○慶応出てトラックの運転手に……稼いだ金で通う「消えゆくムラ」~「首都圏で大きな地震が起きたとき、ぼくを助けてくれるのは、これまで地方で出会ってきたひとたちだと思います。遠い親戚のようなひとを何人つくれるかって、今後、だれにとっても大事になるはずです」古川さんはなんもく大学から「生きる力」を学んでいるといいます。「じいちゃん、ばあちゃんの知恵。思いやり、支え合い、強いコミュニティーをつくることです」
〇高齢化率No1 秋田県が挑む“買物困難者”対策「お互いさまスーパー」が地域に与える恩恵~「都市と異なる田舎の課題が、モータリゼーションの進行によるバス路線などの廃止です。路線バス利用者は、昭和40年代中頃のピーク時にくらべ、平成28年には1/8を下回るまで減少し、それに伴って山間部を中心に路線の廃止が進みました。加えて、郊外に大型ショッピングセンターが参入したことで、地域の個人商店の閉店も進んでいます。車が運転できる間は困りませんが、高齢者の独居も増える中で、地域での生活が今後成り立たなくなると懸念されています」…何かあった際にさっと買い物ができる場所が地域にない――。これでは、その地域で暮らし続けることができなくなる。最低限のものは地域で買えるようにしたい。そこで県が打ち出したのが「お互いさまスーパー」だ。「“買物困難”の課題にどう取り組むかを考えた時に、地域の方々が自ら店舗を運営し、買物困難の課題解決を図るとともに、集いの場を創出できないかと考えました。行政としては、将来にわたって資金的支援をしていくことは困難であるため、まず行政が立ち上げを支援し、そこからは自立した運営が実現する形を目指したのです」「お互いさまスーパー」とは「お互いさま」の名前にも現れるように、売る側も買う側も同じ住民であり、地域住民が協力し「お互いさま」の精神で運営・利用していく商店である。しかも、単なる商店としてではなくコミュニティスペースの併設など、地域課題を解決する拠点を目指すもの。民間事業者に店舗運営を委託するような事業ではなく、地域住民の自主性をサポートするのが目的だ。
〇秋田の人口たった2600人の村が「学力日本一」になった秘密 スーパーも塾もないけれど~2017年度の全国学力調査の結果は、秋田県は全国の小中学生の平均正答率より各教科で3ポイント以上高く、小6、中3とも国語は全国1位。算数・数学は2位と3位。…小さなコミュニティであることが、結果として目の行き届いた細かな教育を可能にした。「もし村が合併していたら、こうした村の長所は、大きな自治体の仕組みに吸収され、平均化し、とっくに消えていた」というのだ。…村に図書館はないが図書室がある。そこには村独自の予算で図書館司書を1名雇っている。村の児童1人に対して、組まれている図書費予算は約6000円。全国学校図書館協議会の「15年度学校図書館調査」によれば、児童1人当たりの図書購入費は全国平均1395円だ。授業の始まる朝の10分間は読書の時間にあてられる。月に1回15分ほどの読み聞かせのカリキュラムもある。放課後になると子供たちはすぐに図書室へ行く。…しかし東成瀬村は、この中学校統合問題が起きてから一度も他の自治体に合併、吸収されることなく、単独立村の道を歩んできた。このことが危機意識の灯を消さず、「高い教育意識」のモチベーションを維持する結果に結び付いた、と考える人たちもいる。
〇買い物難民の支援スタート 堺市、宅配や移動販売など紹介 高齢化進む泉北ニュータウン~同区は起伏の多い地形で坂道が多い上、撤退する商業施設もあるといい、市が平成28年に65歳以上の区民4千人を対象に行ったアンケートでは、約65%が買い物に対して「困りごとがある」「将来的に不安を感じる」と回答。困りごとの種類としては、「重い物やかさばる商品を持つのが大変」「雨の日は荷物が持ちきれなくて大変」「徒歩圏内の店舗は品ぞろえが少ない」などの項目を挙げる人が多かった。
○2才児発見、尾畠春夫さんが説くボランティアとしての心がけ~「かけた情けは水に流せ、受けた恩は石に刻め」──それが尾畠さんの座右の銘だ。苦労を苦労とも思わないのは、若いときにつらさを乗り越えたゆえか。彼の精神から学ぶべきことは多い。
