう、対象年齢を大幅に引き下げ、17日から18歳~64歳の人にも接種を行う方針を固めました。(2021/06/14 NHK)
★大規模接種、予約増加=64歳以下も受け付け開始―防衛省~16日午前10時時点で計16万5000人分の予約枠に対し、計8万5631人(52%)が埋まった。特に東京会場では、15日午後5時時点では3割以下だった予約が半数以上に大幅に増加した。17~20日に限れば東京は8割以上、大阪は9割以上が埋まった。21~27日は東京で約4万5000人分、大阪で約2万6000人分の空きがある。(2021/06/16 時事通信)
国会で総理が放言しても後から誰かが捕捉してくれるのだから無責任な発言が通ることになる。菅総理はコロナの感染拡大とGotoトラベルとの因果関係を否定してきたが、そもそも具体的データ云々以前の問題で下から上って来た報告を理解する能力がないのかもしれない。あるいは周囲が首相が聞きたくない事実をきちんと伝えられていないのかもしれない。まるで現場の実情を知ろうとしないワンマン社長のようだ。
根拠のない希望的観測を党首討論で開陳する神経には呆れるしかない。裏付けがなくても首相の俺が言えば、国民は安心し、家臣に信じる方向を示せば、為せば成るとでも思っているのだろう。すべて運頼み。俺は幸運の神様に守られているのだから心配する必要はないと。
★首相、1日100万回接種を党首討論でアピール 実際は60万回か~「毎日、過去の(報告)が上がってくるから、どこで100万回というのは分からないが、このところは大体その数字になっている。正式に超えたので、そう申し上げた」と述べ、「私自身が予想したよりはるかに速いペースだ」と胸を張った。これに先立ち、加藤勝信官房長官は9日の記者会見で、「接種記録を後日まとめて入力する自治体もあり、公表日以前の接種回数も含まれている」と説明。政府が8日に発表した累計は前日比で109万3504回増えていたが、実際の接種ペースは1日60万回程度とみられる。(毎日新聞 2021/06/09)
★官房長官、首相発言は「具体的データない」11月までに全国民接種~加藤氏は「昨日の首相のご発言は、1日100万回あるいはそれ以上を目指して接種加速化を進める中で、10月から11月までには希望するすべての国民にワクチン接種を終えるよう取り組んでいきたいと申し上げた」と説明した。(毎日新聞 2021/06/10)
★神奈川県知事 東京の大規模会場でワクチン接種 SNSで批判も~接種後、自身のツイッターに「普通の注射よりも痛みはなく、今のところ副反応も全くありません」などと投稿した。国の会議に出席した後に立ち寄ったと説明した。
( 2021/06/11 毎日新聞)
★ワクチン接種完了「絶対命題」と黒岩知事 理由は菅首相と河野担当相を輩出している県だから…神奈川県の黒岩祐治知事は12日、県内の19市の市長らが参加したオンライン会議で、高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種を7月末までに完了するという菅義偉首相が示した目標について「神奈川は菅首相と河野太郎担当大臣を輩出している県として(達成は)絶対命題だ。絶対に実現しないといけない」と語った。(2021/05/12 東京新聞)
★ワクチン予約停止の自治体相次ぐ 背景は需要と供給のギャップ~厚生労働省は1日、今月19日から月末までのファイザー社製の供給計画を都道府県に提示。自治体からの希望量(3420万回分)の3分の1程度(1240万回分)で、これが引き金で急ブレーキを踏んだケースもあるとみられる。7月前半の供給も希望量の約半数止まりで、供給不安に拍車をかけた。(2021/07/02 毎日新聞)
(追記4)ワクチン大規模センターの予約システムの問題点~東京新聞の記事から
ワクチン大規模センターの予約システムの検証については東京新聞も行っていたことが同社の記事を読んでわかった。朝日や毎日の検証と異なるのは最後の「予約する」ボタンを押さずに画面を閉じたことだ。しかし、予約ボタンを押したところででたらめの数字を入力しているので市区町村コードと接種券番号の両方が一致する可能性はほぼない(接種券番号は自治体ごとに発行しているため重複する可能性はある)から本来の接種対象者の予約の機会を奪うことはあり得ない。ただし、接種券番号だけで重複を判定するようにプログラムされている場合は問題があるが、朝日も毎日もすぐに予約をキャンセルしているので実害が生じた可能性はないはずだ。