○活動費は年金から 風呂も断った尾畠さんが貫く信念~軽ワゴン車に食料や水、寝袋などの生活用具を積み込み、助ける相手側に迷惑をかけないのが信条。「自己完結するのが真のボランティアだ」と言う。活動費は自分の年金から捻出している。…「学歴も何もない自分がここまでやってこられた。社会に恩返しがしたい」と思ったからだ。
○老親の衰え「フレイル」見逃さない チェック法は? ~フレイルは、2014年に日本老年医学会が命名した虚弱な状態を示す概念で、高齢者が介護が必要になる手前の段階。加齢に伴い体の機能が低下する「身体的要因」に加え、認知機能の低下やうつなど「精神・心理的要因」、独り暮らしや閉じこもりがちになる「社会的要因」が影響し合っている。…東大が高齢者約5万人を調査したところ、一人で黙々と運動する人は、運動をしなくても囲碁や地域ボランティア活動に参加する人と比較し、フレイルの危険が3倍高いことが明らかになった。飯島教授は「運動以上に『人と人のつながり』がフレイル予防になる」と説明する。
〇スーパー隣のコンビニが全然潰れない理由~その用を済ますことに本来かかる時間や手間を、コンビニが代わりに提供することで、空いた時間を人々はほかのことに使うことができます。それが、コンビニが提供している一つの価値、「タイム・コンビニエンス」なのです。コンビニが近所に一軒ある。それはつまり、食料品店、弁当店、コーヒーショップ、酒店、たばこ店、日用品店、文具店、書店、銀行、郵便局、宅配会社、役所、写真店が、そこに存在しているのと同じことなのです。…私たちコンビニにとって言えば、コンセプトの一つは「時間の節約」であり、その観点から見れば、フードもドリンクも、デザートもATMも宅配便も郵便も、すべて一つのコンセプトの上に並ぶわけです。
〇元博報堂社員"子育て"を理由にオランダへ より子供のためになる教育を求めて~少しずつ変わってきたとはいえ、まだまだ今の日本は良い大学を出て、大手に就職すれば安泰という考え方があります。そして、日本の教育はその前提のもとにある。その結果、僕も含めてですが、組織としての日本の企業の弱さが露呈してきているように感じたんです。…日本の学校教育は「正しい答えを教える」ことに関してはすごく優れているけれど、「自分の意見を述べる」とか「どういうふうに考えるか」とか「なぜそうなっているのか」ということを教える教育にはなってないな、ということ。一方で、オランダは「自分の意見を述べる」「自分で考える」というところに重きを置いていると感じます。…特にオランダの場合、学校の運営は別の機関(学校運営会社)が担っているんですね。ですので、先生は事務的な作業をする必要がないんです。だから常に生徒たちに向き合うことができる。
〇高齢化進む団地、空き家使って 国交省が新たな支援策~自治体や住宅公社、民間団体が空き施設を使って高齢者や子育て世帯の生活支援施設を新設する場合、費用の一部を支援することを決めた。団地内の通路や緑道をバリアフリー化する際も支援対象となる。
〇「人口32人」の集落に移住したドイツ人の気概 色鮮やかな古民家が消滅寸前の集落を救った~ベルリン生まれのカール・ベンクス氏(75)が、消滅の危機にあるギリギリのタイミングで竹所に移住したのは1994年のこと。以来、同氏が村で手掛けたピンクやイエローの再生古民家は、里山に色鮮やかな景観をもたらしているだけでなく、この村に移住者を呼び込む役割も果たしている。…元の建物に使用されていた柱や梁などの材料をできるだけ活用しつつ、日本各地から集めたドアや階段、欄間などの部材を組み合わせながら再生させるのがベンクス氏の持ち味。再生には約1年、費用は3000万円ほどかかることが多いが、再生期間や費用は、坪数と建物の内容や状態次第だという。…ベンクス氏の手で再生された古民家には大きな特徴がある。外観は柱や梁を格子状に組み合わせた骨格をあえてむき出しにして見せ、外壁は赤褐色のべんがら、ピンク、イエロー、グリーンなど色鮮やかに塗られる。屋根は手入れが大変な茅葺きに代わり、鉄片石と呼ばれるドイツの石の瓦が採用されることもある。横に縦に伸びる太い柱や梁は室内でもむき出しで、これは空間を広く感じさせ、家そのものが持つ力強さを印象づける効果があるという。
〇「川越」が活性化のため投入した起爆剤の正体 「持続可能な街づくり」へのこだわりがある~川越市を訪れた観光客数は、2006年に550万人だったのが、2016年には704万人にまで増えている。都心からのアクセスのよさに加え、“蔵造りの町並み”を中心とする歴史的な景観保存・活用による、観光地としてのブランディングに成功したのが主な理由だろう。…民間と行政双方による、中央通り周辺エリアの活性化に向けた取り組みについてリポートする。…「今までは行政主導でデザイン案を決めてしまうことが多かった。しかし、今回は商店会に加え、沿道の3つの自治会の皆さんにも参加していただき、ワークショップ形式でデザイン案を決めた。…」…この街で商売をしたい人とのパイプ役を担う活動を開始している。ただし、借りてくれるなら誰でもいいというわけではなく、「できれば昭和の街、もしくはその界隈に住み、一緒に街で暮らしながら長く商売をしてもらえる人を優遇したい」という、“持続可能な街づくり”へのこだわりがある。各地の観光地の商店街には、地元外の大手資本が入ることが多いが、ひとたび観光が下火になればそれらの企業が撤退し、シャッター商店街に逆戻りしかねない例がたくさんあるからだ。
〇千葉県松戸市とJR東、新駅設置で協議検討~市は昨年12月、JR東に「千駄堀地区におけるまちづくりの協力について」という文書を提出。JR東側は「街づくりの検討を深めた上で(新駅設置は)改めて協議したい」と回答し、同地区での新たな市街地の開発に協力するとした一方、新駅設置は市から具体的な要望を受けた段階で検討に入る意向を示していた。
〇私のレガシー論 「成熟」五輪にハコモノ要らぬ 森トラスト会長の苦言 自然災害に強い街づくりの好機「財政規律にとらわれるな」~「新国立競技場などのスポーツ施設が増えたり、刷新されたりすることは経済的にはあまり意味がない。施設の周りに公園ができたり、住宅が建設されたり、周辺整備が面として進むことが大切だ。点と点を結ぶ交通インフラが整うなど街としての機能が充実していけば、東京の生産性も上がり、都市としての競争力が向上する」…「だが、今、日本は高度成長の状況にはない。社会も経済も成熟してきたなかで開催する今回の東京五輪で、再びハコモノの数を増やしても意味はない。それよりも今ある道路や鉄道、住宅などを地震や火災に強いものに造り替えるなどの投資は意味が大きい。特に地盤などの状況から地震被害を予測する精度は以前に比べて格段に上がっている。自然災害に強い街づくりを進めるチャンスだ」…ただ、誤解してはならないのは森氏が闇雲にお金をばらまけばいいと言っているわけではないことだ。前回大会のように「ハコモノの数を増やしても意味はない」と警鐘を鳴らし、都市部のインフラの補修や再構築などに振り向けるべきだと主張する。要するに投資の「質」こそ大切だというわけだ。
〇まちの集約「計画・検討」75% 長野・新潟の自治体~計画または検討している具体策を複数回答でたずねたところ、「公共施設の集約」が88%、「交通ネットワークの整備」が76%を占めた。このほか新潟県小千谷市は「中心市街地の再整備」を進めるとした。同県五泉市や長野県岡谷市は人口密度の維持を目的に居住機能などを一定区域に誘導する策を挙げている。
〇「儲かる道の駅」と「赤字の道の駅」にある差 「道の駅成功請負人」中澤さかな氏の持論~当初、萩しーまーとは、全国各地にある観光海産市場「おさかなセンター」をモデルとしていたが、全国10カ所の同施設を視察した中澤氏は「観光市場は平日と休日、ハイシーズンとボトムシーズンで売り上げが乱高下するため、経営を安定させることが難しい」と判断。主なターゲットを地元住民に絞り、魚屋だけでなく八百屋や精肉店などの個店が集まる「公設市場」との位置づけにした。…道の駅や直売所の開設にあたってまず行うのは、徹底的なエリアマーケティングと競争優位性の確保である。「不利な立地でもほかにはない取り組みを行えば人は来るし、差別化できる要素がないように思っても、探せば見つかるものです」