ワクチン大規模センターの予約システムは兵庫県芦屋市のシステムとほぼ同じだそうで接種券番号と生年月日のデータベースとの照合が行われていて「防衛省のシステムは、ここから照合機能を取り除いたもので、入力されたものを蓄積していくだけの簡単な作り。急な話で、自治体から接種券番号などを集める時間はなかっただろう」という見解を立命館大学の上原哲太郎教授が述べている。
やはり、新たにシステムを開発している時間がなかったために既存のシステムのプログラムの照合機能を外して流用したようだ。しかし、プログラムは一部分を削除しただけでは正常に動かない場合の方が多い。なぜなら、削除した部分と関連するプログラムが存在する可能性があるからだ。関連するプログラムも同時に修正しなければならない。通常、プログラムを修正した場合はテストランを繰り返してバグを取り除いていくが、今回は期日を優先してテストランを省略もしくは十分に行わずに見切り発車したのかもしれない。バグは、大阪の吉村知事の言葉を借りれば「走りながら」修正していくつもりだったのだろうか。
「接種券番号を入力し確認画面に移った後、生年月日の入力誤りに気付いて認証画面に戻ると、入力が進まなくなる」という不具合が確認されており、これは入力された接種券番号と生年月日の照合に関連したプログラムの修正が適切に行われていないために生じたバグではないだろうか。
さらに架空番号でも予約できる一方、正しい番号を入力してもエラーになるケースや「勝手に予約が消える」ケースまで確認されている。おそらく、システムの一部だけを修正したためにプログラムの不整合が生じているのだろう。こうなるとシステムの改修に時間がかかることが予想される。場合によっては最初から作り直した方が早い場合もあるだろう。そしてプログラムの修正のために新たな費用が発生する可能性もある。
「勝手に予約が消える」ケースについてはシステムが市区町村コードを考慮せずに接種券番号と生年月日の両方が一致しているデータを重複データとして後から入力されたデータを消去するようにプログラムされている可能性がある。元の単独の自治体のシステムが接種券番号と生年月日の両方が一致するデータは存在しないデータとしてはじかれるようにプログラムされているのではないだろうか。ワクチン大規模センターの予約システムは複数の自治体を対象にしているので接種券番号と生年月日が一致するデータが存在する可能性があり、たまたまこのケースに該当したデータの一方が削除された可能性もある。
そもそも国が接種券番号を統一的な基準で管理していれば、今回のシステムはよりシンプルなシステムで済んでいたはずだ。「接種券番号は10ケタであることだけが全国一律で、各自治体が独自に番号を発行しているため、自治体をまたいだ重複番号がある可能性を指摘。その上で『このシステムでは、ある接種券番号と生年月日の組み合わせで認証が完了すると、同じ接種券番号では、別の自治体のものでも受け付けなくなる仕組みだったのでは。これでは後に入力した人は正しい番号でも予約できないはずだ』」と立命館大の上原哲太郎教授が語っている。さらに「そもそも接種券を配る段階で問題があった。最低限、券番号に『チェックディジット』を設けるべきだった」という指摘もある。
「マイナンバーで接種歴を追うとして内閣官房が導入した『ワクチン接種記録システム(VRS)』も不具合が頻発し、自治体から不評が相次ぐ。VRSは接種を受けた人の予診票に貼り付けた接種券情報を、国が配布したタブレット型端末のカメラで読み取り、データセンターに送信する仕組みだ。接種券情報は、自治体によって、バーコードと18桁の数字番号(OCRライン)が2つとも印刷されたものと、OCRラインのみ印刷されたものがあるが、『すでにバーコードなしで印刷が終わってしまった自治体もあったため』(内閣官房IT総合戦略室担当者)、OCRラインのみ読み取ることになった。だが、微妙な角度や距離の違いや手ぶれなどでOCRラインをカメラで読み取れないケースが続発。千葉市の接種担当者は『バーコードも読み取ってくれれば…』と嘆き、東海地方の医療機関の担当者は『こちらは必死の思いでこなしているのに、あまりの稚拙さに心が折れそう』と話すと東京新聞は報じている。
このシステムはフリマで販売した商品を出品者が宅配事業者の営業所で発送するときにスマホ画面のバーコードを専用端末のカメラで読み取るしくみと似ている。バーコードなので正確に一瞬で読み取ってくれる。宅配事業者のシステムを導入すればよかったのではないだろうか。