〇ハッキリ言おう、行政はもう「地域活性化」に関わらないほうがいい 地域の未来を「守る」つもりなら~自治体の財政破たんは、「地域活性化」と称する国からの事業誘導を真に受けて始めてしまうことから起こるケースが多いのです。むしろ国の言うがままにならず、地域やその住民の実状に向き合って真摯に対応してきた自治体こそ、まちづくりの結果を出しています。安倍晋三首相が国会で「地方創生」の成功事例としてあげた市町村は、国策に反して市町村合併をしなかったところばかりです。逆に、国に誘導されて合併したせいで議会や役場がなくなり、周縁部化した地域が寂れていく事例は全国に数多く存在します。
〇御堂筋、歩行者に優しく 一部にウッドデッキ~完成80年を迎えた大阪市のメインストリート、御堂筋で20日、歩道や停車帯の一部を憩いの場「パークレット」として活用する実験が始まった。
〇東京一極集中の大波の陰で広がり始めている、「田園回帰」という静かな“波紋”~こうした移住は一時のトレンドではない。田園回帰は“人間回帰”でもある。地球の有限性に目を伏せて、無限の拡大を目指す経済システムの妄想が未だに続く中で、便利さと引き換えに人々は疲弊している。先にその矛盾に気づいた人々が、新しい人間サイズの暮らし方や働き方をクリエイトし始めているのだ。
〇高齢者の住まいに空き家活用 25日から新制度~賃貸住宅への入居を断られやすい単身高齢者や低所得者向けに、空き家や空き部屋を活用する新たな制度が25日から始まる。所有者に物件を登録してもらい、自治体が改修費用や家賃の一部を補助するなどして、住まい確保につなげるのが狙い。
〇人口増加で広がった「まち」、日本中で維持困難に…「ぎゅっと縮める」動き広がる~コンパクトシティ化の必要性が主張される場合、主な理由は次の3つである。第一は、高齢社会において日常の買い物や通院のために自分で車を運転しなければ用を足せないまちは、暮らしにくいことである。第二に、人口減少が進んでいくなかでは、薄く広く拡散したまちの公共施設やインフラを、すべて維持することは財政的に困難ということである。第三は、地方においては税収に占める固定資産税の割合が高いが、中心市街地が空洞化してその価値が下がると、固定資産税収が維持できず、財政に悪影響が及ぶことである。
〇アメリカの製造業復活を高らかに告げるライフスタイルブランド~デトロイトは2014年に財政破綻からの脱却を発表しました。今後、本格的に経済を立て直していくためには、ものづくりの力こそが鍵を握っていると思っています。自動車製造で培ってきた技術やノウハウは、他の産業にも活かせる。その事実を「SHINOLA(シャイノーラ)」が高らかに立証したことは、衰退しつつある他の自動車メーカーにも大きな希望を与えたのではないでしょうか。
〇「母になるなら」「安心して死ぬために」…人口増加に成功した街!~千葉県流山市は若いファミリー層の取り込みに成功し、10年以上連続で人口が増加している。2016年全国転入超過数では、東京都特別区や政令指定都市が上位を占める中で、8位に食い込んだ。
〇文京区は、全国で一番「官能的な街」だった 坂や階段だらけでも「歩いて楽しい街」の理由~武蔵小杉やみなとみらいのような、近代的なタワーマンション街の特徴として、住民の属性、すなわち所得階層や職業、価値観などの同質性が高いという点が挙げられます。…特に「歩ける」という指標で1位なのは興味深い。というのも、文京区は、東京23区の中でいちばん坂が多い街。階段もごろごろありますよね。そういう街が、「歩ける」街と評価されているというのは、近代的な都市計画が想定する「快適な歩行者空間」に対して、ものすごく重要なアンチテーゼを示しているように思います。…いわゆる木造密集地域も、全部更地にして高層ビルを建てるのではなくて、耐火性、防災性を高めつつ、味がある部分を残した街として再生することができると思う。
〇街づくりは「武蔵小杉化」だけが正解ではない 「スペック」で測れない街の魅力があるはずだ~武蔵小杉的な街は、20年、30年経ったときにどうなっていくのでしょうね。…ただ、もしも終の住処として、武蔵小杉やみなとみらい、湾岸豊洲のタワーマンションなんかを買っているとすれば、住民は一斉に高齢化していきますから、相当まずい状態になっていく。今の郊外のニュータウンみたいなものが、縦に積み上がったものになる。
〇書評:『ドイツのコンパクトシティはなぜ成功するのか』~ショートウェイシティ、すなわち移動距離が短い街である。日本でいうコンパクトシティに対応するもので、行政の主導が欠かせず、市民参加で実施すれば住民の理解が高まり、理想的だ。
〇ドイツの眠れる都市を覚醒させた「コンパクトな街づくり」~レーゲンスブルクはBMWと連携し、「生産拠点型」から「研究開発型」の企業城下町へと、コンセプトの転換を図った。BMWが研究・試作開発機能を強化した結果、部品を供給する準大手のサプライヤーも研究開発拠点を置き始めた。さらにそこからスピンアウトした人材が同地で創業するという流れができあがった。この流れは、大企業の研究開発拠点を呼び込んだだけでは起きなかった。鍵になるのは、自治体と企業の連携によるコンパクトな街づくりだ。中心市街地を活性化し、良質な住宅を整備しておくことで、優秀な人材がこの地に住みたくなる環境を整えた。それが結果として大手企業の誘致につながったと言えよう。住みやすい街と魅力的な仕事があれば、転勤のおそれがある大企業に勤める必然性は薄れる。その結果、街に愛着を持ったエンジニアたちのスピンアウトが相次いだ。
〇開業55年の団地駅が“消滅”するドライな理由~「松原団地と言っても、建て替えが進んでいて昔の団地はほとんどありません。今はコンフォール松原という名前で高層マンション群に変わってきている。だから、松原団地駅という名前は実態にそぐわないんですよ」
地元で駅名変更の活動を進めてきた松原団地駅名変更協議会の中核を担った草加商工会議所から、こんな答えが返ってきた。
〇「27歳男性」が高齢者向け不動産を扱う事情 「年寄りだから借りられない」のはおかしい~山本氏がR65不動産を始めるきっかけになったのは、新卒で入社した会社に入って3年目の春に担当した80歳の単身女性。山本氏が勤務していた不動産会社にたどり着くまでに5件の不動産会社に繰り返し門前払いを食らったという話に、強く憤りを感じた。…実際、探している人から連絡が来ることはほぼなく、9割は相談を受けた自治体や士業の人々からの問い合わせ。しかも、地域包括支援センターのような公的機関では民間企業、それも現段階では1社しかない会社を紹介するわけにはいかず、それがネックになっている。…もうひとつ考えているのが、法的、経済的な環境整備である。たとえば入居者が死亡した場合には賃貸借契約の終了、残置物の処理などが問題になる。
〇週休3日制、大分の半島で 東京と違う働き方模索~月~金に1日8時間働いていたのを、月~木の1日10時間に。同じ週40時間勤務で給料は変わらないが、残業が減り、実質的な労働時間は約2割減った。…高齢でも働けるように定年制も廃止した。
○大分・津久見でまちづくり組織「ツクミツクリタイ」発足へ~「誰もが気軽に楽しく津久見のまちづくりに取り組み、津久見の将来を語ろう」をコンセプトに市民有志が集まり発足した同組織。この日、正会員15人が参加した。
○成功する空き家と古民家の再利用ビジネス~地方の空き家は過疎化に伴うもので比較的イメージしやすいですが、現在は都市部でも空き家は深刻な問題となっています。都市近郊のニュータウンでも集合住宅や一戸建てを問わず、高度成長期に開発された住宅地では、子どもが独立した親世代の高齢化が進んでいるわけです。
○<共同化事業>にぎわい復活へ裏方奮闘~宮城県気仙沼市内湾地区の「南町2丁目地区共同化事業」は東日本大震災から5年を経て着工にこぎ着けた。
○日本の行政は商業地を起点に街をつくれない 団地とショッピングモール開発は何が違うか~街路をいかに魅力的につくるかが重要だというわけです。古い手法かもしれないけれど、彼は最初に魅力的な動線を描いて、残ったところに建物を建てる。…ャーディとアレグザンダー、それとジェイン・ジェイコブズの三人というのは、それぞれは違う方向性で活動していたのだけれど、方法論としては共通しているところが大きかったのかもしれません。