★政府の「接種記録システム」実態を反映せず?…「接種数が把握できない」自治体も~接種を受けた人の氏名や接種日などは、接種券に記載された18桁の数字を専用端末で読み取ることで、政府の「ワクチン接種記録システム」(VRS)に記録される。…タブレット端末やシステムがうまく作動せず、記録に支障が出たケースもあった。行田市の担当者は「数字の読み取りがうまくできず、職員同士の読み合わせによる確認作業に時間がかかり、実際の接種数と記録の数字との間にズレが生じた」と話す。その上で「同様の自治体は他にもあるはず。システムの数字がどれだけ実態を反映できているのか」と疑問を投げかける。…「接種状況が把握できなければ、国に要求するワクチンの量にも影響が出る」。狭山市の担当者はそう懸念する。同市では個別接種を始めたが、現時点では各医療機関に送ったワクチンを全て使用しているとみなし、その量をもとに接種を受けた人数を推計しているという。(2021/06/02 読売新聞)
ワクチン大規模センターの予約システムについては「自治体が管理する接種券番号との照合うんぬんの問題ではなく、システムそのものに原因があるだろう。使う前にこのようなバグをチェックするのが普通だが、不十分だったのでは。今回の一連の問題は、日本の情報システム開発力が全体的に弱くなっていることを表している」と明治大大学院の湯浅墾道教授が指摘しているが、菅総理のオリンピック開催と政権支持率回復の思い付きのために日本のデジタル技術全体の信用まで失われる可能性がある。
今回の不祥事は安倍元総理と元官房長官の菅総理が残した負の遺産に起因しているように思う。政権による人事権の介入で委縮した官僚がうそや不祥事の隠蔽に加担して公文書の改ざんに手を染め、今回は菅総理のメンツのためにでたらめの予約システムを稼働させてしまった。後先のことを考えずに周囲が自分の保身のために総理の発言と矛盾する内容をなかったことにしたり、総理のメンツを守るために無理筋の施策を”スピード感を持って”実行して”あっぱれな”忠義心を示したのだろう。
愛知県の大村秀章知事に対するリコール運動の署名の偽造事件も維新の衆院選候補予定者だった容疑者が「署名が思うように集まらなかった。(同会会長の)高須(克弥)先生に恥をかかせるわけにはいかなかった」と語ったと毎日新聞が報じている。保守系の人々に時代遅れの忠義心が残っているようだ。しかし、最後は庇おうとした本人の信頼が損なわれている。裸の王様の首に鈴を付ける勇気のある忠臣がいなくなってしまった。
この記事の内容は下記の東京新聞の記事の情報を元に書いたものだ。東京新聞は産経新聞とは真反対で調査報道と国民の知る権利のために頑張っているように思う。
🔗ワクチン大規模接種の予約システムに欠陥 マイナンバー追跡でも不具合…関連会社の顧問に竹中平蔵氏~この予約システムにどんな問題があるのか、実際に試してみた。… (2021/05/20 東京新聞)
🔗正しい番号でもワクチン予約できず 板橋、目黒で数十件…防衛省の大規模接種システムに新たな欠陥か~目黒区にも、予約できなかった人から数件の問い合わせがあった。 (2021/05/21 東京新聞)
★ワクチンめぐる「裏切り」の渦 単位引き換えの学生五輪ボラに「未接種でも参加を」国の突然「配れない」に知事激怒~一方、「虚偽番号でも予約可能」「正しい番号でも予約不可能」「予約が勝手に消える」と次々に欠陥が判明した防衛省の東京大規模接種センター予約システム。同省が改修を表明してから約2カ月たつが、まだ「予約が消える」という。…今月半ばにスマホで夫と自分の予約を取った。予約確定画面が出て安心した数時間後に再び確認すると、2人とも画面に「予約がありません」と出た。驚いてコールセンターに問い合わせると、夫の予約はキャンセルされ、自身の予約は残っていると説明された。予約サイトはアクセス集中でつながりにくく、苦労の末に取った予約を取り消すはずがない。それでも担当者は「システムに問題がないのは間違いない。キャンセルされている」。押し問答の末に夫の予約を復活させてもらい、夫婦とも接種を受けられた。女性は「1台のスマホで続けて2人分を予約したせいなのか」としつつ、「夫の予約が勝手にキャンセルされ、自分の予約は実際にはあったのに『ない』と表示された。問題が指摘されて時間がたつのにまだ不具合があるのは、政府のシステムとしてお粗末すぎる」とあきれた様子で話した。(2021/07/22 東京新聞)
(追記5)世間の批判はアホコメ?