○「副業OK」は社会をどう変えるのか ロート製薬も認めた~「社外チャレンジワーク制度」は終業後や土日祝日などに収入を伴う別の仕事と兼業が本業に支障がない範囲で認められる制度
○<適少社会>暮らしやすさ 自ら描く~◎人口減 復興のかたち[11]第2部急減地(5完)不便の壁(石巻・北上)~合併で町役場は総合支所となった。メンバーの佐藤尚美さん(42)は「総合支所には住民の声を集める仕組みがない。行政だけでは地域の暮らしの維持は難しい。新たなまちづくりの形を考えたい」と語る。
○「頼りになるのは遠くの親類より近くの友人」が新しい高齢者ケアのかたちに~高齢者地域になりつつある「ニュータウン」、これからどうする?…実は、風の丘の運営者は団地住民である。住民が自分たちで作り上げた。これは特筆すべきことであり、これからの日本の高齢者ケアのモデルになりそうだ。
○商店街5つが連携、本郷「町おこし」の本気度 実は意外と難しい商店街・町会の連携プレー~自分たちで何かをやるというより、やりたい人と実施できる人をつなぐ、といった、一見見えないことを目的とするNPOは当初理解してもらえなかったという。
○「ツタヤ図書館」地方になぜモテる?5市が計画・検討~駅前のにぎわいを取り戻し、雇用を生み出して人口減に歯止めをかけたい――。市はツタヤ図書館を活性化への起爆剤と捉える。
〇老いる新興住宅地 地域コミュニティーの今(1)~高齢化に危機感を持つようになったのは最初期の入居者の多くが60代以上となった1998年ごろ。「このままでは10年後は大変なことになる」と住民23人で「高齢者福祉施策検討委」を立ち上げ「必要なことは何か」「誰がそれをやるのか」を徹底的に議論した。2001年、同検討委の23人で自治会とは別の住民組織「淞北台いきいきライフを推進する会」を結成。自治会顧問も務める高橋博会長(82)は「動きだせる最後の時期だった」と当時を振り返る。
○「ホテルオークラ東京」を建て替えなくてはならない本当の理由~東京五輪へ向けて最大の「上客」であるはずの知日派の外国人から「日本の伝統とモダニズムが融合する建物だから保存して」という声があがっているにもかかわらず、「大丈夫、大丈夫、外国人はこういうのが好きなんでしょ」と高層タワーに変えてしまう。
〇公園計画の撤回を表明 つくば市長、議会で~新国立競技場の建設計画の見直しが決まった後は「新国立の次はつくばだ」などと訴えた。…8月2日の住民投票では、反対が有効投票の80・78%を占めた。投票結果を受けて市原氏は「白紙撤回する方向で検討を開始した」とのコメントを出していた。
〇永久0円で授業見放題! 「家庭教師のトライ」の無料オンライン授業「Try IT」~Try
ITでは、映像授業をスマホ向けにオンライン上で無料配信すると同時に、質問箇所についてもオンラインで家庭教師が的確に答えてくれるサービスだ。…またこのサービスの会員登録及び映像授業視聴は完全無料で、現段階では中学3年分の授業が見放題となっている。なお質問には1回につき500円(税別)でのチャージがかかるというシステムだ。また映像授業に沿ったテキストは無料ダウンロードできる。
*少子高齢化などの問題を抱えた地域に新聞記者が住み込んで、東京に頼らず自立する人々の活動を紹介した記事を単行本化
○「空き家問題」解消? 北九州発リノベーションスクールの効果
*こうした活動は行政からの補助金に頼らず、民間資金のみで空き家や空き店舗の活用や街づくりを推進している。
*スマート・ベニューは、街づくりの中核を担う交流施設として、スポーツ施設としての機能以外にも「多機能複合型」、「民間活力導入」、「街なか立地」、「収益力向上」などをキーワードに登場した。周辺のエリアマネジメントも含むサスティナブル(持続可能)な交流施設を意味する。日本政策投資銀行が提唱、商標登録している概念だ。
*プレーパークづくりは、地域づくりの一環でスタートした。
〇圧倒的な付加価値を生む!21世紀の街づくり革命 東京急行電鉄社長・野本弘文 2015年7月9日OA TX カンブリア宮殿