驚いたのは、竹中平蔵が内閣官房参与を辞任した“真面目な民間人”の高橋洋一のさざなみ発言に対する世間の批判を「アホコメ」として逆に非難していることだ。さざなみ発言こそアホコメではないだろうか。
「私が心配するのは、真面目な民間人が一切政府に関わりたくないと思うようになると思います」と竹中は言っている。高橋が“真面目な民間人”なら私はこうした”真面目で有能な?”民間人は政府に関わってほしくない。
竹中平蔵が”アホコメ”発言で「成長戦略会議」有識者委員を辞任という見出しがネットに踊る日が来ても私は驚かない。日本開発銀行(現日本政策投資銀行)出身の竹中平蔵が大蔵省(現財務省)の研究所で高橋洋一と同僚だった時期がある、旧知の間柄であることを知った。やはり、類は友を呼ぶようだ。
しかし、彼の発言が高橋を擁護しているものでなければ、まともな発言に見えるから不思議だ。事実に対する認識が彼と世間との間で大きな乖離があるということだろう。だから、こんな偏った思想の人たちをブレーンにする菅政権が「国民のために働く内閣」を標榜していることに強い違和感を覚えてしまう。世間の批判は、国民からの批判ではないようだ。
安倍前総理の”お友達擁護と利益誘導”は脈々と続いている。もういい加減にしてほしい。”少子高齢化”政権の終わりは近い。
🔗竹中平蔵氏 YouTubeで五輪開催主張も低評価が高評価の2倍に「正直ドン引き」「誤った認識」
🔗日本経済のシナリオ 単行本 – 2014/9/26 竹中 平蔵 (著), 高橋洋一 (著)
(追記6)橋本聖子の非科学的な反論
6月22日付のダイヤモンド・オンラインに掲載された『橋本聖子会長が「五輪反対は非科学的」と反論する根拠と理由 』と題するインタビュー記事の内容があまりにもお粗末な精神論に傾斜していて説得力がなさすぎる。
おそらく、政権側からの依頼で組まれたオリンピック前の“番宣”のための特集記事なのだろう。聞き手のスポーツライター小林信也氏の筋書き通りの進行にも違和感がある。本心とは違う頼まれ仕事に協力しているのだろうか。
この記事を読んでやはりオリンピックをやるべきだと感じる読者がどれだけいるだろうか。インタビュー(上)の締めの次の橋本会長の発言が響かない。
「困難なことをやめるのは誰にでもできます。困難なことをやめるのではなくて、どのように克服していって、さらに日本の素晴らしい力を世界に発信していくのか。そのことが今大切だと思うんです。万全の対策を講じて、あらゆる力を結集して前に行こう。それをしないことは、元々持つ日本の素晴らしい文化を、何か、なくしてしまうんではないかという危機感さえ感じます。」
発言内容は現実と真逆の内容になっている。万全の対策どころか、穴だらけのプランBすらない対策が対策と言えるだろうか。政権にとって困難なのはオリンピックを中止することもしくは延期するという選択であり、オリンピックを開催することではないはず。現実に政府はオリンピックの開催中止は現実的でないと言っている。つまり、やめるという選択肢は最初からないのだから開催が困難という認識すらないことになる。
オリンピックを開催することで後手後手のコロナ対策や政権の不祥事で下がった内閣支持率を回復させてオリンピック後の選挙で有利に戦いたいという国民無視の動機を国民から見透かされているのになんとも空々しい主張だ。
オリンピックで国威発揚をしようという時代遅れの思想にしがみつき、何が何でもオリンピック開催という政府の姿勢が国民の分断を生んでおり、国民にオリンピック開催の理由を丁寧に説明するべき立場のオリンピックの開催責任者のリーダーが国民に“反論”するというのだから呆れてしまう。
そもそも従来のオリンピックや当初の開催計画と比べて大幅に削減できたという認識からして現実離れしている。当初予算の4倍近い3兆円以上の資金を既に注ぎ込んでおいて今更、何を言っているんだと言いたくなる。その成果について橋本会長は次のように説明している。国民は共感できるだろうか。仮にコロナの感染爆発がオリンピック開催後に起こらなかったとしても次のすべての選挙で自民、公明、維新の候補に票を入れるのを国民はやめるべきだ。今の与党には国難に対処する能力が皆無だから。感動の一瞬の後に低迷の長いトンネルが続いていないことを祈るばかりだ。
「オリンピックは巨大になりすぎたと批判されています。その巨大なものも今回削減できました。改革する時がいつか来るんだろうなと思って共に生きてきました。その変化が今起こっています。IOCが東京大会を1年延期させただけでもすごいことだったし、多くの関係者やメディアの来日する人数を3分の1以下に抑えてきました。IOCを、ずっとそばで見ている私のような人間としては、よく変わったなと思うくらい、変わっています。本当に世界が望む、オリンピック・パラリンピックの価値がちゃんと問える大会になってきていると思います。」
🔗橋本聖子会長が「五輪反対は非科学的」と反論する根拠と理由 橋本聖子会長インタビュー(上)
(追記7)感染対策を地方に丸投げする政府とデータを都合よく解釈する政権擁護者
6月19日に来日したウガンダ五輪代表団が抗原検査とその後のPCR検査で陽性が確認されたときに橋下徹は「対策が機能したということ。陽性者を見つけることができて、きちっと対応できた」とし、「何回も何回も繰り返し(検査)することによってしか、こういう風に対応できない。とにかくむやみに検査拡大を言ってた人たちは、よくこれを見て反省してもらいたいです」というかねてよりの主張の正当性を強調していたが、果たして本当だろうか。政権擁護が目的なのだろう。
五輪・パラリンピックの選手や関係者は特例で14日間隔離が免除されているが、移動先のホテルでさらに一人がPCR検査で陽性であることが判明している。濃厚接触者にあたるか調査を受けないまま成田空港からホテルに移動したことが後から報道されており、穴だらけの受入れ先任せのずさんな対策が判明している。
橋下の主張するPCR検査の回数だけが問題ではなく、検査のタイミングの問題であり、14日間隔離の特例が問題だと考えられる。彼はいつも物事を自分の主張を正当化する材料に使って失敗している。反省する必要があるのは自分なのではないだろうか。吉村知事も「本来、成田にとどめ置くのが筋ではないか」と指摘している。
橋下の変わり身は早い。前回は対策が機能したと評価していたが、6月27日のフジテレビの報道番組では(ウガンダの問題で)例外を認めるから穴が出てくると指摘している。相手に対して優しすぎる対応だが、ミスを犯したのが大嫌いな朝日新聞だったらどういう発言をしていたのだろうか。なぜ特別扱いが行われたのかという核心に触れないのだろうか。
産経新聞の夕刊フジのサイト「ZAKZAK」に「東京五輪、有観客開催の背景 ワクチン接種は道半ばも…際立つ日本の死者・感染者の少なさ 専門家『人口比での事例数も考慮すべき』」という記事が掲載されているが、海外のコロナによる死亡者数や国内の肺炎による死亡者数と比較して問題を矮小化している。記事の内容は先日、内閣官房参与を辞職した高橋洋一の「さざ波」ツイートに通じるものがある。
オリンピック開催の擁護記事なのだろう。「元厚労省医系技官の木村盛世氏(感染症疫学)は『臨床医は目の前の患者の生死を重要視するのは当然だが、政策レベルでは人口比での事例数も考慮すべきだ。万が一に備え、東京から地方に患者を搬送できる態勢づくりも再度議論されなければならない』と提言したと記事を結んでいる。しかし、政権擁護派の政治ジャーナリスト田崎史郎がコロナ対策のガンだと指摘していた厚労省の医系技官の発言を都合よく使うのはどうしてなのだろうか。
オリンピックにより東京で感染爆発が起こったら地方にツケを回せばいいという主張にもとれる。それでなくても医療資源が脆弱な地方にツケを回すようなやり方は14日間隔離の特例と同じだ。オリンピックの開催を強行する一方で十分な支援もせずに責任を地元に転嫁する卑劣な政府に嫌悪感を覚える。
この記事は現実に起きた大阪の医療崩壊については何も触れていない。自宅待機で亡くなった人のことなど数からしたら大した問題ではないのだろうか。日本の問題は感染者数の問題でなく、国が進めてきた医療資源の効率化により医療体制が脆弱になっていることにある。医療が崩壊すれば、経済も成立しないことがコロナで証明されている。
日本は自分たちの利益を優先する性格の悪い人たちが跋扈する住みにくい国になりつつある。
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★東京五輪で来日選手など陽性 空港で濃厚接触疑いを特定へ~今月19日、成田空港に到着したウガンダの選手団9人のうち1人の感染が確認され、23日には泉佐野市内のホテルに滞在中の1人が陽性と確認されたほか、保健所の調べで、バスの運転手や接触を持った市の職員も濃厚接触者に認定されました。…組織委員会メインオペレーションセンターの中村英正チーフは、NHKの「日曜討論」で「同じ飛行機に乗ってきたら濃厚接触者となる蓋然性が高いので、保健所の判定を待つことなく隔離して、検査を受けてもらう態勢を政府などと早急に整えていきたい」と述べました。(2021/06/27 NHK)
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(追記8)かつてレッテル貼りはやめようと言った男がレッテル貼りを繰り返している!