*そのひとつとして、駅前に高齢者向けマンションを建設。様々な工夫を施した。坂の上の一戸建てから高齢者が移り住み始めている。…気になるのは、シルバー世代が引っ越しして空き家になった部屋をどうするのか? 東急はそこにも手を打っていた。高齢者が手放した家を、子育て世代向けにリフォーム、人気の町、たまプラーザに住みたいという若い世代を呼び込んだのだ。世代の循環、それが東急の新しい街づくり。…街自体が住民の年齢と共に年を取るのではなく、いろいろな世代が循環しながら成長し続けることが大事」…「鉄道会社なのでどんどん人口が減ることや、そこで働く人がいなくなるとこと、訪れるお客が減るのは衰退を意味する。言葉は悪いが回転率が重要! 今まで渋谷に1ヶ月に1回しか行かなかった人が2回行くと倍になる。回転が良くなれば人口が減っても来客数は倍になる。(モノの)消費で言うと、今までひとつしか持っていなかった人が出かけることによってオシャレもしたくなるので、もうひとつ買おうと消費増にもつながる」
〇「もう一度、社会に戻って働きたい」農業での再出発・再挑戦を支援する畑の学び
*農業で人生の再チャレンジをめざす元ホームレスや生活保護受給者、ニートを送り込もうと就農支援を行うNPO「農スクール」を訪れた。…そこで思い出したのは、過疎化が進む故郷熊本のことでした。「熊本の田舎なら家はいくらでも余っているし、農家ではいつも人手不足です。特に大きな農家では、仕事も分業になっているので、新しい人も入りやすい。賃金は安いですが、生活コストも安いから暮らしていけます。働きたいのに働けないなんて、もったいない!熊本と東京、農業とホームレスの方をうまく結び付けられたらな、って思ったんです」…事業を始めてみたら、貧困、失業、ホームレス、生活保護など次々と重い課題を突きつけられ、「日本ってこんな国だったんだっけ?これはパンドラの箱を開けてしまったのかもしれない……」と、衝撃を受けることばかりだったという。
*県内で学校の統廃合が進んでいる。公立小学校は1980年度の370校から2014年度は223校に、中学校は151校から121校に減少した。
〇結城市と栃木3市町、協定締結目指す 小山市長、自立圏で中心市宣言
*定住自立圏は人口4万人超などの要件を満たす「中心市」と、経済や文化、生活で密接な関係がある「周辺市町村」で構成。連携策を盛り込んだ協定に基づく取り組みに対して国から財政支援が受けられる。
*少子高齢化や人口減少が進む伊豆市で若い世代の定住促進を図ろうと、賃貸住宅とオフィス棟が一体となった街区を開発する「ドット・ツリー・プロジェクト」が始動した。
〇「日本は世界で人気」なのに、外国人観光客数ランキングが「26位」の理由
*日本政府観光局によると、2014年に日本を訪れた外国人観光客は2年連続で過去最高を更新した。テレビを見ると「日本はスゴい」などと報じているが、国別ランキングをみると、日本は「26位」。なぜ外国人たちは日本に訪れないのか。その理由は……。
*「供給者側の都合」が優先される国で、異なる文化や価値観をもつ「ユーザー」が居心地がよくないのは言うまもでない。
*「観光大国」になれる国は自然、文化、気候、食事だという4つの条件があるが、日本はすべてこれを満たしている。つまり、「ユーザー目線」でしっかりとした観光資源の整備を行えば、日本は8400万人の外国人が訪れるフランスにも匹敵する観光大国になれるというのだ。
*「日本はスゴい」という自画自賛の声が溢れる今だからこそ、第三者からの耳の痛い提言に耳を傾けたい。
〇人口減少時代のモデル、夕張市「コンパクトシティ計画」 20年かけ住民集約実行中
*住人が1人でもいれば市は水道などのライフラインを維持しなくてはならない。年間2億円近い負担があり、最盛期には12万人いた人口も1万人を割っている。更に全国トップクラスの高齢化率で人は減るばかりだ。これに対し夕張市は「コンパクトシティ計画」を打ち出し実行中だ。広く分散している空き家の多い住宅を、市の中心に20年かけて集約。市役所や商店を一か所に集めることで市民は暮らしやすくなり、市は維持管理費を削減できる。
〇平成の大合併10年検証 本紙企画、県内自治体の選択 (岩手)
*(この企画は1日朝刊から6回続き)