歴史認識が歪んでいる安倍前総理が東京オリンピックに反対している人間を「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たち」とレッテルを貼って攻撃している。
この発言は右翼誌として有名な月刊誌「Hanada」に掲載された極右思想の持主とも言える盟友の櫻井よしことの対談の中での安倍前総理の発言だ。この人はそもそも事実に対する認識が幼児並みのように思う。
安倍前総理の枝野氏に対する批判がそのままに安倍総理自身に当てはまる。「非常に自己愛が強いので、批判されることに耐えられないのではないか」と見る人もいるという分析はまるで自己分析のようだ。
そもそも朝日新聞にしても枝野氏にしてもオリンピック自体を否定しているのではなく、コロナ禍での開催のリスクを国民の大半が危惧しているという立場を代弁しているにすぎない。おそらく、世論の大半がオリンピックの開催に賛成している状況なら彼らも反対の立場に立つことは難しいだろう。
正直、私は現在のオリンピック自体に強い疑問を持っている。理念を忘れ、商業主義で何でも決められてしまうオリンピックを見たいとも思っていない。以前は女子バレーやテニスはテレビで観戦しようと思っていたが、現在は見たいという気持ちが失せてしまっている。どうでもいいというのが偽らざる気持ちだ。
「日本でオリンピックが成功することに不快感」を抱いている国民もいるかもしれない。それは、オリンピックを露骨に選挙に利用しようとしているからだ。オリンピックが政権維持のための道具となっていることに私も強い不快感を覚えている。
そもそもコロナの感染対策を粛々と進めて早い段階で無観客での開催を決めていれば、現在のような分断は起きていなかっただろう。利害関係ですべてが後手後手になり、不都合な事実を隠蔽するような人たちを誰が信頼できるだろうか。
選手のためというお題目が、開催が近づくにつれて選手は単なる道具に過ぎないことが分かってきている。選手がコロナに感染しても熱中症になっても責任は負わないという念書は開催者側の責任回避そのものだ。アスリートファーストが聞いて呆れる。綺麗事を並べて責任を取らないのは本当は誰なのだろうか。
「自由と民主主義を奉じる日本がオリンピックを成功させることは歴史的な意味があり、日本にはその責任がある」と強調する本人が桜を見る会問題を始めとして何の責任も果たさず、次の選挙でみそぎを済ませようとしている。この人は責任という言葉を多用するが、自分の責任からは逃げ回る卑劣な人間だ。
愛国主義者の安倍前総理がテレビ番組の「○×形式で質問に答えるコーナーで、『私はお国のためなら死ねる』という質問」に「△」の札をあげていたという報道が忘れられない。この人はきっと何かあったら、敵前逃亡する側の人間なのだろう。世の中、普段、勇ましいことを言っている人が敵前逃亡するのは珍しくない。
★安倍前首相「反日的な人が五輪開催に強く反対」月刊誌の対談に(2021/07/03 毎日新聞)
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(追記9)ゲスはどっちだったか!~最終章
このブログは5月20日に掲載後、記事を追加しながら毎日更新してきた。端緒は4月29日に放送されたテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」に出演していた“政治ジャーナリスト”の田崎史郎のオリンピックと衆議院の解散の関連を疑うような人間はゲスだという発言だった。
そして、7月31日の現代ビジネスの次の記事をこのブログの結びとしたい。記事の中に誰がゲスだったかがいみじくも指摘されている。しかし、残念ながら国民の3割は、ゲスの仲間かもしれない。3割のゲスに負けない社会が実現してほしい。公正な社会であれば意見の衝突は容認されるべきだと思う。